Neo Border [Version2.0] ■001■
Foresight
近未来、
現実国家では正すことのできない不合理さが
ネット上に仮想国家を生み出した。
Mark Frostは旅行が好きな大学生。
バカンスの時期になるとよくいろいろな国へと旅に行くのだが、
今回の訪問先である中東でひとつの大きな悲しみと出会うことになる。
空港をでると遙か薄暮の空があった。
地図を片手に町を目指しているとストリートチルドレンらしき小さな女の子と出会う。いつもならやり過ごすのだが、なぜか普段と違う感情がわきあがった。
みやげ物らしき編んだ紐を受け取り、自分の手首に巻いた。そしてゆっくりと話しかけた。
たどたどしいが少し英語がしゃべれる。母親から教えてもらったらしい。
女の子は
将来は空港で働きたい ここから世界へいけるから
バックパッカーの中では名の知れた宿で、最近この近辺が少しきな臭いとの噂話がもちあがっていた。
明日あたり移動したほうがいいという話で眠りについたが、明け方早々空港方面で大きな爆発音と、地震のようなゆれを感じた。
「No way…ほんとうだったんだ」
Markにとってはじめての出来事だったが、長くバックパッカーを経験してきたWilliam Madisonはカメラを持って飛び出していった。恐怖と探究心が入り乱れながら、ひこずられるように彼の後を追いかけた。
外に出ると空港の方角に向かうメインストリートの先で大きな黒煙が上がっていた。
少し先にWilliamの背中を見つけ追いかける。
いくつかの小さな爆発音、叫び声、向かう人、逃げる人、昨日までの穏やかなメインストリートが今は、悪魔の領域となっている。
「自爆テロらしい」
爆発物のにおい、トラックや、自動車、ビルが真っ黒な煙を上げて燃えあがる。散乱する破片、こげてくすぶる塊、砂埃、サイレンの音、叫び声が重なり響く、時折銃声も。
警察や軍隊によって封鎖されようとしていた一角にWilliamの姿を見つけた。ファインダーの数メートル先には女の子を抱く母親らしき女性が、叫んでいた。
心臓が口から出できそうなほどに、心がさわぐ「そんなはずない・・ありえない」
彼女の夢が黒煙となって空へとながれた
Neo Border [Version2.0] ■001■
この小説は将来映画製作用の原作のため、
時間経過と共にバージョンが変化していきます。
前”1.0”バージョンは書きながらアップしていたため、
ストーリー”010”で時代に追いつかれそうになり停止しましたが、
今回は最後まで書き上げてバージョンアップすることにしましたので、
とりあえず完結しています。
最後までついてきていただければ幸いです。