月夜の物語

一話?運命の出会い?

町はずれに住んでいるサフィニアは、夜の草原に座り込んで夜空に浮かぶ月と星々を見つめていた。夜空に輝く月と星たちはあたりの闇に負けないように、力強く輝いていた。
夜空に見入っていたサフィニアは、冷えた体をさすった。まだ見ていたかったのだが、これ以上いたら風邪をひいてしまう。
 家に帰ろうと思いその場を立った時だ。近くに人が倒れているのを見つけ、あわてて駆け寄った。倒れていたのは少年で、襟のついた白いシャツの上に黒いベストを着て、首元にはアメジスト色のスカーフを巻いていて、白いコートを一番上に来ていた。そして頭には普通の人間とは思えない猫耳があった。
「大変っ!?」
          *            *
「なぁマオ。この言い伝えって、本当のことなのか?」
「昔からずっと伝えられてきたものですし、嘘はないと思いますよ?」
「でもこれって、百年も前のことであって、今現在のことを言っているわけじゃないんだろ?」
「確かにそうですけど・・・・。今現在地上の国がどうなっているかは、確認できませんし。」
「でもオレ、どうしても気になる。今もこの言い伝えのままで何も変わっていないのか、それとも全く違うのか。」
             *            *
「・・・・。」
 目を覚ました少年はすっと起き上った。体がなぜかだるかった。ふと気が付いてあたりを見回すと、本が何冊も入った本棚に、小さな机とイス・・・。明らかに自分が全く知らない場所にいた。そして自分はというと、その部屋のあるベットに寝ていたというわけだ。
「あっ、気が付いたのね?よかったぁ。」
 そういって部屋に入ってきたのは、ピンクのシャツの上に白いカーディガンを着て、膝までくるスカートをはいた少女だった。
 少年はその少女を警戒して、冷たい眼で睨みつけた。
「君、どうしてあんなところに倒れていたの?」
 その言葉を聞いた少年は驚いた顔で、少女を見た。
「昨日の夜、私の家の外に倒れているのを見つけたのよ?」
 少年は眉根を寄せ、しばらく考え込んだ。
「・・・・ねぇ、君の名前はなんていうの?私はサフィニア=フローレンス。この店で薬屋をやっているの。」
 彼女の笑顔を見て少年は警戒心を解いて、ポツリと言ってきた。
「・・・・ルル。」
 名前を聞いたサフィニアは、嬉しそうに彼の手を軽く握った。
「そっかぁ。よろしくね、ルル君。」
「―――――ルルでいい。子ども扱いするな。」
 ルルと名乗った少年はそっぽを向いたまま、そう言った。
――――バンッ!!
 その時、突然扉が開く音がして、ルルは体をビクリとさせた。その様子を見ていたサフィニアはクスリと小さく笑って、部屋を出でいった。
 扉の向こうでサフィニアと客が、何やら楽しそうに話しているのが聞こえてきた。ルルはふぅっとため息をついて、窓に映る自分の姿を見つめた。
 自分には猫のような耳がある。でもサフィニアにはそれはない・・・。彼とサフィニアは、お互い違う種族だった。ルルは獣人族、サフィニアは人間。しかし違うとはいっても外見や体力の高さ以外は全く同じヒトなのだ。しかしある時、間はそれを意識し差別した。同じヒトとして共存してきた彼らの関係は崩れ去り、獣人族は地上を捨て、故郷の月に帰ったのだ。その時からお互いの交流は全くないまま、月日が流れていった。
 そんな言い伝えを思い出したルルは、ふとさっきの彼女の反応に疑問を覚えた。
「――――あいつ。オレを見て笑ってた?」
 お互い忌み嫌ってきた存在のはずなのに、サフィニアは獣人族である彼に・・・無邪気に笑って話しかけてくれた。人間は自分たちを同じヒトとして見てくれないと教えられていたルルには・・・とても信じられなかった。

二話?ひとときの幸せ?

