アタマイタイショウ
頭がいいって言うのも案外、大変なんだよ?
知らないことだって沢山あるし…ね
もっと早くに気づいたほうが良かったのか
もう、体が悲鳴を上げていたのに…
知らないところで君が擦り切れていく。僕はそんな君を見ても何にも思わなかった。のに...。
僕は、斉藤和也。僕の住んでいるところは田舎だ。のどかで、自然が沢山あり、何所か平和に満ちた田舎だ。
―――でも、平和すぎた。自由すぎた。
籐ヶ峰学園――…それが僕達の通っている高校で、生徒の偏差値が高く、とても有名だ。僕はそんな高校で、学年1位だ。
「お前、どーしてそんなに頭良いんだよ~」
とか
「すごいわね、今度、ケーキでも買おうかしら。」
なんて、何度も聞いて頭がいい加減、痛くなるんだ。
「あたしに勉強、教えてくれない?」
「はぁ?」
そう言ってきたのは、忘れん坊で、絆創膏を貼っている同じ学年の、中村理恵だ。
「あたし、忘れん坊で、記憶とか苦手で…良かったら教えてくれないかなっ?」
少々、上目使いでにっこりとした顔で、そういった。
「ねぇねぇ~っ」
…こいつは即、僕の苦手なタイプに見事当てはまった。
「お、お引取r「お願いします~」
言葉を話そうとしたら消された。
何なんだ、こいつは!僕の言葉をかき消しやがったぞ!?
覗いてきた奴の顔を見ると、所々に――
「あ、次、移動だ!じゃあ、そういうことで放課後、図書室に来てください♪」
そんなこんなで約束されてしまった。
偏差値がいい奴しかいないはずだった。のに、あんな奴がいていいのか!?いいはず無いだろう!
そっと唇をかんだと思ったら、予想以上に鉄の味がして痛かった…
「いってぇぇぇぇぇっ」
僕の叫びが小さな田舎に響き渡った。
アタマイタイショウ