トモダチ関係 ((前編

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小6の春がきた。

自分の心の中では、「学校とか行きたくないし。」っていう気持ちと、
「学校行かずに登校拒否とかなったら親に顔上がらないしなあ」って気持ちが
5分5分なのは自分でもわかっていた。
その2つの気持ちが合わされば、素直じゃない自分が出来るのもわかっていた。

「どうせ学校いっても面白くないしなあ。今日は「頭痛い?」とか嘘ついて
仮病で休もう。どうせばれないだろ。」

心の中ではそんな悪知恵を働かせていた。

学校には一応きてみた。でもどうせにらまれるか無視されるだけ。
相手にされただけでもうれしかったりした。

「・・・こんな自分でも、前は友達がいたのに。」

去年の10月くらいの話だ。

クラスで大体の人と仲が良かった自分がいた。
少しは悩みもあったし、友達関係上手くいかないときももちろんあったが、とにかく

充実した学校生活を送っていた。
だが、ある日の一言で、自分の学校生活は大きく変わった。
「・・・ゆみってさ、なんかうざいよね。」

自分を友達が避けていることがすぐわかった。
他の友達も、少しずつ自分から離れていき、自分を睨んだり無視するようになった。
その中でも、一番信頼していて、仲が良かったMまでもが離れていったことが
自分が一番ショックを受け、つらくなった。

「Mと自分の関係は、こんなにうすっぺらいものだったんだ。」
初めて友達をなくすつらさを実感した。

でも、Mとだけは、友達関係を前に戻したい。そう思っていた。
Mといるだけで楽しくて、嬉しくて、笑顔あふれて・・・
思い出すだけで、笑顔になれる。そんな生活をもう1回送りたいと思ったからだ。
そう思いながら、しらないうちに、約半年が過ぎていた。

ある夏の日。
自分は、いつもと同じで、自分の席で、1人で自由帳に絵を描いていた。

「ねえ、ゆみ。」
いつもは話かけられない自分だから、びっくりして、上を向いた。
それはMだった。なぜかいつものにらみ顔ではなく、小さい目を大きく開けている。

「ん、どしたの?」
「そのキャラクター、すきなの?」
急な質問だった、自分は戸惑ってしまった。
「・・・ん、すきだよ。」
心の中では、Mに話かけられてすごく嬉しかった。
「へえ、そうなんだあ、あたしも結構好きだよ。」
Mとの共通点を見つけられた。
「このキャラ、可愛いしキャラクターソングが特にすきなんだ。」
「へぇ、そうなんだ。結構趣味とか合うね。」
自分は、共通点が見つかった今、もう1回仲良くなる機会だと思って、
色々と、積極的に話してみたが、話題はその話だけ。
それ以外の話題も見つからず、Mも話飽きたような様子だった。

でも、そのあとの休み時間は、放課後までずっとMの机に自分からいって、
色々と話してみたり、頑張ってみた。

放課後も、勇気を出して一緒に帰ろうとさそい、一緒に帰った。

他にも、好きなアニメなどの共通点もあり、いろんな話をたくさんした。
こんな近くで、Mの笑うトコロを見られるのは久しぶりで、とてもうれしかった。

Mと道が分かれて、1人になってから、考え事をしていた。
「Mと仲良くなったんだから、明日からは楽しい毎日を送れるぞ。」
そう考えるだけで、嬉しくなった。


次の日、「今日はMと話しながら、一日を過ごそう。絵を一緒に描くのもいいな。」

そんな事を考えながら、教室のドアを開けて、Mの方をみた。
Mは、他の女子と話していて、自分からの視線に気付いたのか、こちらを見た。

笑顔で手をふると、Mはこちらをにらんでいた。

~続~

トモダチ関係 ((前編

トモダチ関係 ((前編

  • 小説
  • 掌編
  • 青春
  • 全年齢対象
更新日
登録日
2011-08-06

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