性同一性障害【Ⅱ】

性同一性障害と認定された高校二年生の息子を思う母親とその病気すら否定してしまう豪気な父親の狭間でモガキ苦しむ主人公。父親は息子とその息子を擁護する妻から距離を置くように長期間の出張ばかりに逃げこむ。久々の我が家で見たくもない息子の女姿を目の当たりにし更に自慰する姿まで見た父親の心情。自分の留守中に息子に乳房が出来ていたことを知る父親と、それを必死ら守り擁護する妻。主人公に恋焦がれる同級生と、夏休みに再会した懐かしい人達。我が身が女に近づく度に男化が同時に進み主人公は苦悩する日々を送る。その時母親は。その時父親は。その時主人公は。日常生活にありがちな人間の欠点とその克服方法とは。

一話~十話

【性同一性障害者Ⅱ】



【一話】




「この馬鹿者がああ!! 貴様はまたそんな服を着おってえぇー!! 出張から帰ってみればこのザマだ!!」
「バッシイィーーンッ!!」
「キャアァー!」
「アナタアァー!! ヤメテエェー!!」

 父親である樋口金蔵は帰宅と同時に黒いパンティーストッキングに白無地のワンピース姿の信二を見た瞬間、込上げた怒りを抑えきれずに力任せに信二の左頬を平手打ちした。
 そして激怒する父親に頬を平手打ちされる信二は唇を出血させて床に両手をついて倒れ、騒ぎに気付いた母親の信子が慌てて駆けつけ息子の信二を庇うように抱きついて父親に背中を向けた。
 
「この馬鹿者があ!! ワシの留守をいいことに一日早く戻ればこの有様!! ずっと女物の服を着ていたんだろうがあぁ!! この変質者がああ!!」

 平手打ちによって振り乱された長い黒髪ごと頬に手を当てる信二は俯いたまま床を見て動くことなく、母の信子だけが帰宅した亭主の金蔵を下から見据えていた。
 そして白無地のワンピースの裾が左太ももまで捲れ上がりそれを母の信子は下から金蔵を見据えたまま咄嗟に直した。

「男のくせにパンストなんぞ履きおってからに!!」

 信二の下半身を包む黒いパンティーストッキングと白いスリップをチラリと見た金蔵は顔を顰めてバックを手にその場から立ち去った。
 父親が立ち去った後、信二は信子の膝にしがみ付いて啜り泣きし、母の信子は黙って信二の背中に腕を添えて涙ぐんだ。 女にさえ生まれていればこんな惨い仕打ちも無かったろうにと信子は足元ですすり泣く信二が不敏で仕方なかった。


「性同一性障害」


 信二は生まれながらにして自分の性に違和感を抱いてきた医学的な病いである性同一性障害と診断されていた。 信二の母親は息子である信二を連れて何度も病院へ出かけ現実を受け止めたものの、幼少期より体育会系で育ち大学ではラグビー部に所属していた父親の金蔵は理解することなく信二を我が家の「恥」と称して、病気を認めようとはしなかった。
 その信二は身長百六十センチの小顔で、幼少の頃から「女の子?」と、周囲に間違えられるほどの美形だったが、父親の金蔵はそんな信二を逞しい男に育てるべくスパルタ式に筋力トレーニングへと無理強いを続けてきたが、ある日、突然倒れて意識不明に陥ったことでこれ以上続ければ命の保証はないと医師から強く非難されたことで筋トレは終焉した。
 だが日に日に女の子のようになっていく信二に金蔵はヤキモキしながら「何とかしなければ」と、アットホームを装い休みの日には海へ山へ川へと妻と信二を連れ出しては、男の子の遊びでもある虫取りやら釣りやら登山に、はたまたロッククライミングへと連れ回したが、基本的に優しい性格の信二には馴染むことは無かった。
 それから小学、中学と信二は自然に女らしさに磨きが掛かる一方、学校では男装をし自宅にいる時にのみ女装を許されていたが、それでも父親の金蔵の前では男装を約束させられていたため窮屈な生活を強いられていた。 そんな信二だったが余りの不敏さに信子は高校を私立の学校へ入学させた。

 数ヶ月前
 

信子:信ちゃん。 これなら身体に負担も掛からないしお母さんも不安ないと思うのね~♪ ヒルアロン酸注入って言うらしいの♪ サイズはAカップかららしいけどね、まあホルモン剤を投与しちゃうとアソコが萎縮して性転換手術の時に必要なモノが足りなくなるらしいから、お母さんはこれがいいと思うのよね~♪
真実:うん♪ アタシもそう思う♪ お母さん! ありがとう♪

 金蔵に話しても解って貰える可能性は限りなくゼロに近いことを承知している信子は、掛かりつけでもある知り合いの園田医師に乳房のことを相談し、園田医師の大学時代からの友人でもある中川医師を紹介されたことで、信二の豊胸の話しは急速な展開を成した。
 そして出張の多い金蔵に隠れるようにして尋ねた中川クリニックで信二はヒアルロン酸豊胸を受け同時に乳首と乳輪の拡張も成し遂げた。 信二は鏡に映った乳房に感動して母である信子に抱きついて号泣し同一障害にも詳しいクリニック関係者の目をも涙させた。
 

信子:どう? 感じは?
信二:なんかね… その… あのね♪ キャッ♪ なんか恥かしい…
信子:どうしたの? いいのよ… 女同士。 正直に教えて。
信二:あのね… その… 感度が… 感度が凄い上がったみたいな気がするの♪ ニャハハハハハハ♪
信子:ホント!? 良かったじゃなーい♪ 

 女同士、何でも正直にと言う信子(はは)に素直な感想を伝えた信二に、信子は目を大きく驚きながらも自分のことのように大喜びした。 そして信二は眼下の胸を愛おしくて仕方ないと言った表情をはにかみながら母に見せた。
 そして今日。 翌日帰るはずの金蔵が連絡なしで一日早く帰宅したことで信二の女姿を見られてしまった。

金蔵:いいか! 信子! アイツが家の中でどんな服装をしていようと構わんが、ワシの目の前では男の服装をさせるようにしろ… 見ろ! お前が妙な肩入れなんぞするから女々しい男のクズになってしまいおったわ。 
信子:お父さん。 もうあの娘(こ)をソッとしておいてあげて下さい。 性同一性障害と言う病気を持っていても私達の子に変わりは無いんですから。 
金蔵:ワシはな! 悔しくて悔しくてなあ… 
信子:お父さん… これを見て下さいませんか。
金蔵:なんだこりゃ? 新聞のコピーか?
信子:あの娘(こ)の掛かりつけのクリニックの看護師さんに頂いたんです…
金蔵:これは…! お前! ワシを脅す気か!?
信子:最近は父親も理解力が上がって減ったらしいですが… 病気を病気と認識していない親おからの虐待で自殺する子供達の数です。子供は風の子なんて時代ではないんですよ…
金蔵:いや、だからワシはだな。 ワシはただワシの目の前ではと言っているのであって…
信子:それならそれで電話くらい下さいな。 意地悪にしかみえませんよ。
金蔵:我が家へ帰るのに一々電話せんといかんのか……
信子:あの娘(こ)の女姿(すがた)を見たくないのであれば…… 


 信二が自室から出てこないまま夕食を金蔵と二人で終えた信子は、金蔵が風呂な入っている間に信二に食事をさせ再び部屋へと戻したが、そんなことを知らない金蔵ではなかったが金蔵もまた信二の父親として知らぬフリを決め込んでいた。 そしてこの夜、思いもしないことが起きてしまった。


