みずいろ

8月13日

ミーン、ミーン、ジリジリ


「……うるせぇ。」
蝉のうるさい声で起こされたらたまったもんじゃない。
俺は不機嫌になりながら、重たい体を起こした。
今日は8月13日。特に暑くなりそうだ。そんな事を思いながら、
階段をおりた。
「裕太おはよう。」
母さんが俺のために朝ごはんを用意してくれていた。
「母さん。ねーちゃんは?」
口をモゴモゴさせながら、母さんにとう。
「とっくに友達と図書館行ったわよー。裕太も行って来たら?」
「いーや。友達とぶらぶらしてくる。」
俺は席を立ち、ケータイをとった。
ちらっと見ると父さんの写真と目が合ってしまった。
「…今日はお盆か」
ポツリと呟き、洗面所に向かった
着信履歴には「大貴」とあった。しかも3通。
「大貴の家に行ってみるか…。」
時計は、午前11時を指していた。

みずいろ

みずいろ

  • 小説
  • 掌編
  • ミステリー
  • 全年齢対象
更新日
登録日
2013-07-25

Copyrighted
著作権法内での利用のみを許可します。

Copyrighted