罪人と善人

罪人と善人

私には一人の友が居た。毎日毎日その友と子供のときは日が暮れるまで、よく遊んだ。

月日が流れ、私たちは大人になり、それぞれ、別々の道で働いて生活をしていた。

村から少し離れていた、炭鉱で働いていた私だったが、ある日会社の売り上げが盗まれた。

何故か私が疑われ、会社をクビになってしまった。

生活ができなくなった私は空腹に耐え切れず盗みを働いてしまい、本当の罪人になってしまった。

子供のときから仲が良かった友は私を軽蔑して、見放されてしまった。

それからは、刑務所での生活が続いたが、ある日昔の友が、何故か刑務所に手錠を繋がれて現れた。

どうやら、彼も私と同様に職を失い、犯罪を犯したらしい。

偶然、一緒の檻に入った私たちは、また昔のように友に戻っていた・・・。

罪人は皆から責められるが、責める側も何時自分が責められる側になるかは知らない。

ほとんどの人はその瞬間の善と悪しか見ない。

犯罪といっても同じ人間がしたこと。その人が犯罪をなぜしたのかを考えられなければ犯罪などなくならない。

人生は長い、その人がした過ちは、明日自分がする過ちかもしれない。
自分がした過ちは、明日ほかの人がする過ちかもしれない。

そんなふうに考え方が変わらなければ、友にしろ、家族にしろ、村にしろ、街にしろ、国しろ、どちらにしろ本当の幸せなどわからないだろう。

私はそう気づかされた。

罪人と善人

罪人と善人

  • 小説
  • 掌編
  • 全年齢対象
更新日
登録日
2013-07-19

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