「キヤアアァァァーーー!!」
「な! なんだあー!? お! お前!! そ! その胸はどうしたあぁー!! 母さん! 母ーーーさん!! む! 胸がああーーー!!」

 夜の十時過ぎ両親が寝静まったと思った信二は部屋から足を忍ばせ脱衣場で全裸になると、壁に掛けられていた鏡に自らの乳房を映して嬉しそうに見据えていた。 そこへメガネを忘れたことを思い出した父親の金蔵がドアを開けた。
 真実は突然の金蔵の訪問に乳房とペニスを隠してその場に蹲ったが半蔵はハッキリとその瞬間、信二の胸のAカップほどの乳房を目撃してパニックに陥った。 真実は身体を隠して浴室へ逃げ込んだが、金蔵の声は静まり返った家中に響き渡りその声に目を覚ました信子は慌ててガウンで身を包むとフロバへと駆けつけた。
 
「母さん… ワシは悪酔いしたのかも知れん… 信二の胸が膨らんでいる幻覚を見たんだ… 疲れているようだ…」

 肩をガックリ落としてメガネを棚から取るとフラフラと寝室へ戻る金蔵の後姿を見送った信子は「話さなければ」と、その場を離れて寝室へ戻った。
 
信子:お父さん。 話さないと行けないことが…
 ベッドに横になった金蔵に座って話しかける。
金蔵:いや聞きたくない…
 信子に背中を向ける。
信子:あの娘(こ)は今、窮地に陥っているの。 だから救わなければいけないって…
 ベッドに両手をついて金蔵を真下に見下ろす。
金蔵:……
 無言で腕組みする。
信子:あの娘(こ)の胸は精神科医もやっている中川医師と相談して園田クリニックと言うところで簡易的につけて頂いたの。 一生モノではなくて簡易的なモノで半年か一年か、もしかしたら数ヶ月か…
 小声で話し聞かせる。
金蔵:もういい! 聞きたくない。
 横寝から再び仰向けになって腕組みする。 
信子:お父さんには理解出来なくても病気は病気として治療しないといけないの… あの娘(こ)の不安定な心を支える杖なの。 アレは。
 話し続ける。
金蔵:女物の下着を着けて、女物の服を着て、髪を伸ばして女言葉を使う… そして今度は豊胸、最後は手術か… ドンドン変態になっていくな。
 目を閉じて腕組みしたまま返答する。
信子:変態なんて言葉を使わないで! あの娘(こ)は病気なのよ! じゃあコレはどうなの!! これは変態じゃあないの!? アナタはいつもこれでアタシを……
 変態と言うことばに怒りを押し殺し、箪笥の引出から取り出したモノを金蔵の左側にブチまける。
金蔵:暫くぶりに見たな… それは男と女が使うモノ… それにお前は女だ… 
 身体を左側、信子の方へ向けてブチまけられた荒縄、蝋燭、鞭、電動バイブ、擬似ペニスを見入って信子にバイブを握って見せる。 寂しそうな笑みを浮かべる。
信子:何するのお!? いやぁ! やめて! やめて下さい! 今はあの娘(こ)のことを! やめ! やめてえぇー!
 突然、信子を自分の方へ引き寄せた金蔵は信子からガウンを脱がさせると、黒いスリップの両肩紐を外し乳房をクロスして後ろ手に信子を縛り上げようとした。 信子は突然の求めに声を掠れさせて拒絶しながらも力の強い金蔵にあっという間に縛られベッドに押し付けられると乳房を貪られ悔しさに目を潤ませた。
金蔵:チュパチュパチュゥチュウチュパチュパ…… そう言えば最近、可愛がってなかったわい。 久々に味見させてもらおうか……
 信子の乳房を両手で鷲掴みする金蔵は喘ぎ声を必死になって耐える信子の乳首を勃起させ左右を交互に貪った。
信子:ぅぐう!! ぅぐううう!!
 口を硬く閉じて喘ぎ声を必死に出すまいと喉に声を溜める信子は、乳房を揉まれ乳首を吸われながら、黒いパンティーの中に入れられた指の動きに首を左に回したまま足の爪先を閉じて耐えた。
金蔵:女のくせに生意気な口を聞きおって…… 喘ぎ声は止められてもこの溢れるヌルヌルは止められんだろ……
 信子のパンティーの中に入れた指を窪みに第一関節入れて動かす金蔵の指にヌメル液体が絡みつき、信子は唇を噛んでその刺激に耐える。
信子:アナタ! あうぅ! お願い… 今夜は! あああんっ! 今夜だけは許してぇ! お願い許してぇ! ああんっ!!
 口を開いた瞬間、ヨガリ声を発しながらも許しを請うが、金蔵の唇と舌と指は止まることはなかった。

「そろそろいいだろう… ヌプッ! ヌプヌプヌプッ! ムリュムリュムリュー!」
「アヒイィッ! アアアアアアーンッ!!」

 パンティーを剥ぎ取られた信子は両足を開かされ、恥かしい部分に擬似ペニスを挿入されながら乳房を揉まれ乳首に吸いつかれた。 金蔵は首を左右に激しく振って悶える信子をニヤニヤして見入ると擬似ペニスを持つ手を忙しく前後させた。
 熟した信子(おんな)の柔肌が大きく揺れ金蔵の目を楽しませれば、金蔵はパンツを脱いで勃起した肉棒から溢れるカウパー視線液を信子の右太ももに擦りつけた。 

「はぁはぁはぁはぁ… いやだいやだといいながらもお前は肌に縄が触れただけでグショグショに…… 昔から何も変わっておらん…… 辱めれば辱めるほどお前は……」
「ぅぐううう!」

 信子の中に入れた擬似ペニスを動かしながらヨガリ声を我慢する信子に囁く金蔵は時折、勃起した乳首を親指と中指で強めに摘むと、信子は首を仰け反らせて喉に強いヨガリ声を溜め込んだ。 そして金蔵に身体をもてあそばれた信子はこの後、金蔵の硬い肉棒を挿入され二度のエクスタシーを感じた後、三度目を顔で受け止めさせられた。
 
 

【二話】



 


「この戯けものおーー!!! 貴様と言うやつはあ! 何をやっとるかあぁー!!」

 自室、学習机の前の椅子に座っていた信二は、ロングのプリーツスカートを捲くり上げ両足を広げて机の上に置き、膝まで下げたブラウンのパンティーストッキングと白いレースのパンティーをユラユラと揺らしペニスを勃起させそれを斜め前後に扱いていた。
 背中まで半脱ぎしたブラウスの中、スリプとブラジャーの肩紐を外し左手で勃起した左乳首をコリコリと弄り身体をビク付かせて悶えながら、重圧な喘ぎ声を喉の奥に溜め閉じた瞼の下で片思いの彼に抱かれる想像に浸っていた。
 そこへ突然入って来た酒に酔った父親は信二のあられもない姿に仰天した。 左乳房を揉みながら肉棒を扱く信二をそのまま髪を鷲掴みして床に引きずり降ろした。 信二は肉棒から手を離し身を守ったが頭から床に落ちてプリーツスカートは大きく捲れて信二は、下半身を全開にしたまま金蔵に全てを露出させた。
 信二は脳震盪を起こしてその場でそのまま気を失い、立ち尽くす金蔵はわが男(こ)のあられもない姿に大粒の涙をポタポタと床に男泣きしてその場を立ち去り、騒ぎに気付いて掛け付けた母の信子に金蔵は顔を隠して寝室へと向かった。 
 だが信子もまた下半身を大きく晒してペニスを露出させて気を失っている信二を見て、頭の中を真っ白にしつつ哀れな我が娘(こ)に唇を噛み締めつつ、信二からパンティーストッキングを脱がせパンティーを元に戻そうとした瞬間、信二のペニスの先から透明な愛液が流れ出るところを目撃してしまった。
 信子は蛍光灯の灯りにキラキラと反射する我が娘(こ)の愛液を見て信二に対する哀れさから涙を頬に伝えながら、ベッドに信二を引き上げて寝かせた。 そして金蔵が渡すために持って来たのだろう誕生日プレゼントの入った箱が床に落ちていたのを大きな溜息をして見入った。


