狐の嫁入り

全部流されてしまえばいい
吐瀉物と

雨宿りしなきゃ

頭の中で雨が鳴ってるんだ
絶え間なく跳ねる声
それはどこまでもついてきて
僕のココロを濡らす

揺れる木漏れ日は遥か彼方
暖かさは打たれて消えた
それはどこまでもついてきて
僕のコトバを濁す

雑音騒音不協和音
都合がいいから歌うんだ
響くノイズは届かない
被せて雨が愉快に歌うから

そこに降らすのは誰なんだ
ほらまたそんな言い訳して
僕のサケビが届かないって
いつものように喚くんだ

そこに降らすのは誰なんだ
ほらまたきっと言っちゃうんだ
僕のホンネはわからないって
いつものように嘆くんだ

溶けた思考の中
狐の嫁入りくらいがちょうどいいって
言えるアナタの横顔見てる
僕の全ては雨の中

ナンデそこに立ってるの
見てないでこっちにおいで
なんでそこで待ってるの
手を振ってそっちに呼んで

聞こえないや聴こえないよ
ほら雨が降っているから
叫喚咆哮僕から出たナニカは
空気震わすことなく僕に落ちてきた

ざあざあ

ぽつぽつ

しとしと

からんころん

聞こえないや聴こえないよ
ほら僕がナイテいるから

頭の中で雨が鳴ってるんだ
絶え間なく跳ねる声
それはどこまでもついてきて

狐の嫁入り

ごめん

狐の嫁入り

ない

  • 自由詩
  • 掌編
  • 全年齢対象
更新日
登録日
2013-07-30

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