スティーブ・ジョブズ(上)
スティーブ・ジョブズ(上)
2011年ウォルター・アイザックソン著
ジョブズの人となりがよくわかっておもしろい本。
決して普通ではない。
だから天才なのだろう。
私の好きなというか笑ったエピソードは、誰かと口論したりして、分が悪いと涙ぐむという。
若い頃限定なのかもしれないが、天才の人間味あふれるところだと思う。
感情の振れ幅が半端ないのだ。
それがアスペルガーだと言われている由縁かもしれない。
アーティストらしいところでもある。
ちなみにビル・ゲイツもアスペルガーではないかと言われている。
IT業界に元々多いのか、単に新しい産業だったからなのかは不明だ。
アスペルガーの人はそもそも、生きづらさを感じている人しか診断を受けないので、成功者にどれだけいるかはわからない。
自分が順調だと思っている人や、普通ではないことに抵抗がない環境で育った人は疑問さえ抱かないだろう。
日本人は普通であることを強いられている人が多いので患者は多そうだ。
ジョブズが作り出す現実歪曲フィールドという作用もおもしろい。
不可能なことはないという思い込みが現実を実際に変えるのだ。
これは夢を持てば叶うことの証明になっている。
可能だと思えばなんでもできるのがこの世界なのだ。
ジョブズの場合両極端で、都合の悪いことから目を逸らす働きもしていたが、良い面も多い。
ジョブズが非常に冷酷な面を持っていたのはある意味興味深い。
人の感情はわかりすぎるほど、わかっていたという。
むしろ他人の感情は自分の都合の良いように利用していたという。
人を操るのがうまかったのに、ある面で急に興味がなくなるのは何故なのだろう。
友達に対する態度も同じだった。
アップルから追い出されたときは、かなりのダメージ。
泣きついたりしてるところが、知らなかったところだな。
いままで読んでるとこういう性格だってわかるから良いんだけど、知らない人が泣き上戸だって聞いたら驚くだろうな。
強いイメージしかないものね。
私が驚いたのは人脈作りがうまいところかな。
新しい会社を作るのでも仲間がいて、ピクサーでもいろんな人と出会っているし。
そのすべてを仕事に生かせてる。
上巻はピクサーとディズニーが共同で作った映画トイ・ストーリーが大ヒットするところで終わる。
アップル上場時よりも5倍も大儲けをしたジョブズであった。
上場しようと思うところがまずすごいよな。
さすがです。
スティーブ・ジョブズ(上)