「ヒックッ… 何が性同一性障害者だっ! 女装してマスかいてりゃー 世話もない! オマケに乳房(チチ)まで揉みくさりおって……」
 寝室に戻った金蔵はウイスキーを生でコップに注ぎ信二の自慰姿に情けなさを感じながらクイッと喉にウイスキーを流し込んだ。 

金蔵:見てしまったよ… 信二の情けない姿を… もう駄目だな… ワシは… 
信子:アナタの気持ちは解りますけど、あの娘(こ)も年頃なんですから解ってあげて下さい…
金蔵:年頃なら好きな女の一人も居るのが男なのに… 信二ときたら…
信子:好きな女の子でも出来たのかも知れないでしょう…
金蔵:好きな女の子を想像してのマスならいいが男だったらどうするんだ! 仮に女の子だとしてもレズじゃないか! 
信子:とにかくこの件にはもう触れないで下さい。 これ以上、あの娘(こ)が傷つけば… 
金蔵:そうだな。 ワシはまた上に出張は無いか聞いてみることにするよ… 出張にさえ行ってればワシもお前もアイツも角はたたんだろう。
信子:すいません… アナタ……
金蔵:アイツが夏休みを終える頃には出張に出れると思うし今度は少し長期にするよ。

 翌朝、信子は役所へ金蔵を送り出した後、信二を起こしに部屋を訪ねた。
 信二は余程胸を大事にしているのだろうか、ブラジャーを付けたままでベッドに横になっていた。 そんな信二の黒髪を軽く撫でると信二はゆっくりと瞼を開き空ろな視線を信子に向けた。
 
信二:おはよう… お母さん…
信子:お父さんは会社へ出たから気を楽になさい… それよりお父さんからの誕生日のプレゼントは何んだったの?
信二:ソコにあるよ… 男物のトランクスと肌着だよ。 ブランド物の…
信子:そう…… それより信ちゃん。 もう二度とマスターベーションなんかしちゃ駄目よ女の子なんだから。もしどうしても我慢出来ない時はお母さんに話しなさい。 お母さんが信ちゃんのこと慰めてあげるから。 いい! こうして慰めてあげるからね。
信二:え…!?
 信子は毛布をはぐると寝起きでモウロウとしている信二からパンティーをスルリと剥ぎ取った。

「カッポッ! チュパ! レロレロレロ… チュパチュパレロレロレロ…」
「ああああんっ! ああああああああん!」 

 信二のペニスを両手で支えた信子はフニャフニャしたペニスを自らの口に銜えた瞬間、舌を絡ませてシヤブリついた。 信二はその瞬間、身体を仰け反らせて両手でシーツを鷲掴みして激しく身悶えしたが自分が何をされているのか解らぬままだった。
 そして信二のペニスがムクムクと大きくなって信子の口の内側に当たる頃、信二はペニスを貪られているのだと確信したが生まれてはじめてのフェラチオに「やめて! あああんっ! お母さんやめてえ! あひぃ! やめ… やめ… あんっ! ああああんっ!」と、快楽への悶え苦しむ声を発するのがやっとだった。
 信子は我が娘(こ)の喘ぎ声を掻き消さんばかりに舌を使い首を振って罪の意識から逃れようとしたが、口の中に突然発射された咽返る若者の精液臭に目を閉じてそれを飲み干しすと、再び半立ちのペニスにムシャブリついた。
 それに対し射精して敏感になり過ぎるほど敏感になっている信二は、壮絶な刺激に狂ったように身悶え身体を跳ねさせ続けた。 だが再び信子の口の中で硬く聳えた信二の肉棒は管に残っていた精液と愛液を溢れさせながらピンク色の亀頭を紫色に変えて行った。
 そして二度目の射精を実母の口の中に放った信二は、ペニスの根元を摘んで搾り出した精液を飲み干してからパンティーを元に戻し何も語らず黙って部屋を出て行こうとした信子の後姿を見ていた。 信子は部屋のドアの前で信二に背を向けたまま「マスターベーションなんかしたらお母さん、許さないからね…」と、言い残して出て行った。
 三十分後、下半身をライトブラウンのパンティーストッキングで包み半袖シャツにデニムの膝丈スカートを履いた信二は、ベッドを直してから出窓を開いて空気を入れ替えた。 そして一階へ降りて洗面台の前に立つと普段と変わらない様子の信子が洗濯機を回して立ち去ったことに違和感を覚えた。
 信二は実の母親に自慰の全てを見られたような、そんな恥かしさで頭が一杯だった。

 ペニスを見られ、シャブラレ、射精させられ身悶えして喘ぎ声とヨガリ声の全てを見聞きされた信二は、母親である信子と顔を合わせるのが怖くて洗顔を終えると朝食もとらずにそのまま二階の自室へ逃げ戻った。
 そして窓から外を見ると信子は黒いストッキングを気遣いながら普段と変わらずに庭の花壇に水遣りして白いスカートの裾をユラユラと揺らしていた。 そんな母である信子は信二が物心つく頃には既に今と同様に容姿に気遣いを見せる女性だった。 朝起きて髪を整え薄化粧をして夏でもストッキングを必ず履く。 そんな母に憧れて育った信二は大の母さん子になっていた。 
 昔は父親である金蔵が同僚を連れて食事に来ていたこともあって、母である信子は常に服装に気を使っていて近所でもソコソコ有名な奥さんであることは信二も知っていた。 そして信二が自分の苦しい胸の内を初めて話した時、信子は拒絶することなく涙を流して信二を理解してくれた。 だから高校も髪型や長さ規制の無い私立を探してくれ信二を入学させた。
 信二の通う高校は信二と同様の病気を抱えた生徒も多くイジメや暴力も無い女性理事長の下で運営が人気を呼んでいた。 私服は勿論のこと男女の法的区別をしていないことでも有名な学校だったが、入学金や授業料も通常の数倍と高額で自由に学ばせたいと言う信子が金蔵を説き伏せての入学だったが、信二のことが金蔵にバレルことを恐れた信子は信二に男女間区別のない自然な服装で通学させていた。
 そして高校を終えたら性転換の手術が出来るようにと医師と相談して法的な手続きにも信子は力を注いでいたが、金蔵は信子からは病名以外のことは何も聞かされてはいなかった。 病は気から、子供は風の子を信じて疑わない体育会系の金蔵には一生かかっても理解は得られないと結論付けた結果だった。
 

「お母さーーん♪ 一人で大変でしょー♪ ホース。 そっちに送るからねー♪」
 母、信子に後ろから声をかけた信二は普段通りの信子に普段通りに笑顔を見せ、信子もまた普段通りに振り向いて笑顔を返した。