サフィニアの態度は、その後も全く変わらなかった。彼女の介抱のおかげですっかり元気を取り戻したルルは、店を手伝いながら楽しく過ごしていた。
 彼女の店を手伝いながら過ごしているうちに、ルルは・・・気が付いたのだ。やさしいのはサフィニアだけではなく、街の人々も同じだった。店を離れられないサフィニアの代わりに、ルルが初めて街に買い出しに来たとき、街の人々は皆優しく声をかけてくれた。差別したりする様子もないので、ルルは自分が思っていることが間違いではないと知りとても嬉しかった。

――――しかし、その思いは・・・脆くも崩れ去る。

ある日二人は近くの森に薬草を採りに来ていた。ルルは薬草のことはわからないので手に小さな籠を持ったまま、いそいそと薬草採りに励むサフィニアを見ていた。
「ねぇルル。あなたはどうして・・・ココに来たの?」
 ルルは一瞬戸惑った様子を見せたが、すぐにその疑問に答えた。
「・・・・・地上の人達のことが知りたかったんだ。自分自身の目で―――。」
「地上の人達のこと・・・・わかった?」
 サフィニアは採った薬草をルルが持っていた籠にそっと入れた。
「うん。オレが思っていたことは間違いじゃなかった。」
「よかったね、ルル。」
―――ガサガサ…。
 茂みがかすかに動いて、そこから一人の小さな少年が現れた。服を泥だらけにして、泣きじゃくっている。
「どうしたんだ?おまえ。」
 そう優しく声をかけて手を差し伸べたルルの手を、少年が払いのけた。
「触らないでっ!!」
 その言葉がルルの心に突き刺さる。
 少年は落ちていた小石をいくつか掴んで、ルルに向かって投げつけた。
「こっちに来るなっ!!あっち行けよっ!!」
ルルはとっさに手で自分の顔を守った。その隙に少年はその場から逃げていった。
 『触らないで』『こっちに来るな』その言葉がルルの心に深く突き刺さって、心をしめつけた。
「・・・・ルル、大丈夫?」
 サフィニアの心配そうな声で我に返り、ルルはふるふると首を振った。
「大丈夫。気にしてないから・・・。店に帰ろう、サフィ。」
 ルルは無理に笑ってみせた。

三話?ひび割れたココロ?

彼は何事もなかったかのように装って、サフィニアの店を手伝っていた。彼女に心配をかけたくなかった。そしてなにより自分が今まで見てきた街の人々の姿が、ニセモノなのかホンモノなのかわからず混乱していた。
「ねぇルル。ちょっと話したいことが――――。」
――――バンッ!!
 突然、乱暴に扉が開かれたせいで、サフィニアの言葉はそこでとまった。
「すいません、胃に効く薬を・・・・。」
 店に入ってきた男性はそう言いかけて、近くにいたルルをギロリと睨み付けた。
「・・・・なんだっておまえみたいな奴がここにいるんだ?」
 その男性の言葉は、ルルのヒビ割れた心にとどめをさした。
 ルルは耐え切れず、店を飛び出した。


 外はもう薄暗くなっていて、藍色の空に月と星が輝き始めていた。ルルは店の外にうずくまって、座り込んでいた。
「・・・・オレが間違っていたのかな?」
 そう呟いて服の袖で涙を拭った。
「もう・・・・帰りたいよ。」
 しかし、自分がどうやってこの地に来たのか覚えていなかったため、帰る方法などわかるはずもなかった。
ぼんやりと夜空を眺めていると、突然目の前に人が現れて力なくその場に倒れた。ルルは突然のことに驚いて、彼の猫耳がピクリと反応した。店の明かりに照らされて見える倒れた人の姿を見て、ルルは固まった。
「どうして獣人族が・・・・ここにいるんだ?」
 倒れているのは獣人の男で、なぜか体中傷だらけだった。その姿が言い伝えを思い出させた。

