luminox 序章
これから本編に入ります。
文才は自信がないので、読みにくいかもしれませんが、それでも読んでやるぜ!!という方、どうぞよろしくお願いします。
ある場所での会話
「考えは変わらないのか?」
壁に寄りかかっている人影が、少し困ったように言う。
声からして、男性のようだ。
あたり一面が暗く、お互いの顔もよく見えない。
部屋にある大きい窓からは、外の景色がよく見える。
夜だというのに明かりがそこかしこに灯り賑やかな雰囲気が感じられる。
それに比べて、この部屋は重い空気が漂っている。
「…俺には荷が重すぎる」
冷ややかな男の声が返答した。
問いかけた男性は、しばらく何か言おうと考えたが、しかし何も言わずに薄くため息を吐くと、そばにあった椅子に座る。
静かな部屋の中で、ギシッと座る音が響いた。
「…俺には引き止める権限はない。あの人が承諾したと言うならそれまでだ」
さっきの雰囲気とは変わって、割り切ったような声が言う。
その声に返すことなく、男はドアの方へと歩いていく。
そして、ドアノブに手をかけた時に、静かに立ち止まった
「…世話をかけた」
「持ちつ持たれつ、ってな。気にすんな」
静かな、だけど申し訳なさそうな声に、どこか楽しそうに答える男性。
その言葉に、ふっと静かに笑うとそのまま何も言わずに男は出て行った。
一人部屋に残された男性は、またギシッと椅子を鳴らして、背もたれに体を預けた。
「…どうしたもんかねぇ」
luminox 序章