3秒

3秒後には飛び降りると約束したのに、結局は自分だけ生き残ってしまった。
まるで彼のあの時の姿のようだ。
約束は破る為にある。冗談じゃない。本気だ。
裏切られる為に生きる。これは冗談にしてほしい。
なんでも買ってあげようか。いやだ。それは後回しにしてくれ。
じゃあ、これは?それはまた別の時に話そう。今は話したくない。風が吹いている。
あら、そう。奥様にとっての息子さんはお団子にしか見えないのですね。
おやおや、おかしい。おかしなことなこと。うふふふふふふふふふふふっふふふふ。
でも、仕方がないじゃない。それは偶然の一致。神様が仕込んだ、面倒くさい罠。
誰も追いつく事はできない。なぜなら真実の裏にはいつも嘘がついている。
カビ腐ったあなたの頭の中でもきっと何かがうごめいている。それは銀色の魚。

だから僕は歩かなきゃいけない。
何が真実で誰が裏で操作をしているのか全部知りたい。
本当は自分が一番悪いというのは知っているんだ。でもそれは無視すればいい。目を瞑ればいい。
そうでもしないと誰も救えない気がする。この手の存在意義は遠い昔に消えてしまう。
黙って歩かなきゃいけない。

3秒

3秒

  • 小説
  • 掌編
  • 全年齢対象
更新日
登録日
2013-07-17

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