ちゃ

爪が剥がれて血が出て来た。
とても痛い。でも、泣けない。
外は雨が降っていた。傘をさして歩いていく人々。おばけみたいで美しい。
「おーい!」と呼んでみた。
何人かがこっちの方を見てくれた。
「、、、。」
でも、私は黙ってしまった。
何か言いたい事があったはずなのに、何も言えない。
爪の痛みも感じられない。

その内、みんな去っていった。
静かになってしまった。
どうしよう。

ちゃ

ちゃ

  • 小説
  • 掌編
  • 全年齢対象
更新日
登録日
2013-07-23

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