「ああー! 信ちゃん泥はね気をつけてえー♪」
 所々に溜った水溜りと信二の足元を気遣う信子は傍目にもフットホームな親子だった。

信二:お母さん♪ エヘヘヘヘー♪
信子:どうしたのおう~♪ いつまでも甘えん坊さんね♪
 
 水遣りする信子の肩に頬をピッタリとくっつける信二。 そして優しい笑みを見せる信子を見下ろす青い空に浮かぶ白い雲すらも楽しげだった。
 その頃、職場にいる金蔵は上司に盆明けからの長期出張は無いかと相談していた。 出張など誰も行きたがる者が少ない中で率先して出張希望をする金蔵は使い勝手の良い部下だったのか上司も大事にしていた一人だった。
 
上司:物件はあるにはあるんだが……
 難しい顔して表情を曇らせた。
金蔵:どんな感じなんですかね?
 興味ありげに問う。
上司:三年と言うのなんだが…
 余り勧めたくない表情。
金蔵:私に行かせて頂けませんか♪ 
 満面の笑み。
上司:単身赴任だが…
 不安げな表情。
金蔵:私にピッタリだ! 是非、私に!
 満面の笑み。
上司:君ねぇ~ 僕は君をただでさえ出張に毎回借り出しているんだよ♪ 僕は君の家族に申し訳なくて… いや。 この件は忘れてくれたまえ。 そのかわり半年くらいの物件を当たっておくからね♪
 気まずそうに立ち去った。
金蔵:……
 残念そうに大きな溜息をする。

 金蔵は三年間の出張の話しをもう一度頼んで見ようと思いつつ自分のデスクに戻ると、立ち上がっているパソコンに「性同一性障害」と、検索窓に打ち込んだ。
 何かにつけ信二の病気のことを気にしては、完治して男に戻ったという事例を探す金蔵は、読んだことのある記事をドラムで飛ばし新しい記事を探していた。
 女として幸せを掴んで欲しいと思う母親である信子に対して、完治して男に戻れるなら戻してやりたいと言う父親である金蔵の違いは鮮明だった。
 


【三話】



「あはははは♪ それぇ~ コチョコチョコチョコチョ~♪ あははは♪ やだやだやだー♪ あはははは♪」
 
 自宅の縁側に信二と隣り合わせで座った信子は信二を左側から抱き寄せて信二をくすぐって遊んでいた。 信二は信子にくすぐられて大声で笑い逃げようとしたが捕まってそのまま床に仰向けになって白い歯を見せて笑い悶えた。
 信子はそんな信二が可愛くて仕方ないとばかりに両手で信二の脇腹を楽しそうに笑ってくすぐり続けた。 逃げようと思えば逃げられるはずの信二は信子から離れようとせずに只管に四肢をバタつかせて笑い転げていた。
 デニムのスカートは股間まで捲りあがりストッキングに包まれた太ももを露にする信二だったが、信子は「女同士なんだから」と、着にする様子も見せずに信二をくすぐり続けた。 
 
「あはははは♪ もう♪ もうやめてー♪ あはははは♪ キャハハハハハ♪ あははははは♪ アハ! アハ! もう許してえ♪ キャハハハハ♪」 
 
 苦しそうにモガク信二は子供のようにハシャいで笑みを辺りに散らして信子に許しを請うと、もう限界とばかりに仰向けのまま信子から離れようと頭上へ身体をヨジッて移動させた。
 その瞬間、信子は信二の両足首を掴んで自分の方へ引き寄せると逃がすまいと信二の腰に両手を移してガバッと上半身で押さえつけた。 その瞬間、信二の恥かしい部分(ペニス)に信子の胸がブラウス越しに擦れた。

「ああんっ!!」
「あっ! ご… ごめん!」
 信子は慌てて信二から離れようとした瞬間、信二は信子の肩を上から自分に押さえつけた。 信子は「ハッ!」として信二の股間を視線に移すと信二の恥かしい部分(ペニス)は大きさを増しその部分が内側から湿っていることに気付いた。

「お母さん……」
 切なげに囁いた信二の声を聞いた信子は掴んでいた腰から右手だけを離すと、そのまま下へ滑らせて移動させパンティーストッキング越しに信二の恥かしい部分に手の平を滑らせた。

「あんっ! あああんっ!!」
 身体を左右に身悶えして甲高い声を信子に聞かせた信二は首を右に回して両腕を信子から離すと床に投げ出した。
 
「信ちゃん… こんなに大きくして濡らすなんて悪い娘(こ)ね…… お仕置きが必要ね……」
 信子は身体を信二の膝辺りへずらすと白いパンティーを内側から持ち上げる恥かしい部分に唇を寄せて息を吹きかけた。 
 
「あんっ! お母さん…」
 弱々しい声で信子を呼んだ信二の下半身からパンティーストッキングとパンティーを太ももまで下ろすと、信子は信二の着ている半袖シャツの中に左手を忍ばせブラジャーを上に移動させた。
 
「カッポッ… チュパチュパレロレロレロ…」
「アヒイィッ! アアアンッ! アンッ! お… お母さーーーん! アアアンッ!」
 愛液を溢れさせる肉棒を口に銜えた信子は舌を滑らせながら信二の小さな乳房を手の平で回し、そして勃起した乳首を指で弾いて信二の感度を確かめた。
 右手で硬く勃起した肉棒の根元を握って支える信子は忙しく頭部と舌を動かしそして、勃起した乳首を指でコリコリと摘んで回した。 信子は信二を家の中に愛欲しながら床伝いに移動させ足で窓を閉めた。

 信二は乳首を弄られながら肉棒をシャブられ脳裏を真っ白にして信子にされるがままになっていたが、込上げる射精欲を我慢できずにその場で「お母さーーーーん!! ああああーーーんっ!!」と、信子の口の中に精液を放った。
 信子は信二の放った濃厚な精液を亀頭に絡めつつ少しずつ飲み干しながらも、敏感になって七転八倒する信二の肉棒が再びムクムクと大きくなってくると夢中でソレに貪りついた。
 
「信ちゃん! もっと出すのよ! もっと出して楽になりなさい!」
 信子は心の中で念じながら肉棒に女としてのありったけのテクニックを駆使して射精を促し続け、信二はその激しい快感に耐え切れずに三度の射精を果たしたが直ぐに肉棒を回復させ四度、五度と精液の量を減少させた。
 
「はぁはぁはぁはぁ… 信ちゃん… 楽になった? 我慢出来ないときはいつでもお母さんに言いなさいね。 恥かしくて言えないならお母さんに抱き付きなさい… はぁはぁはぁはぁ…」
 床に下半身と乳房を露出させてグッタリする信二を見下ろして呟く信子は、口元をティシューで拭きながら立ち上がると、そのままトイレに移動した。

「クチュッ… ふうぅ~」
 履物を全て脱いで便座に腰を下ろすと、自らの恥かしい部分にベットリと貼り付いた愛液を拭き取り、床から拾い上げたパンティーの内側の当布を何度も拭き取りトイレに流した。
 そしてスカートを元に戻してノーパンで洗濯場へ行った信子は、グショグショになったパンティーとパンストを洗濯機の中に入れるとそのまま回して寝室で下着とストッキングを履き替えた。
 
 一時間後
 
金蔵:ああ、ワシだ。 急に〇〇県へ仕事で行くことになったから戻りは明日の夕方になる。
信子:信二のこと……
金蔵:いやいや違うよ。 調査に欠員が出たんでワシが代わりに行くことになっただけだ。 妙な勘ぐりはするな。
信子:わかりました… お気をつけて…

