死にたがりの日記<プロローグ>
日記を拾った男性は・・・。
2010年・・・自殺者は3万越えらしい・・・
そんなニュースを朝の支度をしながら聞いた。
何故、人は死にたがるのか・・・。
どうせ、寿命が来れば死ぬのに・・・。
自殺など考えない俺は、そんなことを思っていた。
あの日記を読むまでは・・・。
日常を生きているだけで、人はストレスを感じ、行き詰ってしまう。
人間とは弱い生き物なのだ・・・。
あの日記を見つけたのは、夜遅い飲食店でだった。
深夜遅くまでやっている飲食店にラストオーダーギリギリにかけこみ、食事をした。
人がいないために広めの席に1人。
無事にお腹を満たして、出ようとすると、隣の椅子に本が置いてあった。
(忘れ物・・・)
普段なら、見て見ぬふりだ。
どうせ、店の掃除をする時に店員が見つけるだろうし。
しかし、何故か俺はそれを手に取ってしまった。
diaryと書かれた紫の表紙。
(日記・・・?)
俺はそっと1ページめをめくった。
『私が死んだ後、誰かがこれを見るでしょう…。
その時、どう思うのかな…?』
少し癖のある女性らしい字でそう書いてあった。
その言葉になんだかゾクリとした。
「お客様」
ビクリとして、後ろを振り向くと、店長らしい男性が申し訳なさそうに立っている。
「申し訳ありませんが、閉店のお時間です」
「はい。すみません」
俺はすぐに会計へと向かった。
手には、日記帳を持ったまま・・・。
家路についてしまったのだ。
死にたがりの日記<プロローグ>
書きなおしをしてみました。