地球最後の人類、それは「僕」

星新一さん風に近未来を書いてみました。

僕は一人ぼっちだった。


なぜ――――?



なぜってそりゃ・・・


僕が最後の人類だからさ。


僕の父と母は、地球最後の夫婦だった。
でも、二人とも僕が幼いときに、ウイルスに侵されたのだろう、全身にイボが出来て死んでしまった。



・・・とこれも、いつかにメイド役のロボットから聞かされた話。
それからもう何年も経ったけど・・・




僕は他の「人類」に一度も会ったことは無かった。




母と父の後を継いで、僕を育ててくれたのはロボット達だった。
アナタ達の世界ではこんなことは実現していないようだから書いておくけど、この世界のロボットは家事から勉強、遊び相手まで全部面倒を見てくれる。

朝はメイド役のロボットに起こされて、ロボットが作った朝ご飯を食べて、昼間は友達役のロボットと遊んだり先生役のロボットに勉強を教わったりして、夜は美しい声を奏でるロボットの子守歌で眠りにつく。
それから、たまに地理の勉強で旅行に行く。自家用の飛行機(これはアナタ達の世界では自家用車のようなものだ)で、かつて「アメリカ」と呼ばれていたところや、「中国」と呼ばれていたところへ行く。
ただ、その旅行先も、僕の住んでいる土地と同じく、大量の墓、大量の動かなくなったロボット達、そして、あとはただの誰も居ないコンクリートの森になっているのだけど。




―――――寂しいか?
そんなことはない。
沢山のロボット達に囲まれて、当たり前だけどみんな僕に良くしてくれる。


でも、



ムナシイ。



みんな、所詮、ロボット達は僕の世界のエキストラ、つまり役者でしかないんだ。


それにやっぱり、彼等は作り物で、あの微笑みも、僕が喜ぶようにプログラムされたものなんだ。

それに気付いたとき、恐怖が沸き上がってきた。


一人ぼっち。

ボクハ、ヒトリボッチ。



僕は、朝、メイド役のロボットが部屋のドアを叩いても無視をするようになった。
友達役や、先生役のロボット達がやって来ても、返事もしないで父の本棚を読み漁る。


もう全てがどうでも良かった。
どうせ、この世界には僕しか居ないのだし。




―――――すると、ある日、いつものように父の本棚を漁っていると、一枚の紙がほろっと落ちてきた。




・・・・・・・




「子供型ロボットの作り方」






なぜ僕だけが、ウイルスに感染しないで生き残ったのかが分かった。

地球最後の人類、それは「僕」

読んで下さってありがとうございました!!
初投稿で、しかも矛盾だらけだったと思いますが・・・。

地球最後の人類、それは「僕」

最後の人類になってしまった、少年「僕」。 「僕」は、誰もいない地球で何を思うのか。 そして、「僕」自身すら知らなかった「僕」の正体とは―――。

  • 小説
  • 掌編
  • SF
  • 全年齢対象
更新日
登録日
2011-08-08

Copyrighted
著作権法内での利用のみを許可します。

Copyrighted