Irritating man
バナナマン・設楽統 作
ばなな 編
登場人物
・設楽・・・今回のキャンプ計画発案者の一人。彼女に彩莉がいる。
・日村・・・モテなさ過ぎて困っている。彼女は勿論いない。今回キャンプに来る彩莉の友達を狙っている。
・彩莉・・・設楽の彼女。日村をハメようとキャンプ計画を発案した。
・五十嵐・・・設楽、日村の職場の同僚。モテるが彼女はいない。
「いらいらさせる男」
「雨、やまねーな」――日村が今日、キャンプが出来ないことを心配しながら呟いた。
すかさず、「おう、おう」と設楽が言い、「止まない雨は無いよ、いつか絶対止むよ」と続けて言いそれに日村が納得したように返事した。
「この雨、止むか止まないか。賭けてみようよ」と日村が言った。設楽は「じゃあ今日か明日か分からないけど止むに1万賭けるよ」と堂々に言った。
「なら俺もそっちに1万。だって俺が言ってるのは『今日』止むか止まないか賭けてるのにー、そのぐらい分かれよ設楽ー」と日村が挑発するように言った。
設楽はいらいらしながら、彩莉達の到着を待っていた。
とそこに一通の電話。同僚の五十嵐から設楽へ電話がかかった。
五十嵐を嫌う日村は俊敏に、設楽の携帯電話諸共泥沼に飛び掛った。案の定、携帯は壊れかけ。
とまたそこに設楽へ電話が。彼女の彩莉から。彼女からは別れの電話だった。
日村はしつこく、設楽へ質問攻めした。この状況では彩莉の友達がキャンプに来る可能性が薄れていく。
雨は――生憎、土砂降り。
日村の携帯を借りて彩莉に電話したが、返答無く。レンタカー屋からの電話が挟まり設楽のイライラが増していく。その中で日村が彩莉に文句の電話をする。
日村が問い詰める。彩莉が別れたかった原因は、五十嵐と付き合い始めたからだ。
そこで日村は秘密を知る。
「今回の?キャンプが?俺をからかうため?賭けの対象?」
設楽は間を空けて――日村に本当の事を教える。
日村は、ただただ笑う。
「100人目に振られたら面白いよねー」
「人生なんて楽しかったら良いと思ってるんだよねー」
と口々にしながら。
レンタカーのキャンセル料100%。二人は失恋気分でキャンプに行くことにした。
そこに彩莉から設楽へ電話が。内容は、
友達がキャンプに来る。だけど彩莉は来ない事だと言う。
丁度よく、雨が止んだ。空には虹が架かり、心も晴れた気分だ。
「止まない雨は無いか・・・」「空には雨が止んだら、虹が架かるんだなー・・・」と日村は言った。
設楽は「俺はまだ土砂降りだよ・・・」と言ったが、日村は今度はちゃんと賭けをしてくれるらしい。
「止まない雨は無いよ。賭けてみる?」
「...本当?」
Irritating man