Neo Border [Version2.0] ■015■
Foresight
近未来、
現実国家では正すことのできない不合理さが
ネット上に仮想国家を生み出した。
3人は糸口を見つけるためにそれぞれ思いのあるフィールドに少し戻ることに。
Williamはアメリカ地域に
Johnはアジア地域
Markはヨーロッパに向かった。
世界中の膨大なデータは徐々に復旧していたがまだまだ完全ではなく世界中が混乱していたが、ネットの深層部の端々からもれてきた、公式発表されていない現実国家群の特別管理区域や、急にセキュリティが最高レベルに上げられた構造群の情報を確認することからはじめることにした。現実国家群がやろうとしていることを調べることで今回の流れをさかのぼれると思ったからだ。
そうしている中でも、次第に現実国家郡は旧インターネットワークから、人民と国家群の安全のためにと“国境システム「Neo Border Gateway」”切り替えをすすめていった。
旧ネットワークを使う“MSSS(Medical Support Security System)”“TFS(Tutelary Fairy System)”などは時々通信障害を受け始める。
「早くしないと、まずいことになりそうだ」
しかしMarkは持ち合わせの情報からヨーロッパのあちらこちらを飛び回ったが、なかなか有益な情報を得ることが出来なかった。
基本、公式発表の無い情報を、今の混乱しているネットワークから探し出し、確認していくことは困難を極めた。
そんな状況の中偶然ある山間部の道路の通行禁止情報を得た。何気ない情報だが上空に浮かぶ”Shining Candy”に近く、これに関するいくらかの書き込みが怪しさを募らせる。
「ここからそう遠くないな」
大きな街から数時間のどかな田園風景の中を走っていると、道路が封鎖されているため転回を促す標識や、通行止めの看板があったが、無視して走っていると突然舗装されて間もない滑走路のような大きな道、その先にゲートがあった。
左右のフェンスははるかに延びている。
「これはまずい」
遠くゲートあたりに警備員がいたのでそのまま転回した。
付近の人は「最近出来たこの先の企業の発電所に不具合が見つかり、念のために周囲を閉鎖しているらしいよ」
「こんな山の中に発電所か」
ホテルに入り、民間の精度が落ちるとはいえ天空からのリアル映像が提供されているサイトから確認したが、このあたりはただの山間部と、あまり知られていない古城が見られるだけで、現実ある舗装された道路は小さなローカルな道のままだ。
「どっからは入れないかな」
その夜、緊急ミーティングでWilliam、Johnもそれぞれに怪しい地域や構造群の情報を得ていたので、意見の交換など今後の展開を遅くまで話し合った。
特殊パソコンを使いブラックネット経由でこの地点のサーバーにアタックをかけてみたが遮断してあるのか見つけ出せない。
あきらめて電源を落とす一瞬
パソコンがもたついた。
それは一秒にも満たなかったが、なにかひっかかる。
突然モバイルに一件の受信メールが。
「なにかいいのこしたのかな」
このアドレスには特殊な経由やプロトコルをつかっているので送ってくるものはWilliam、Johnのほか、仮想国家群議長など信頼の置ける者しかいない。
だが
黒鼠というID。聞き覚えが無い。
「道標がほし~の~ならneoフォルダの2025.09.30.docだって☆」
うーん
しかしこの緊迫した状況の中この内容はありえない
ていうか、このスパムがありえない
Neoフォルダとはモバイルに入っているフォルダだが2025.09.30.docには記憶が無い
「今日はあやしい事だらけだ」
しかしこの違和感はやがて胸騒ぎにかわる。
Neo Border [Version2.0] ■015■
この小説は将来映画製作用の原作のため、
時間経過と共にバージョンが変化していきます。
前”1.0”バージョンは書きながらアップしていたため、
ストーリー”010”で時代に追いつかれそうになり停止しましたが、
今回は最後まで書き上げてバージョンアップすることにしましたので、
とりあえず完結しています。
最後までついてきていただければ幸いです。