――――人間は我ら一族を同じヒトとは思わず差別する・・・。

「やっぱり、オレが間違ってたのかな?」
 もし本当だったら、いつまでもこの地上にいるわけにはいかなかった。自分もいずれ、この男のような目にあうかもしれない―――。
――――ドクン。
 ルルは怖さのあまり、その場に膝を抱えてうずくまってしまった。
「・・・・こわい。こんな目に、あいたくないっ。」
「おじさんっ!!――――してっ!!」
 店から出てきたサフィニアが声を上げていたが、ルルの耳には何も聞こえていなかった・・・。

四話?ココロの傷跡?

「――――ル。・・・・ルル、大丈夫?」
 何度も声をかけられて、ルルはやっと我に返った。
「・・・・サフィ。」
「よかった。何度声をかけても返事がないんだもの。」
「・・・・・・。」
しばらくの間があって、サフィニアが口を開いた
「――――ごめんね。」
 彼女が突然謝ってきたことに驚き、ルルはサフィニアを見つめた。
「どうして・・・・サフィが謝るんだ?」
「だって私、あなたがそんなに傷ついてるなんて・・・気が付かなかったから。」
 サフィニアはそう言って、ルルの隣に座った。
「私達人間が獣人族を差別しているのはホントよ。でも、それは昔の話・・・・。今は地上に残っていた獣人族さん達と仲良く――――。」
「ウソだ・・・。」
 ルルは震えた声で、彼女の言葉を遮った。
「それは昔の話?そんなのウソだ・・・。今だって差別はあるじゃないか!!子供には石を投げられるし、さっきだって・・・・。」
 サフィニアはルルをそっと、背中から抱きしめた。
「地上から差別はほとんどなくなったわ。でも・・・この街にだけ、まだ獣人族を同じヒトだと認めない人がいるの。私がもっと早くに言っておけばよかったの・・・・ごめんねルル。」
 ルルは自分の胸の前にある彼女の手を握り、そっと月を見上げた。
「――――ルルナリアス=ライト=フェンネ。」
「え・・・?」
「オレの本当の名前。まだサフィニアには言ってなかっただろ?」
「それはそうだけど・・・。『ライト=フェンネ』って、まさか。」
 ルルはコクリと頷いた。
「黙っててごめん。地上で月の国の王家の名を出したらマズイと思ったから・・・。」
 ルルは現王アークスの息子で第一王子にあたる。そんな彼の王家の名は、悪い意味でではあるが地上にしっかりと伝わっていた。
「教えてくれてありがと。私、嬉しい。」
 サフィニアはそう笑顔で答えて、また彼の隣に座った。
 ルルはそんな大げさに喜ぶ理由がわからなかった・・・。
「だって・・・。この地上であなたの本当の名前を知っているのは、私だけだから。」
 ルルは口元で小さく笑った。
「・・・そういえば、さっきのあの人は?」
「心配ないわ。ホラ・・・。」
 サフィニアはそう言って店の扉を示した。中から二人の男性が出てきた。一人は人間で、先ほどやってきた獣人族に肩を貸して歩いてきた。獣人族の男性はこちらに気が付くと、軽く頭を下げた。
「全部俺の不注意が招いたことなんだ。本当に悪かったな嬢ちゃん。・・・ボウズも驚かせて悪かった。」
 ゆっくりと去っていく二人の姿が見えなくなった頃、ルルはポツリと言ってきた。
「オレ・・・思い出したよ。」
「・・・なにを?」
「オレがこの地上に来た時のこと・・・。」
 ルルは月を見上げながら、話を続けた。
「オレは国の図書館で言い伝えを調べていた。でもオレは、その言い伝え通り今も同じ状況だとは信じられなかった・・・。」
 ルルは月に向かって、手を伸ばした。
「・・・・サフィは知ってるか?地上と月をつなぐ唯一の道のこと。」
「知ってるよ。月の道(ムーンロード)。人間と獣人族が対立する時に閉じられた道のことね?」
 ルルはコクリと頷いた。
「オレは・・・本当のことを確かめたくて、みんなの反対を押し切り封印された月の道を、自分の魔力を使って無理やりこじ開けたんだ・・・。」
「じゃあ、ルルがあの時あそこに倒れていたのは・・・。」
「そう。あそこが月の道のある場所だったからだよ。」
「私も行ってみたいな・・・ルルの生まれた国に。」
「今は無理だけど、いつかきっと、ね・・・。」
「それにはまず、国に帰るための方法をなんとかしないとね。」
「・・・・オレ、約束する。昔と同じように人間と獣人族たちが共存する世界にする。今の人間たちとなら・・・不可能じゃないと思うから。」
 『ルル』としてではなく、『ルルナリアス』としての決意を固めた・・・。

