カタツムリ
「結局そういうもんなのか。
結局俺らは騙されたんだ、、。」
と、カタツムリが言った。
「そんな事無いわよ。彼らだって悪気は無かったはずよ。希望を持ちなさいよ。」
と、カタツムリの彼女が言った。
「何が希望だよ。だいたい、その希望という言葉自体がおかしいんだ。俺らは間違った希望の概念をもたらされている。あいつらは希望は虹色のような物だと言っていた。」
「あら、それは本当よ。希望は虹色だわよ。」
「、、、。お前な。まずその虹色のサングラス取ってから物事見ろ。」
「やだん。これが安全だもの。」
「安全ね、、。不気味な言葉だ。安全と言われる檻の恐ろしさ、、。まあ、とにかく希望って奴は本当は虹色なんかじゃねえんだ。なんとも言えない微妙な茶色なんだ。」
「なにそれ。」
と言って彼女は下唇をピッとひっくり返してしかめっ面をした。
は?かわいこぶってんのか?お前の不細工な顔の方がよっぽど、なにそれ?だよ。
と、カタツムリは彼女に言いたがった我慢した。そもそも、そんな彼女と付き合ってしまっているからにはそんな事を彼女に言える権限は彼に無いのだ。
「ねえ。」彼女が言った。
「何?」
「お腹空いた。」
「なんか食えばいいじゃん。」
「おごって。」
「何を?」
「てんとう虫チャーハン。」
「高いよ。」
「いいじゃん。最近稼いでんじゃん。」
「駄目だよ。貯金しなきゃ。」
「ケチ。そんなお金また稼げばいいじゃん。」
「この前はたまたま運が良かったんだよ。いつもあんなに稼げるわけねえだろ。」
「あんたって、ほんっとネガティブね。」
「、、、。脳天気よりはましだよ。」
ぷいっ、と彼女は反対方向を見て進み始めた。
「どこ行くんだよ。」
「あんたみたいな、男もうやだ。別のいい男ナンパしに行く~」
と彼女はお尻をプリプリふりながら時速10mの速度で進んで行った。
その冗談もう何回目だよ。
と思いながらカタツムリは微妙な茶色の彼女のお尻を見ながら後ろをついて言った。
カタツムリ