 信子は信二のことを避けて自分から出張を買って出たに違いないと思いつつも、否定されればそれ以上のことを言わない道を選ぶことで波風を防いだ。
 そんな中、自宅から徒歩で十五分程度のところに住む友人から信二に遊びに来ないかと言う誘いの電話が携帯に来ていた。 その友人とは信子も知る男子だったが、信二が密かに想いを寄せていることも信子は知っていた。
 
信子:余り遅くならないようにね♪ 
 玄関からワンピース姿の信二を見送る信子は嬉しくて堪らなかったが、余り喜びを表に出さないようにしていた。
 
 異性(おとこ)に対して警戒心の少ない信二を心配しながらも、相手が高岡君ならと内心認めている信子は信二が性転換するまで信二が操を守ってくれることを祈ってもいた。
 
秀人:信ちゃん♪ 久しぶり♪ どう変わりない? あれ!? 胸… 豊胸したの!?
信二:あ… うん… ヒルアロン酸って言うので…

 二人掛けソファーに腰を下ろした信二を少し高い位置の学習用の椅子から見下ろす秀人は目を丸くした。
 
信二:何か恥かしいな……
秀人:うううん! とっても似合うよ♪

 俯き加減で恥らう信二を照れながら誉める秀人はその胸に視線を釘付けにしていた。

信二:そんなに見ないでぇ♪ 恥かしいってばぁ~♪
秀人:ああ! ご、ごめん♪ あんまり似合うから、その、つい見とれてしまって♪ あは♪ あは♪ あはははは♪

 するとソコにドアをノックして秀人の母の静江が入って来た。

静江:あらあら♪ 今日はやけに楽しそうだこと♪ 信ちゃんが来ると秀人は別人みたいに変わるわね~♪
秀人:余計なこと言うなってぇ! 早く出てけよ! 
信二:おば様。 お邪魔してます♪
静江:ゆっくりしてってね♪ 最近の秀人は信ちゃんに会えないもんだからキリキリしてたのよ♪ 
秀人:うっせえなぁ! トッとと出てけよ! 変なこと言うなよ全く!

 秀人をからかって楽しむ母の静江は恥かしそうに俯く信二を見て「可愛らしい娘(こ)」と、心で思いながら部屋を出て行った。

秀人:全く! あ、信ちゃん冷たいうちに飲もうぜ! ああ見えてアイスコーヒー作らせたらヤタラと美味いんだよ♪ 
信二:うん♪ ああ~~ん! いい香り~♪ 

 片手でコップを持って飲む秀人は両手で持ってストローを使う信二の唇に内心ドキドキしていた。

秀人:でさっ。 僕、ちゃんと自分の気持ちとか信ちゃんに伝えてなかったと思うんだ。 今まで… だからちゃんと僕の気持ちを伝えたいんだ。
信二:え…!?
秀人:今更って言えば今更なんだけど。 僕は信ちゃんのこと好きだから。
信二:あ… うん♪ ありがとう♪ アタシも秀人くんのこと大好きだよ♪
秀人:いや。 ああ。 そうじゃなくてさ。 ぼ、僕のその… 僕の恋人になって下さい!! 
信二:え!? 
秀人:驚かせちゃったね。 いや。 でも。 僕の本心だし… 本当は今日、信ちゃんに告白しようと思って… その… 駄目かな… 僕じゃ…
信二:………
秀人:あああー! な! 泣かないで! 信ちゃん! 泣かないで! 僕が悪かった! 突然こんなこと言って!

 突然の秀人からの告白に両手で顔を覆い泣き出した信二に、驚いた秀人は慌てて信二の横に駆け寄って座ると突然、信二を抱きしめた。

信二:嬉しくて… 嬉しくて… アタシ……
秀人:信二! 好きだ! 愛してる!!

 学園ドラマのワンシーンのような展開に信二は感動して秀人に抱きしめられたまま涙が止まらなかった。 だがその時、信二はワンピースのスカートの中に入ってきた秀人の手に激しく動揺しつつ押し倒され視界が天井へ変わったことで顔を強張らせた。


信二:あんっ! だめ! だめよ! 秀人くん! アタシが… アタシが本物の女になるまで待って! お願い! 今日は… 許して!
秀人:信二!! 僕は今すぐにでも信二を!! 我慢出来ない!!
信二:駄目えぇ! あんっ! お願い… ああんっ!! 許してぇ… お願い…

 ソファーに押し倒しながらストッキング越しに太ももを触手する秀人に必死に声を窄める信二は、一階に居るであろう静江に気付かれないように秀人を諭したが、秀人は興奮し目を充血させ右手で信二の左胸に服の上から手を這わせた。

信二:お願い! 許してえ… お願い! 秀人くん! 許してえぇ!
 右手でスカートの中に入った秀人の左手を払おうとしつつ、左胸に這わせられた秀人の右手を払おうとする信二。

秀人:僕は! 信二が欲しい! ずっと我慢してきたんだ! 僕は誰よりも信二を愛しているんだ!
 信二の唇に自らの唇を重ねようとする秀人と、それを交わすように首を左右に振って拒絶する信二。

信二:駄目! お願い我慢して! 本物の女になるまで待って! アタシは秀人くんに処女を捧げる覚悟は出来てるの! でも今は我慢して! お願いよおう!
 首を左右に振りながら秀人の両手を必死に振り払おうとする信二。

 その時だった! 突然、一階にいる静江の声が二人の部屋に掛けられた。

静江:秀人ー! お母さん買物に出かけるからねー♪ 信ちゃんに変なことしたら承知しないからねー!
 静江の声に一瞬動きを止めた秀人からすり抜けた信二はテーブルを挟んだ場所へ身を移しワンピースの裾を直しつつ秀人に視線を重ねた。

秀人:僕だって健康な男子なんだ… 自分の彼女の身体に興味を持ったり触れて見たいって思うしキスだってしたいと思ってるんだ! ずっと我慢してたんだ! 信二を心だけじゃない、全てが欲しいんだ! でも、ごめん… 怖い思いさせて…
 床に四つん這いになって苦しい胸のうちを語る秀人。

信二:アタシも秀人君が好き! アタシだって秀人くんに触れられたいよ! 女の子だもん! でも… でも… 今のアタシの全てを見られるのは嫌なの… 死ぬほど嫌なの… だから… だからアタシのファーストキス… 今はこれで許して… お願い…
 涙を滲ませた瞳を閉じて両膝起ちをした信二は両腕をブラリと垂らして首を上に向けた。

 秀人はそんな信二を見た瞬間、自分がどれだけ信二を傷つけたのかそして、どれだけ自己中心的だったのか思い知らされた気がした。 

秀人:ごめんな信二… 怖い思いをさせて……
 ポツリと呟いた秀人は信二の前に同じように膝起てすると愛らしい信二を抱きしめて唇を重ねた。

 信二はファーストキスを秀人に捧げ閉じた瞼の下から嬉し涙を頬に伝えた。

信二:秀人くん… 立ち上がって目を閉じて… お願い! 言う通りにしてえぇ!
 信二の言葉に立ち上がった秀人はそのまま目を閉じ、信二は意を決したように顔に厳しさを浮かべると、秀人のスボンのチャックを下ろした。

秀人:な! なに!?
 チャックを下ろされうろたえる秀人は驚いて目を開こうとした。

信二:閉じてて! お願い… そのまま閉じてて…
 秀人は閉じた瞼に力を入れると、確認した信二はそのままトランクスのボタンを外し自らも目を閉じて秀人のペニスを口に銜えた。

