妄想

ねえ、この手紙をどこに出したら君に届くのかなあ・・・?



机の中には、宛先の住所だけが空欄になってる手紙が十何通も溜まってしまった。



桜が満開だった高校の入学式のこと、

牡丹の柄の浴衣を着てみた夏祭りのこと、

みんなでプレゼント交換をしたクリスマスパーティーのこと・・・。

他にも沢山、楽しいことがあったんだよ。



君は、今、どこにいるんだろう・・・?

一年分の、伝えたいことがいっぱい、いっぱいあるんだよ。

ねえ・・・。







・・・・・・・・・・・・・・・・・見ていたよ。

全部、全部、僕は見ていたよ。

君のういういしい制服姿も、綺麗な牡丹の浴衣姿も、楽しそうなクリスマスパーティーも・・・・。

僕は、全部見ていたんだ。

でも、僕はこれを君には教えられない。

教えたら君はきっと、悲しむだろうから。



だってね・・・・・・・僕は・・・・・・・・







もう死んでるんだもの。

妄想

ありがとうございました!!

妄想

純粋に愛する彼に手紙を書き続ける少女。 でも、その手紙が彼に届くことは、決してない。 ―――――なぜなら彼は・・・・・・

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更新日
登録日
2011-08-08

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