どうか、ずっと。

どうか、ずっと忘れないでいてほしい。

じゃあねと手を振る小さな影が

雨に濡れて溶けていく

まつ毛に乗った滴さえ

愛しい存在と君は云う

「どうかずっと聴いていて」

雨が奏でるやわらかい音を

「どうかずっと忘れないで」

雨が触れた指先の感触を

「どうかずっと見つめていて」

雨の中でわたしを見失わないように

「どうか、ずっと」

どうか、ずっと。

どうか、ずっと。

  • 韻文詩
  • 掌編
  • 全年齢対象
更新日
登録日
2013-07-20

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