「カッポッ! チュパチュパレロレロレロ… ムリュームリュームリャムリャムリャ…」

秀人:ああうっ! あうっ!! 信二!!
 両膝をガクガクさせて信二の頭に両手を乗せると、信二は銜えた秀人のペニスに舌を絡ませた。

「ヌポッヌポッフポッレロレロレロ…」

秀人:信二… はうぅ! あうっ! 信二ー!! あうっ!!
 起っていられないとばかりに両膝をガクガクさせる秀人は、左手を壁側に置いてある本棚に置き替え左手を壁に這わせた。

 そして信二の口の中で舌を絡ませられた硬く聳える肉棒は、亀頭の色をピンク色から紫色に変色させカウパー視線液を信二の口の中に溢れさせ凡そ一分後、ネットリとした苦味の強い黄色み掛かったドロドロした精液を発射した。
 信二は生まれて初めての秀人(おとこ)の勢いに表情を怯えさせながら、口の中で飛び散った精液に舌を絡めて飲み込んだ。 秀人は射精の快感と信二に口でして貰った感動に全身を小刻みに震えさせると、信二は秀人のペニスの根元を親指と中指の腹で押さえて精液を絞りだすとソレをも飲み込んだ。
 そして一度では足りるはずないと思った信二は、口の中に半起ちで止まっている秀人のペニスに再び舌を絡ませて貪りついた。 秀人は口を半開きにして射精直後の敏感さから来る凄まじい快感(しげき)に顔を強張らせて両足をガクガクさせて耐えた。
 信二は母、信子にしてもらったように身体で覚えたテクニックを半信半疑ながら秀人に無意識にそして無心になって続けると、やがて二度目の射精が信二の口中に飛び込んで散った。 その後、信二は秀人のペニスが大きくならなくなるまで何度も休むことなく舌と首を使い秀人は全てを出し切るとその場に崩れた。
 愛する秀人に全てをあげられない信二の精一杯の愛情表現だった。



【四話】


「え…!?」

 ある日の朝のこと。 目を覚ました信二はベッドの中でアゴヒゲが生えていることに震撼した。 薄毛だった信二は高校二年生にして初めてのヒゲに衝撃を受けながらヒゲを触った手を震えさせた。
 ベッドから降りてネグリジェを脱いだ信二は鏡に顔を映して生えたばかりアゴヒゲに顔を強張らせ、泣きながらノーブラのまま一階へ降りると台所にいる母、信子に駆け寄り抱きついた。
 信子は泣いて抱きつく信二から事情を聞くと色白の肌に生えたアゴヒゲに恐れ戦いた。

「信ちゃん! とにかく医師(せんせい)のところへ行きましょう!」

 金蔵を会社へ送り出し終えていた信子はエプロンを外すと信二に服を着るように言い寝室へと足を急がせた。 信二は信子に言われた通りに会へ急ぐと着衣して身支度を整えるとアゴに絆創膏を貼り付けて深呼吸した。
 一階へ降りると玄関に居た信子は、足を黒いストッキングで包みタイトスカートに白いブラウスを着て腕にハンドバックとジャケットを下げていた。 短時間なのに髪もセットされていて化粧も完璧な信子を見た信二は、大人の女性を思わせる母に、胸の奥をドキッとさせて尊敬の視線を向けた。
 
 一時間後

「レーザーで脱毛しましょう♪ 御嬢さんのよう年代には当然あることの一つなんですよ♪ まあ、以前も話しましたが本来なら女性ホルモンが良いのですが、現実問題として性器の萎縮は後に性転換手術を受ける際に材料不足に陥ることがシバシバ… 国内の法律を全てクリアすれば国内での転換手術も可能ですし合理的です。 生えてきたら脱毛で対処していくしか方法はありません… 或いは、資金的にも掛かりますが国外で性転換手術を受けて法律のクリアを待つというやり方もありますが、私は勧めません…」

 園田医師は深刻な顔する二人を前に、落ち着かせるように笑顔を交えて話聞かせると看護師にレーザー脱毛の準備を指示し、園田医師の話しにホッと旨を撫で下ろす信子は信二と顔を見合わせて笑顔を見せた。
 レーザー脱毛はある種の軽微な火傷であると説明を受けた二人は施術後のケアを十分聞き、そして脱毛が間に合わなくなったら性器萎縮の行われない程度の微量の女性ホルモン剤の使用を園田医師から受けた。
 とは言いながらも、信二は施術室のベッドの上でアゴにピリピリと感じる痛みに必死で耐え、不安も楷書されて帰宅した信二は自室ベッドに仰向けで赤く腫れたアゴをオタフク患者のごとく縛った布の中に冷却剤を入れて冷やしていた。
 そして生まれて初めてのレーザー脱毛に緊張したのか、信二は傍で信子に見守られながら安心の表情を見せ眠ってしまった。 信子は信二のオデコにキスをして部屋から出て行った。

 その夜、遅くに帰宅した父の金蔵にヒゲのことを知られずに爽やかな朝を迎えた信二は、腫れの引いたアゴを軽く触ってニッコリと笑って枕もとのヌイグルミの頭を「ポンポン」と、軽く叩いてベッドを降りた
 そして前ボタン式のネグリジェ姿のまま窓辺に立って窓を押し開くと、両手を空に向けて大きな深呼吸をした。

「信ちゃーーん♪ おーーーい♪」
 家の前で信二を見つけた秀人は満面の笑みを浮かべて信二に手を振った。

「どおーしたのー? こんな早くにいー?」
 秀人の出現に驚きながら声をかけた信二はキョトンとした表情を見せた。

「ええぇぇー! 今日、川に行く約束してたじゃーん!」
 約束を忘れている信二に驚く秀人はショックを受けた顔してガックリと肩を落とした。

「ああああー! ご! ごめーーん! 直ぐ支度するから!!」
 両目を大きく見開く信二は学園ドラマ風に驚きの表情を見せると大慌てで窓辺から離れ、大急ぎでショーパンとニーソックスで下半身をまとめブラジャーの上に半袖ティシャツを纏った。
 
 信二は秀人との約束を忘れていたことを母に話すと大慌てでスニーカーに足を入れ玄関を出た。 そして信子に見送られて秀人と小川の流れる森林へ向かって歩き出した。

秀人:大丈夫なのか? そんな格好して? お父さんに見つかったらさ。
(信二を足元から上に見上げて左に居る信二を見る)
信二:ああ。 うん。 お父さん早くに出かけた見たい♪ ごめんね… お父さん出張から戻ってから色々あってさ…
(一瞬俯いて路面を見てから見てから秀人をチラリと見る)
秀人:ああ、いいよ別に。 ちょっと心配になっただけだから… なあ。 肩抱いていいか? なははは♪
(照れ臭そうに左の信二を見て右手で自分の髪を掻き撫でる)
信二:うん。 でも何だか恥かしい……
(はにかむ信二は家から見えてないか後ろを振り返った)
秀人:ああ、足元気をつけろよ。 そこ滑るから。
(森林公園の入り口に備え付けられた丸太で出来た階段を指差す)
信二:ああ。 うん。 ありがとう♪ あ! キャァー! ご! ごめえーん!
(指摘されたケツから丸太で足を滑らせ秀人の左肩に掴まった信二)
秀人:ふっ♪ 言ったケツからこれだもんなー♪
 (自分の掴まった信二の左肩を抱き寄せる秀人は照れ臭そうに再び右手で自分の髪を撫でた)
信二:何か恥かしい……
 (頬を紅く染める信二)
秀人:なあ… いいだろ……
(階段を下りた辺りの左右に草木を見回して右手で信二の左頬に手をかける)
信二:………
(無言で小さく頷く信二)

