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ぎゃーぎゃーとうるさい女だ。
全く、今何時だと思ってるんだ?
夜中2時?ぶざけんじゃねえ。
あの豚野郎、また蹴り喰らわすぞ!

俺は今だにお前が言った言葉を覚えている。
「太陽ってこんなに明るかったんですね。」
そうだよ、ばーろー。
でも俺はそう思いながらも実は心の底では泣いていたんだ。
なんて美しい人なんだろうって思いながら。
目と言い、鼻と言い、そして何よりもお前は心が美しかった。

でも、美しくすぎる物にはその分毒がある。本人が意図しなくてもその美しさに惚れた物は最終的に傷つく事になる。偽善にも似た行為。本人はそんなつもりじゃなかったのに、人を傷つかせる事は結構ある。
さらに悲しい事に、相手のためにと思ってした事が逆に相手を傷つけてしまう事だってある。
それは心が割けるぐらい悲しい事である。
俺は少なくともお前よりいろいろ知っていたつもりだった。経験も多いはず。
でも純粋さには勝てなかった。
純粋に透き通る様な光を持つ真珠にほど幻想を見てしまう。それは一見天国のようだがそのうち欲望の渦が作り出していた白い虚体だとわかる。

地下に閉じ込めてしまって
本当にごめんなさい。
うるさいと言って殴ったり蹴ったりしてごめんなさい。
あなたの声を聞かないふりをして
本当にごめんなさい。

けどそんなあなたの姿を目の当たりにしたら、
急に涙が出そうで、そのまま止まらず体中が乾いてしまってそのまま死んじゃいそうで、、、
死ぬ事はまだましだ。
最も怖いのはこの恐ろしい程悲しい事実を俺が認めてしまった所をお前に見られたくない。
何も知らなくていい。
暴力のベールで、憎悪の闇で、覆い隠せ。
お前は真珠の中で光を見て、
俺は真珠の外で本当は黒い真珠を見よう。
それでいい。

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  • 小説
  • 掌編
  • 全年齢対象
更新日
登録日
2013-07-17

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