強がりで弱虫で

高校二年生の夏。

私はすごく不安だ。


「奏美!
 早くいくよ!」

「あ、ごめんね、
 もう準備終わるから」

幸井奏美。16歳。
夏休みまで一か月をきった今日。
私はとても憂鬱だった。

私は、思ったことを言えない
臆病者だ。

「奏美はさ、どう思う?」

「何が?」

「今年の一年よ、
 私はさいっあく」

「私は、、、」

「あ、さくちん!」

「え」

友達の笑美花。
私とは違って、笑美花は
思ったことをずばっという。

「ちょっと、さくちん聞いてよ!
 今年の一年ときたらさー、、、」

ズキン

まただ。

「はあ?最悪じゃん
 ちょーうっざ」

ズキンズキン

「だからさー
 で、奏美はどう思うわけ?」

「え?」

「だーかーらー
 今年の一年よ!」

「わ、私は、、、
 私、、は、、」

ここでみんなとは
違う意見を言ったらどうなるのかな・・・

仲間外れに、されちゃうのかな

「ま、どうせ奏美のことだから
 みんな頑張ってるとかって
 思ってるんでしょうね」

「え」

「確かに、
 奏美いっつもにこにこしてるもんねー」

「幸せそうでなにより」

「あ、あはは」

人の口からでる悪口はどうも苦手だ。
頭痛が治らない。

「わ、私、ちょっとトイレに行くから
 先に教室、行ってて?」

「りょーかい」

「遅れないようにね」

「うん、ありがとう」

えっちゃとさくらちゃんは
大切な友達。
だけど時々、二人が
すごく、怖い。

強がりで弱虫で

強がりで弱虫で

  • 小説
  • 掌編
  • 青春
  • 恋愛
  • 全年齢対象
更新日
登録日
2013-07-24

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