 秀人は信二の左頬をソッと回すと信二の小さな唇に自分の唇を重ねた。 そして信二を両手で抱き寄せるとそのまま動かなくなったが、信二の生まれて二度目の異性(ひでと)とのキスだった。 

秀人:愛してる。 お前のこと…… 
 (秀人は信二をそして信二は秀人を互いに見つめあうと秀人は無言で遊歩道を歩き出した)

 誰も通らない朝の森林公園はセミと小川のせせらぎだけが響き渡り時折、鳴く小鳥の声を聞きながら二人は右側を流れる小川伝いに歩いた。

秀人:懐かしいな♪ ここ♪ 子供の頃、よくここへ来て水遊びしたんだけど前の方が好きだったな。 近代化された遊歩道付きの小川って感じに変わったもんな…
 (信二の左肩を抱いて歩く秀人は仄かに香る信二の甘い香りに内心ドキドキしていた)
信二:うん。 アタシも前の方が好きだった。 クマが出そうなウッソウとした感じとか、川へ降りるときに決まって靴が泥だられになったりしてさ♪ 
 (秀人の右肩に右頬を静かに重ねる信二)
秀人:でも。 此間は正直驚いた… 嬉しかった… 僕のこと愛してくれてるって言う実感がちゃんと形として伝わったから。
 (赤面する秀人)
信二:ホントは全部、秀人くんに… 秀人くんにあげたいんだけど… ごめんなさい。
 (赤面しつつも悲しげな表情をする信二とそんな信二の肩を抱く腕に力を込める秀人)
秀人:僕は。 今のままの信二の全てを愛したいっていつも思ってるよ… 性器(アソコ)の形なんかに拘るつもりはないし。
 (歩く足をピタリと止めた秀人は思い詰めたように声を震わせた)
信二:アタシ怖いの…… アタシの全てを見た瞬間、秀人くんがアタシから離れて行くんじゃないかって… 怖くて怖くて堪らないの……
 (泣きそうな切羽詰まったように呟いた信二は自分から秀人に抱きついた)
秀人:僕は… 僕はそんな男じゃないよ。 信二のこと… いや、お前のこと全て知った上で好きになって今は愛してるんだ! 此間、信二は僕のこと何度も飲み干してくれた。 それが僕にとってどんなに嬉しかったか。 僕はお前から離れたりしない。 信じて欲しい……
 (抱きついた信二を強く抱き返す秀人は股間を硬くしていた)
信二:嬉しい……
 (顔を上に上げて秀人に視線を重ねる)
秀人:少しあるこう… せっかく小川のセセラギを聞きに来たんだし♪
 股間を硬くさせる秀人は歩き辛そうに腰を少し引いて窮屈になったズボンの中を気にしなかせらも、ポケットの難に忍ばせてきたコンドームとジェルを手で確認した。
信二:なんか暑くなってきた~♪ うふふふふふ~♪
 (秀人から一旦離れた信二は秀人の左腕に両手でブラ下がるようにして歩いた)

 秀人は信じられないくらいに幸せな気分に浸り、信二もまた素直に自分の気持ちを伝えられたことに喜びを感じていた。 そして歩く速度の違いに信二が振り向くと股間を膨らませて歩く秀人に赤面した。

信二:とょっとお! やだあぁー! もおぅ! 秀人くんのエッチィー!
 (秀人の膨らんだ股間を見た信二は左腕から離れて少しだけ小走りして両手を後ろに恥かしそうに赤面して声を放った)
秀人:ちょ! こ! これは自然現象でさ。 仕方ないんだよ男は。 これは勘弁してくれないかな~! 
 (顔を真っ赤にして両手で股間を隠す秀人はオロオロして歩き始めた信二を追いかけた)

 秀人は子供の頃によく遊んだ農家の物置小屋に信二を連れ込む作戦を着々と進めていたが、信二はそんな秀人を疑うことはなかった。
 そして小川で水遊びをした後、小川伝いに森林公園が何処まで続いているか探検しようと持ちかけた秀人に信二はアドケナイ笑みを浮かべた。
 途中のベンチ広場にあった案内看板に描かれていたイメージを二人で指差すと、一番奥までが二キロ先だと解った信二は秀人の腕を引いてワクワクしながら足を進めた。
 だが、その一番奥に秀人が子供の頃に遊んだ秘密の隠れ家があることを信二は知らなかった。 

信二:帰りは道路に出ればバス停と自販機もあるしそれに乗ればいいよね♪
 (スキップして太ももと尻をプルプル揺らす信二を見て秀人は喉をゴクリと鳴らした)
秀人:ああ。 うん。 そうしよう♪ 
 (信二に受け答えする秀人は心の中で、キスして服の上から胸を揉んでブラを移動させながら太ももを触りまくってショーパン下ろしてと、信二を味見する妄想に再び股間を硬くした)

 そして歩くこと終点まで数十メートルと言うところで、秀人は思い出したように「ああ!! そう言えばここの終点を少し越えたところに僕達が子供のころ遊んだ秘密の隠れ家あるんだ♪ 懐かしいなあー♪」と、何も知らない信二の前で白々しく声を発した。

信二:ああーーーん♪ 見たいみたいみたーーい♪ キャッホオーー♪
 (終点の看板の前で両腕を広げてクルクル回る楽しげな信二を見て秀人は良心の呵責に苛まれながらも、心の中では乳房をシャブって、太もも舐めてシャブって、アソコを時間かけて舐めまわしてシャブッてアナルを舐め回してと、妄想を止めることが出来ず喉をカラカラにした)
秀人:よし! 行ってみるかあー♪
 (喜ぶ信二に合わせるように自分も両手を伸ばしてクルクルと回った)
信二:本当にこの先にあるの? 何か誰も通ったような形跡がないけど… 
 (ウッソウとした草木を掻き分けて歩く信二は獣すら通っていない道を秀人を追うように進んだ)
秀人:ここで間違いないと思うよ… でも昔は人が行き来してた道が付いてたんだけどなぁ~ 変だなぁ~
 (伸び放題の草木に不安になりながらも自信を見せる)

 終点から数十メートルきた所で自分達の背丈ほどに伸びた草木の隙間からようやく見えた荒れ果てた山小屋。 

秀人:あった♪ あったあったー♪ あったけど… 何か変だなあ~ 
 (朽ち果てて壁が剥がれた廃屋を見据えた)
信二:うん… 何か変だね… 人が来た形跡もないし今にも崩れ落ちそうだよ。
 (秀人に並んで目を細める)
秀人:……
 (無言で何かを考えている)
信二:やっぱり戻りましょう! 人が近寄った形跡がないなんて絶対に変よ! 引き返しましょう。
 (オバケでも出そうな雰囲気の廃屋を凝視する信二は恐怖に心細い表情を見せた)
秀人:僕が行ってみてくるよ。 お前はここで待ってろ。
 (信二の頭をポンポンと軽く叩いて草を掻いて進んだ)
信二:……
 (息を忍ばせて耳を澄まして秀人を見守る)

 草を掻き分けて進む秀人が廃屋の入り口に到達するのが見えると、信二は恐怖からか可愛い子ブリッ子のポーズになっていた。 そして秀人がボロボロのドアを開けた瞬間、何かを凝視してその場で固まるのが見えた。
 そしてその瞬間「ウギャアアアアアアアーーーー!!」と、秀人は凄まじい叫び声を出して信二の方へ逃げるように走り依るとそのまま来た方向へと行ってしまった。 秀人に置いて行かれた信二は恐怖でその場に斜屈みこんで動けなくなった。
 