五話?月からの使者?

月の国に帰るためには、月の道が必要不可欠だった。しかし、地上から道を開く方法は全く見つからなかった。
「道を開く方法、なかなか見つからないね。」
「だぁ?。地上の図書館に月の道に関する本が一つもないなんて・・・もう、八方ふさがりじゃ――――。」
 ふと何かの気配を感じて、ルルは耳をピクピクと動かした。
「どうかしたの?」
「いや・・・・なんか人の気配が。」
 その時、タイミングよく扉が開いた。だが開け放たれた扉の先に人の姿はない。
「・・・・やっと見つけましたよ。ルルナリアス=ライト=フェンネ第一王子。」
 その声は、誰もいないはずの開け放たれた扉のほうから聞こえた。二人はふと気がついて、下のほうを見やる。
 そこに――――一匹の白猫がいて、青と黄の色違いの瞳が・・・じっとこちらを見ていた。
「・・・・マオ。」
 そう呼ばれた白猫は、カウンターの上に軽々とのぼり、彼の前に立った。
「さぁ王子。私と共に国へ帰りましょう。」
 その言葉に驚いて、サフィニアは二人の間に割って入る。
「えっ、あの。国に帰りましょうって、ルルが国に帰れる方法があるんですか!?」
「・・・・私は王子を連れ帰るためにここに来たのですから、方法があるのは当然のこと。」
 白猫はサフィニアをチラリと見て、シッポをパタパタさせながら冷たい口調でそう言った。
「・・・・オレは。父の命令に従って帰る気はないよ、マオ。」
「それはまた・・・・なぜですか?ルル様。」
ポツリと言ってきたルルの声に白猫は振り返り、その先を促した。
「地上の人間たちは、今もこの地上に残っている獣人族と共存の道を歩みはじめている。言い伝えとは違うことを・・・オレは知った。」
 ルルは片方の手をぐっと握りしめった。
「だから――――。」
「アークス陛下を説得する。違いますか?」
 ルルの言葉を遮り、白猫がそう言った。
「マオ・・・おまえ。」
「実は私、少し前から地上には月の道を使って行き来していたのです。ルル様と同じ目的でね。」
 白猫はにこりと笑って、手を差し伸べた。
「行きましょう、ルル様。世界を再び・・・共存の道をゆく世界にするために。」
 ルルは白猫の小さな手を取った。

六話?約束のために?

夜空に浮かぶ月がライトのように地上を照らしていた。縦に伸びた光は地上から月に伸びていて、まさに月の道だった。
「・・・・お別れだね、ルル。」
「でも、また会えるさ。オレ、約束しただろ?『昔と同じように人間と獣人族が共存する世界にする』ってさ。」
「うん・・・。」
 サフィニアは涙をポロポロとこぼした。
 また会えるとはわかっていても、やはり別れは辛い・・・。
 ルルは優しく・・・彼女を抱きしめた。
「オレ、必ず約束守って・・・必ず君のところに帰ってくるから。」
「うんっ・・・。」
「じゃあ・・・オレは行くよ。」
 ルルはそう言って、サフィニアからゆっくり離れた。傍にいた白猫・・・マオが彼の肩に飛び乗った。
「またな・・・サフィ。」
 ルルは笑顔でそう言って、後ろ手に手を振って、光の中に消えていった・・・。

