ことみれて涼しげに
・ことみれて涼しげに
いろどりかたどる。
ただ陽のあり方に
楓の葉を挟んで見ても
数頁先を待つだけ、
柔さに
規則を求めて動かし動く
鶯の目は端にでも鳴き声をきちんと聴きながら
留め
裾のことでもちゃんと思う
これでもまだ書き出しのものだから
「からね、」
ここに置いとく
「のものは、」
器の整う良く似た囁き
涼風捲る
葉割れる
「たらん。」
きみどりみどりと、
行ったり来たり。
戻る弾みの明るい差し色に
「かな、」
早めの宵がすり抜ける挨拶。
「今宵は少し
蝉が練習はすると」
「たち、」
ざわつく畳の浅い水濡れ
雀が一番盗む。
近いいろは歌
さき、
栗鼠か何かが走るには怪我もしない程にジグザグに
止まり、
何かを考える。
鮎は気付いて入るというお話。
竿と手には「当たる日」と記す。
ことみれて涼しげに