帽子とデッサン
・帽子とデッサン
描くのに行く千切れ雲
白い色
広く残った青い空
横切れば
赤いトンボは行き
緑の風は
掛からずに吹く
肌色な大地が歩く頃も
深い碧。
水色に染まった水と道具、
筆は茶褐色で在る
抜け道は黒い
返す返す
橙色のキャップは定位置から変わる
室内の椅子の伸びる影も
全方位に感じる陽射しも
口にして
鼠色したずる賢い曇りの
雨を降らして喜ぶ
様子も
日傘に変えて傘を差し
はしゃぐ蛙と作物への恵みを見て
旋回出来る鷹が来れるように
風船が渡り鳥と交差でもするように
広く大きく
大きく広く
空というものから動作する。
蒸気船は鳴り
千切れ雲は止まらず
道具はカタコト言い
チャポンと筆、
上手く描こうとする今に居る。
帽子とデッサン