幻想生活の幕開け
こんばんは、ももいろです
毎度、観覧いただき光栄に思います
本編どうぞ
目を覚ますと、萃香は奏香のすぐ横で寝ていた
萃香と同じベッドで寝ていたことに気づいた奏香は、顔を真っ赤にしてゆっくりと静かにベッドから離れた
すっかり萃香に一目惚れしてしまったようだ
そんなことは知らない萃香は、ぐっすりと眠っている
「あぅ・・・///」
どうすればよいかわからなくなった奏香は、ベッドの横に座り込んで萃香を見つめていた
数分もすると萃香が目を覚ました
「んむ・・・お酒・・・んぁ?」
そう言うと寝ぼけながらも体を起こす
奏香は心配そうに見つめていた
「萃香ぁ・・・だ、大丈夫?」
萃香を支えてあげたいが、恥ずかしくて萃香に触れられない奏香だった
「ん、大丈夫さ、おはよう」
すっきりと目を覚まして爽やかに微笑む萃香
それを見た奏香は、キュンと赤くなった
「あの・・・ありがと、助けてくれて」
少しずつだが、奏香の心が開けていった
「いやぁいいのさ、散歩中に拾い物したようなもんだからね」
「拾い物・・・///」
奏香の顔がさらに赤く染まった
どうやら奏香の中で「拾う=その人の物になる」という理論があったらしい
そんなことを知らず、まったくそんな気も無い萃香は何事も無く普段通りの生活をする
「さて、朝の散歩でも行くかね」
「散歩・・・?」
「そうさ、散歩の意味ぐらいはわかるだろ?」
「う、うん・・・でも服が・・・」
服を着ていない奏香だがあまり経験が無いのか、もじもじと体をうねらせている
なんともかわいらしく思った萃香だったが、さすがに服を着せないのはかわいそうに思い奏香に服を用意した
「これでよし、古着で許しておくれよ」
奏香は萃香が昔着ていた服ををもらった
「うん、ちょっと大きいかな」
「あんたほど小さい鬼はそういないからね」
奏香は一般の二角の鬼よりも少し小さかった
おそらくは奏香の角系の特徴だろう
だが萃香も永い
そんざそこらの小さな鬼はいくらでも見てきた
だが、現在の幻想郷の鬼には無い者が奏香にはあった
「あんた本当にいい体してるよ」
「体?」
「ああ、筋肉の質が桁違いにいい」
寝ている奏香をじっくりと見ていた萃香はその体を見て驚いた
通常、鬼は寝ている間に筋肉を休めなければ起き上がるときに疲れてしまう
さらに角によって満足な体勢をとれない場合があれば、首や腰の筋肉は休み無く働くことになる
奏香は強靭な筋肉が全身を覆っており、寝ている間も常に首や脇腹などの弱点的部分を力ませていたという
萃香が味方だと認識したにも関わらずこれほど常に緊張感を持っている鬼など今の幻想郷にはいない
そうなると、かなり古い戦闘民族的な種の鬼、または集落を持たず野性で暮らしている鬼ということになる
奏香は見たところまだ幼いが、力では萃香にも並ぶほどと見える
萃香はこのとき、奏香の角系について本格的に知る必要があると確信した
幻想生活の幕開け
最後まで読んでいただき、ありがとうございます
ももいろです
今回は長めですが、今後は全体的にこのぐらいにしたいと思っています
次回もよろしくです