裏切りJC
プロローグ
うぐいすが鳴いている。私たちの入学を祝っているかのように・・・。
「あかり~、おっはよ~!」
大きな声と背中をバシッと叩かれて私は振り向く。
小学校からの友達、滝沢えりだ。
「えり~、おはよー。同じクラスだねッッ!!」
「うん。マヂでうれし~♡がんばろッッ!あかり。」
私、水嶋あかりは今年中学一年生になった。
期待もあるけど不安の方をいっぱい抱いて私たちは1-1の教室に足を急がせた。
✽✽✽
次々と転がってくるボールを一つ一つ拾って渡す。
なんでッッ?!仮入部なのにボール拾いなの??
えりと約束してた。女バレに入るって。約束は絶対に守りたい。
ボール拾いなんて一年生の間だけ。うん。頑張ろう。
喧嘩部(?)
「あかりちゃん、女バレって初心者が入ったらダメなの?!」
「え?!そうなの??」
驚いた。そうなの??小学校で二ヶ月ぐらいやってたけど、それって・・・初心者・・なの??
「るな、それホント??」
聞いてきたのは一ノ瀬るな。
小さい時に「ワッフル」というサークルで一緒に遊んだ誕生日が一日違いのクールなんだけど
ホントは甘えん坊で心配性。
「わかんない・・・。けど、えりちゃんが言ってたの。」
えりが?!
キーンコーンカーンコーン・・・。
「やばッッ!!始まるよ。るな、後で聞いとくから~!!!」
「うん。」
✽✽✽
「えりッッ!!バレー部、初心者ダメなの?! るなから聞いたんだけど。」
「あー、それね・・・。あいついるじゃん、あのー3組のさ、清村あやの。
あいつウザくね?!入って欲しくなくてー女バレにさぁ。だから、あいつに言ってやったのw」
えり・・・・。今まで小学校からずーっと一緒にいたけど、そんな顔初めて見たよ・・・。
「えり、何で??春休み、なんかあった?」
「んー?別にぃ。ただあやのが気に入らなかったからさー。」
_____4月×日_____________________
今日は大変な日でしたヽ(´Д`;)ノ
えりとあやのが喧嘩をしました。
私も、あやののこと正直言って苦手だし、言っちゃうとブスだしー
性格悪そうだなって思いますww
でもそんなこと思っててもいっちゃダメだよね・・・・。
これから同じ部活なんだしさッッ。
あ、もう10時30分だ!今日はもう疲れたので寝ることにしまーす☪
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✽✽✽
「何でそうやって勝手に決めてんの?!」
うそーーー!!なんでぇぇ?あやのがえりにキレてる・・・。
「ちょっと、れいちゃん?!何があったの?!?」
私が質問したのは1-2の山並れいか。
同じ小学校だったんだけど、あんまり話したことはなかったなぁ。
れいちゃんの話によると、どうやら先輩の水筒の中身が無くなった時に
お茶を入れるために、私たち一年生が交代で持ってくることになっているキーパーの
順番をえりが勝手に決めてそれにみんなキレてるみたい・・・。
ヤバ・・・・。これって私も加わらないとハブられるよね・・・?
正直順番とかどうでもいいわー・・・。
で・・・でも。 ハブせ・・・・。
「そーだよ、えりッッ!!みんなの意見も聞きなよねッッ!!!」
ふー。言えた・・・。言っちゃった・・・・。どうしよう・・・。えりと喧嘩なんて・・・。初めてだよ。
でも、みんなのマヂな顔に言わずにいられなかったんだもん・・・。
それから、えりには「キリン」ってあだ名が付けられた。
つけたのは1-2の大杉わかこ。クラスでも目立っている子。頭もいいみたい。
その後、わかこによって「キリンパーティー」っていうえりの悪口を言い合う大会(?)
みたいなのがしょっちゅう開催された。
もちろん、私も加わった。断ったら次は、私、なのだから。
裏切りJC