あなたの望むハッピーエンドを。
小さな部屋だった。少女は一人、ベッドに横たわる。
ジメジメした夏の暑さに眠れない。少女は部屋の明かりを灯した。
「やっと掴んだと思ったの。」
少女は髪飾りを握りしめた。
少女は続けた。
「やっと掴んだと思ったの。でもね、やっぱり無理だったみたい。私が変わらないといけないのに、私は人のせいにしちゃうから。昔からそうだったの。『可哀想な私』『不幸な私』『凡人とは違う私』これが欲しかった。」
真夏の風が吹いた。あまりにも寒いので少女は窓を閉めた。
全身に鳥肌が立った。
左手首の白い線が少女を過去に引き込む。
「気持ち悪い・・・か・・・・。」
本当につらかったのに。少女は笑った。
「仕方ないよなあ。だって切ったことないじゃん。いいなあ傍観者は。人を守ってるふりして自分守れて。私は軽率な人間ですか。当事者じゃないくせに。私の気持ちなんて一回も考えなかったくせに。それでも『あなたたちが大好きだから』って笑えるなあ。私のこと遠まわしに責めて追い詰めて。喧嘩売って反応楽しんで。私もそっちに回りたいなあ。いいなあいいなあ。私も責めたいなあ。遠まわしに責めたいなあ。」
急に少女は机に向かった。そして、ライターを取り出し、ノートを燃やしていく。
「ごめんなさいごめんなさいごめんなさい。私がこんな文章書くから。稚拙な文章なのに人に見せたから。ごめんなさいごめんなさい。生まれてきたくなんてなかったのに。知らないのに。だって話してないもん。信頼してるなんて嘘。本当のことなんて話したことない。ごめんなさい。なんにもできないの。でもプライドだけ高くて、自分より下を見つけて。思いっきりバカにしたかった。『バカなくせに』って。」
少女は全てのノートを燃やした。そのあとすぐに灰をかき集める。
「それでも、私の感情のはけ口だったんだよ。どんなに下手な文章でもこれで救われてたんだよ。」
泣きそうだった。でも泣かなかった。
ただ少女の心に残るのは破壊された自尊心と絶望だけ。
どんなことがあっても少女が変わらない限りハッピーエンドは訪れない。
『もし私の幸せを奪って誰かが幸せになるなら、私はその幸せを壊しに行こうかなあ。そうやって次は私の幸せが奪われてどんどんどんどん私は不幸になるんだなあ。へへへ。それでもいいや。だって、もう誰のことも好きじゃないの。』
あなたの望むハッピーエンドを。
ありがとうございました。駄文ですね。恥ずかしくなったら消します。