Neo Border [Version2.0] ■016■
Foresight
近未来、
現実国家では正すことのできない不合理さが
ネット上に仮想国家を生み出した。
Neoフォルダには確かに2025.09.30.docがあった。
「路地裏のワイン娘より
近くお会いできると思いますが今は時間がありません。あなたたちは今いる場所からすぐに消える必要があります。そしてみなさんのパソコンは汚れてしまいましたので洗濯と漂白をしないといけません」
はっと気づき、すぐさまUSBのJohnが作成した常駐しないステルスタイプのセキュリティを特殊パソコンに走らせた。
すると一見見えないわずかな領域に通常あるはずの無い防壁と、内部にネットへの送信プログラムらしきルーチンがみえた。
「そういえば、この宿の回線は最新のNeo Border Gateway系だっだな・・・・しかしまさか・」
Markはすぐにモバイルで旧ネットワーク経由でWilliam、Johnにこのことを伝え、わびた。
「ピザ屋がくるより先に消えないと俺たちがピザにされるわけね」
「ああ、激辛なやつにな」
寝る振りをして電気を消し、そっと外を見ると怪しげな人影が見えた。
腕のブレスレットは反応している
「ちょっと近づきすぎたのは反省するべきだが、ある意味ここがかなり重要ポイントだと教えてくれたわけか」
すぐさま宿を出て夜の繁華街向かって歩いた。バックパッカー変身術のライセンスは神業の域である。
しばらく歩くとネオンが見えてきたが、
遠く後ろにヘッドライトが見えたので、物陰に潜むとやがてMarkの前でぼろぼろの車がエンジンをつけたまま止まった。
見ると荷台の隅に黒い鼠の絵が描かれている。
「後から来るベンツに乗るか、この車に乗るかはあんたのじゆうだ」
幾時間走ったろうか、夜が明けたころ小さな町で降ろされた。
男は何も語らず走り去った。
「ここ、どこ?」
Neo Border [Version2.0] ■016■
この小説は将来映画製作用の原作のため、
時間経過と共にバージョンが変化していきます。
前”1.0”バージョンは書きながらアップしていたため、
ストーリー”010”で時代に追いつかれそうになり停止しましたが、
今回は最後まで書き上げてバージョンアップすることにしましたので、
とりあえず完結しています。
最後までついてきていただければ幸いです。