貴方にとってお母さんはなくてはならないもの
お母さんにとって貴方は宝物

母は私にいろいろ教えてくれました

母とあったホントの話

中学生の時大っ嫌いの一つだった母。
その頃私は思春期だった。
他の中学生の子はきっと
『キモイ』『うざい』
と言うだけであって大っ嫌いとは程遠いだろう。
でも私は大っ嫌いだった。

ある日の休日。
「せっかくの休日だからお母さんとどっか行こうか?」
笑顔で話してきた母。
でも、話したくない。
「あっちいけ」
そう暴言を吐いた。
母は悲しそうな顔をして、渋々へやを出ていった。
少し可哀想な事を行ったと思ったが、すぐに人のせいにして可哀想だと思う自分を紛らわした。

いつの間にか眠りについていた私は友達から来てたメールに目をやる。
【遊びに来ない!?みんないるよ♪】
そう送られてきたメールに返信をする。めんどくさかったが、暇だった為行くことに決めた。
リビングに行くと誰もいなかった。
机の上には一つの紙切れがおいてあることに気がついた。

『病院にいってくるね』
でも興味がなかった私は急いで靴を履き家から出ていった。

母は二年前、胃ガンに犯されていたのだ。
少し遅れていたら亡くなっていたそうだ。
だから病院に1ヶ月1回病院に通院してる。
ふと昔叔母に聞いた言葉が頭をよぎった。
『お母さんは無理な生活をし続けていたから胃ガンになったの。ストレスが溜まってお酒とタバコばかり。だからあんたが支えてあげなさい。』
今の私にそんなこと無理だって叔母と喧嘩した。

幼い頃
私と姉と母と父四人で小さなアパートで暮らし、近所では有名な仲のいいと噂の家族であった。
でも、父は二重人格。
優しい時はなんでも買ってくれたり笑わせてくれる優しい父だった。
でも怒ると人が変わったように母に暴力をふるう父。
だからみんな怯えていた。
父は元ヤクザであったため借金も多々あった。
そんな中、四人で暮らしていた。
父は仕事もしずに家で寝てるかテレビを見てる生活。逆に母は夜と昼いつも働いていた。
母はそれでも父を恨まなかった。
だから母に聞いたんだ。
「お母さんはなんでお父さんを嫌わないの?」
そういった私に驚いた顔を一瞬見せたが母は言った。

「お父さんはね今ちゃんと仕事みつけようと頑張ってるんだよ。いつも給料がはいったら二人を連れて美味しいもの食べさせに行きたいっていつも夜話しながら笑ってるのよ。だから嫌う事ないし、二人も恨んだりしないであけでね」
母は今にも泣きそうな顔で笑った。


高校一年入学式。
別居をしだした母と父。
入学式には母しか来なかった。
いつの間にか大きくなった私の姿に母は泣いていた。
希望高には行けなかったわたしに母は
「よく頑張ったね」
って頭を撫でてくれた。

何事にも文句は言わずに見ててくれてた母に久々に『ありがとう』っていった。

少したった時
姉が私に
「妊娠した。」
とただ一言呟いた。私は驚いて言葉も出なかったのを覚えている。
でも、母には言う事を戸惑っていた姉に
「お母さんも喜ぶだろうね!」
そう私は言った。

母が帰ってくると姉は意を決して母に伝えていた。
母はびっくりしながらも
「おばあちゃんになった」
とケータイを取り出し叔母や友達に電話し始めた。
その光景を姉と二人で笑って見てた。

9月中旬
小さな命が誕生した。
病院にみんなで駆け付けて小さな小さな赤ちゃんを抱いた。
父が初めて泣いた瞬間でもあった。

その時初めて幸せって思ったような気がする。
その赤ちゃんの名前は『愛美』
新しい家族にめっちゃ喜んだ。

毎週のように姉と愛美のいる病院に通い
帰りには珈琲やココアを買い、話しながら帰った。


いつしか退院した姉は、実家に帰ってきた。旦那も実家に帰り、ときおり私達の家に来た。
その頃の私は幸せでいっぱいだった。

1ヶ月たつと姉は旦那と新しい家に帰っていった。
その頃だろう私が荒れ始めたのは。

口にピアスをして耳にはジャラジャラつけて毎日出かけた。
そんな母は私のこと無視するようになった。
でも、その方が好都合だった。
喋らなくて済む。顔を合わせなくて済む。
そう思っていた。

彼氏や友達の家に泊まっては家に帰る
それが当たり前だった。

それから3ヶ月たっただろう。
私は教師と喧嘩して学校をやめた。

学校をやめて遊び尽くしてた私のケータイに
一件の着信。父からだった。
嫌な予感がした。急いで掛けなおすと
「帰ってくんな。男の家でもどこでもいけ」
そう言われて電話は切れた。
しかも、彼氏の家にたまたまいたから焦った。
「どーした?」
煙草をふかしながら顔を覗き込む彼氏に私は
「ごめん!!帰る!!また連絡するね!!」
焦って家をでた。すると後ろから
「おい!単車で送ってくよ」
焦ってたため乗せてもらうことに。

数分後
家に着くとすんなり家に入れてくれた。
「なんで入れてくれるの?」
母は黙って別の部屋に言ってしまった。
私も黙って自分の部屋に入っていった。
電話がかかってこないかとドキドキしながら眠りについた。

翌朝
置き手紙があった。
『あんたはまだあそびたいかもしれない。でもこれだけは分かって。大事な娘だから』

『大事な娘』
初めて書いてくれた母。
17年間生きた中で最高に素敵な言葉だった。
涙がとまらなくてずっと泣いた。
こんなダメな娘を愛してくれてたって思えた。
母を大ッ嫌いだったわけじゃない。
ただわかって欲しかった。
私より姉にやさくしする母に嫉妬してただけだった。
ホントは大好きなんだよ。

それから私はバイトし始めた。
時給も人柄も悪かったが母に話を聞いてもらって頑張ることができた。
姪っ子ももう1歳になる。
日に日に大きくなってく姪っ子に買いたいものが増えていく。
これ買ったら喜ぶなどいつも考えてる。
母の日に何かプレゼントしたいとも思っている。



今だから言える
『産んでくれてありがとう。母が私を見てくれた分恩返ししなきゃね』

今は楽しく二人暮らし(*´∀`*)

毎日仲良くやってます♡
たまに喧嘩するけど尊敬できる母です!

みなさんもきっと大切だって気づく時いつかあります!

  • 小説
  • 掌編
  • 青春
  • 全年齢対象
更新日
登録日
2013-07-10

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