読まない、モノカキ
読まない、モノカキ
読まない、モノカキ
ここではないどこかで、趣味でモノを書いている。
内容も何もかももめちゃくちゃなので、書いていると言えたものではないかもしれない。
思えば、昔から「本を読みなさい」と言われ、家庭教師をしている子やその他さまざまな場面での教え子にも同じことを言ってきた。しかし、その当人がモノを読めないのだ。
小さいころは好奇心の塊で、家にある本を片っ端から読んでみたものだ。
それで役に立ったものもある。高校生の頃には、小さいころに猫の絵本のつもりで読んだお下がりのネコタン365(学研マーケティング社)が散々役に立った。
また、無謀にも姉の部屋にあったハードカバーの「蒲生邸事件」(宮部みゆき氏著)を何時間で読破できるか自分と戦ったこともあった。内容も理解できぬ小学生が中学生の頃に。あれは、近代日本史をかなり学習してからでないと理解が進まないと再読して実感したものである。
「モノを書く人は、他人の作品をよく読んで勉強すべし」という考え方がある。確かに、書き方、展開の仕方、そのような点は他人の作品から学ぶべき点がたくさんあるだろう。しかし、最近の売れている作品がワンパターン化してしまっているような気がして、どうもどれも読む気が失せてしまっている。本屋に行っても食指を動かされるような作品はない。
そう考えると、ずいぶん前はたくさんいろいろと書いていたものだな、と思う。レポート、論文、レジュメ…… 参考文献を読むのはそんなに苦はなかったことを思うと、やっぱり自分と小説との相性が悪いのかと思う。
現在もここではないどこかで物語は静かに進行している。
読まない、モノカキ