 国へと帰ってきたルルを国の者たち皆が喜んだ。「お帰りなさいませ」と言う兵やメイドたちの言葉をあっさりと受け流し、ルルと白猫マオは現王アークスのいる謁見の間に向かった。
 謁見の間の大きな扉の前に立っていた兵が軽く頭を下げて、道をあけた。
「覚悟は出来ていますか?ルルナリアス=ライト=フェンネ王子?」
 白猫マオが少々からかうように言ってきた。それに対し、ルルは小さく笑ってそれに答えた。
「何を今さら聞いてるんだ?マオ=シュバルツ将軍?」
 謁見の間の方に向き直り、ルルは表情を引き締めて強い声音で声をはりあげた。
「ルルナリアス=ライト=フェンネ。ただ今帰りました。」
「・・・・入れ。」
 威厳のある声が、中から聞こえてきた――――。

最終話?ただいま?

そして――――。

月日は流れ――――。

 現王アークスは地上の国の国王と和平を結び、月の道を再び開き、獣人族と人間の交流を望んだ。しかし両国の民たちは言い伝えのことを気にして戸惑い、互いの交流を躊躇った。だがそれは最初の頃だけで、両国の民たちは少しずつそれを受け入れた。今二つの国は、差別が起こる前の世界に戻りつつあった・・・。
「――――なぁ・・・。」
「はい。」
 ルルは目の前にある光の前で立ち止まった。
「おまえ・・・本当にオレについてくるつもりなのか?」
 自分の肩に乗る白猫・・・マオに話しかけた。
「何かご不満でも?」
「別にないけど。おまえがオレについてくる理由がな――――。」
「ありますよ。」
 マオが彼の言葉を遮った。
「ルル様あるところに、私ありですから。」
 ルルは小さく笑って、目の前の光の中に飛び込んだ。


お互いの国の距離はかなりあったが、月の道を通ってしまえば、たった三歩ほどにしか満たなかった。つい先ほど月の道に入ったばかりなのに、あたりはもうあの見慣れた店の近くだった。
「サフィ・・・・どうしてるかな?」
「両国が今の状態になって自由に月の道を使えるようになるまで、一年かかってしまいましたからね。」
 ふと店から出でくる一人の少女を見つけて、ルルは懐かしそうに眼を細めた。彼女の方はこちらに気が付いてはおらず、近くの井戸から水をくみあげて傍のバケツに入れていた。
 ルルはそっと近寄って、水を入れたバケツを持ち上げたサフィニアに声をかけた。
「――――サフィ。」
 声に反応してこちらを振り返ったサフィニアは、手に持っていたバケツを取り落した。横倒しになったバケツから水がこぼれて、ゆっくりと地面に浸み込んでいく・・・。
「・・・・ルル、なの?」
 ルルはニコリと笑って、頷いた。
 サフィニアはポロポロと涙を流して、彼に抱きついた。
「――――お帰り、ルルっ。」

月夜の物語

月夜の物語

ある日、夜の草原に散歩に来ていた少女は倒れていた少年を見つける。 しかしその少年の頭には、人間とは思えない猫耳があって・・・・。

  • 小説
  • 短編
  • ファンタジー
  • 全年齢対象
更新日
登録日
2011-08-04

CC BY-NC-ND
原著作者の表示・非営利・改変禁止の条件で、作品の利用を許可します。

CC BY-NC-ND
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  2. 二話?ひとときの幸せ?
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  4. 四話?ココロの傷跡?
  5. 五話?月からの使者?
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  7. 最終話?ただいま?