Sっ気娘と家庭系男子①
過去の自分と今の自分
ーあたしはいつも後悔してばっかだ
そう思いながらもいつも周りに流されてしまう
「じゃあ次そこのやつな」
とクラスの中心であり親友であるいじめっ子の美桜が言う
「はやくやれよ」
そう私が言うとクラスの中でも地味な方の杏子が少し挙動不審になりながらも
消しゴムを男子に向かって投げつける
「誰だ 今消しゴム投げたの」
「こいつが投げた」
そう美桜が言うとその男子は
「痛いじゃねーかよ」
「ご…ごめんなさい」
「次やったらゆるさねーからな」
「はい…」
本当はクラスの男子も美桜の命令でやったってことくらい知ってる
だけど美桜の彼氏は隣の高校の不良だ
だからクラスの男子も何にも言えず美桜が何をしても黙ったままだ
「はぁ~授業だりー」
「ほんとだねー 美桜はこの後予定ある?」
「今日は暇かな」
「じゃあ遊びに行かない?」
「いいよ~」
私と二人でしゃべってる時は普通に良い子なのだが
「そこ邪魔 ついでにクラスからも消えてくんない?」
杏子とその友達が扉の前でしゃべっていた
「す…すみません」
そう言って挙動不審になりながら扉の前をどいた
「ちっ ホント邪魔だなお前」
私もそう言う
いつも美桜の言うことに一言足してるせいか
クラスではいじめっ娘でドSというキャラに私もなってきている
そのせいで美桜以外友達がいない
「帰りのホームルームの前に転校生を紹介するー」
「おい 転校生だってよ また私の下僕になるやつが増えんのか」
そう言って美桜が笑う
「どんな子だろーね」
相槌を打ちながら答える
「じゃあ 入ってくれ」
ドアの扉が開き一人の青年が教室に入ってくる
驚くほど整った顔立ちだった
「天使 青空です 1年間よろしくお願いします」
そう言って頭を下げた
「木崎 お前の隣空いてるからそこな」
そんな先生の言葉も私には聞こえてなかった
「よろしくお願いします」
私に対して彼が言った
「こ…こちらこそよろしくお願いします」
柄にもなく噛んでしまった
「うわ~彩緊張してんじゃん」
そう美桜が冷やかす
「全然緊張なんてしてないよ」
と怒ると
天使君がクスッと笑った
そして帰り際またドアの前にいた杏子たちを舞い上がっていた私は
蹴り飛ばしてドアを開けた
「なにやってんだよ」
さっきまでの穏やかな笑顔とは比べ物にならないほど怒った顔で
天使君が怒っていた
「まぁまぁいつものことだから」
そう言って美桜がなだめると
「お前らいつもこんなことしてんのか?」
「あんた あんま調子乗んないほうがいいよ」
「調子に乗ってんのはどっちだよ」
美桜が本気できれそうになったのでそこは私が
冷静になって
「早く遊び行こうよ~」
そう言って半ば無理やり連れだした
後ろで
「大丈夫か 立てるか」
「うん…慣れてるし」
そう言った杏子にいらっときたが学校を出た
「ごめん 今日はやっぱり帰るわ」
「体調悪いの?」
「うん…ちょっとね」
そう言って美桜は帰って行った
天使君のことが少し気になりながら一人で家に帰った
「おかえり~」
そう言われたが無視して部屋にこもった
「ご飯いらないの~?」
「いらないから入ってこないで」
そう言ってベットに潜り込んだ
「おはよ~」
美桜は今日はご機嫌だ
「おはよー」
「じゃあ出席をとるぞ」
ドアが開いた
「すいません 遅れました」
そう言って天使君が教室に入ってきた
「おい 天使どうしたんだよその傷」
「犬に噛まれました」
そういうとクラス中大爆笑した
「犬に噛まれたにしては打撲のような傷が多すぎる」
推理オタクの能見君が言った
「あんたは黙ってろ」
美桜は能見君がクラスで一番キモイと前に言っていた
「おはよ 天使君 」
そう言ったが無視された
「なにあんた 無視してんの?」
美桜が言うと少し沈黙があり
「まだ足りないの?」
美桜が天使君に向かって何か言ったが
私には聞こえなかった
Sっ気娘と家庭系男子①