【五話】


「あっははははは♪ アソコはね。 何人も首吊るんで警察で立ち入り禁止にしてたんだけど、吊ったロープでも残ってたのかな♪ だけど途中に立ち入り禁止の起て看板なかったかい? でも、彼氏? 何処行っちゃったんだろうね♪ 彼女を置いてくなんて余程驚いたんだろうね~♪ 俺、早坂順平♪ 大学一年だけど君は高校生?」

 終点の奥から血相を変えて逃げ出して来た秀人を目撃した順平は倒れている草具合から「まだ奥に誰か居るのでは」と、心配して歩いて来る内に背丈ほどもある草むらに一人置いて行かれた信二を見つけて保護した。 
 肩まで届かない程度の髪と爽やかな口調、身長百七十五センチほどの痩せ型で白い腕まくりのワイシャツが似合う清潔感タップリの順平は安堵感を漂わせていた。

順平:こっちの人なの? 俺は夏休みで婆ちゃんちに遊びに来てる最中なんだ。 
 (草むらで後ろから付いてくる信二を振り向きながら爽やかさいっぱいに話す順平)
信二:……
 (置いて行かれたショックの残る信二)
順平:無理ないな。 置いて行かれたんだからな… しっかし女の子を置いて行くなんて… どうせあの山小屋に連れ込もうと思ってたんだろうな。 アソコは以前、大人たちの間じゃ、連れ込みホテルとかって言われてたらしいし。
 (草むらからの出口で信二の手を握って一緒に抜け出す)

 草むらから抜け出た信二を指差したベンチに座らせると飲み物を買って来ると言い残し、順平は車道の方へと走っていった。 信二はドンヨリして置いて行かれた悔しさに目を潤ませた。

信二:アタシに嫌らしいことしようとしてあんなとこに… 畜生… 秀人のヤツ……
 (前屈みになって両膝に置いた手に拳を握る)
順平:お待たせー♪ てか、名前くらい教えてくれないかな♪ 駄目かい?
 (信二にジュースを差し出して自分も隣りに腰掛けた)
信二:樋口… 樋口です。 助けてくれてありがとうございます… 
 (両手でジュースを膝の上で抱える信二は名前を言えずに俯いたまま)
順平:君。 もしかしたら戸籍上の男子? 間違ってたらゴメンよ♪ これでも医大生なんだ。
 (左に居る信二をチラリと見た)
信二:!………
 (順平の言葉にハッとして顔を上げた信二は無言のまま再び俯いた)
順平:そか… ゴメンよ嫌なこと質問して。 俺の同級生でもさ、何人か戸籍上の男子や戸籍上の女子がいてさ。 だからどちらかと言えば肯定派ではあるんだけど医大生だからね当然理解もしているし。 名前、教えてくれないかな。 駄目かな…
 (缶ジュースをクイッと一口飲むと声を絞った)
信二:信二です… 樋口信二といいます。 これ! ありがとうございます! 助けてくれてありがとうございます!
 (俯いたまま囁くと急に立ち上がって十ペイの前に立った信二は両腕を前に大きく頭を二度下げて公園の入り口方向へと走り去った)
順平:信ちゃんか… 可愛かったな~♪ でも、確か樋口さんって……
 (突然駆け出した信二の後姿を見てニッコリと爽やかに笑みを浮かべながら信二の苗字に首を捻った)

 その頃、廃屋で首吊りのロープと警察の丸められたテープに花束の包装紙を見て信二を置いて逃げ出した秀人は、自宅近くの公園で信二を置いて逃げ出して来たことを悔やんでいた。
 ベンチに座り前屈みのまま両手で頭を抱いた秀人は、信二との恋が終ったことをヒシヒシと感じて女々しく自分を呪った。 いくら信二に詫びても許してもらえるはずは無いと自分の頭を平手で叩いて後悔していた。
 そして逃げるように順平の前から姿をけした信二は、二人で来た道を一人でトボトボと足を進め、置いて行かれた悔しさに何度も歩みを止めて大きな深呼吸をして涙を堪えた。 

信子:あらぁ~ 早かったのね~♪ てか、秀人くんは? 一緒じゃなかったの?
 
 玄関横の花壇の手入れをしていた母の信子に問われたが、信二は無言で家に入ると洗面所で手と顔を洗って二階の自室へと駆け上がった。
 そして机の上に置いて行った携帯を見ると、逃げ出した秀人から詫びのメールが入っていたことに右手に拳を握った信二は、秀人にメールを書いて送信した。

「自分の彼女を置いて逃げ出すような人にアタシは付いて行こうとは思わない… 学校で会っても話しかけないで欲しい。 永遠にさようなら」

 信二は涙を拭きながら秀人にメールを送ると直ぐに秀人を着信拒否して携帯を机に置いた。 すると外から信子が誰かと話す声が聞こえた。

信子:あらあ~♪ 順平くん♪ どう? 学校は楽しい?
 (楽しそうに話す信子の声に誘われるように机の横、窓辺に移動した信二は、玄関先で信子と親しげに話す順平を見て仰天し、部屋を出て玄関から慌てて飛び出した)
順平:ああ! やっぱり♪ 苗字を聞いた後でもしやと思ってね♪
 (順平は嬉しそうに信子と信二の顔を見回し信二はポカーンとした)
信子:あれ? 順平くん、信二ともう会ったの? 
 (信二と順平を嬉しそうに見回す)
信二:ああ、うん。 でも…?
 (何故に順平がここに来て、何故に母は順平を知っているのか不思議な表情を見せる)
信子:信ちゃんは覚えてない? 幼稚園の時によく公園で遊んでくれた彼のこと? 幼稚園のころだったわよね~ 引越しして行ったんだっけ?
 (信二に話した後で直ぐに順平に聞きなおす)
信二:大きい家のお兄ちゃん……? え!? うっそおー!? ええー!?
 (記憶を辿る信二は声を裏返して仰天しつつ、記憶が蘇る度に嬉しそうな笑みを信子と順平に見せた)
信子:順平ちゃん! 中に入って♪ さあ♪ 入ってー♪
 (信子は順平の手を掴んで家へと招いた)

 順平を家中に招きいれた信子は昔を思い出しながらアルバムを持ってきて順平と信二の顔を見回してお茶に花を咲かせ、順平もまたそんな信子と信二の顔を見回して信二と写った写真を見ては照れ臭そうに談笑した。
 そして三人の楽しい時間はアッと言う間に過ぎ、そろそろイトマしようかと順平が切り出した頃、信子は買物に行くのを忘れていたと急に立ち上がり順平に「もう少しゆっくりしていけば♪」と、そのまま買物に出かけた。
 信二は二階の部屋へ行こうと順平を誘い、順平もまた爽やかに誘いを受け二回へと移動した。

順平:マサカとは思ったけど、本当に信ちゃんで驚いたよ♪ 
信二:アタシの方こそ驚いたー♪ マサカあのお兄ちゃんだったなんて思わなかったもん♪ うふふふふ♪
 (女の子らしい部屋を見渡す順平とアルバムを手に順平と写真の本人を見比べて微笑む信二)

順平:でも… 本当に可愛くなっちゃって… 覚えてるかい? 小さかった頃、信ちゃんがさ。 よく僕に大きくなったらお兄ちゃんのお嫁さんになるって言ってたこと♪
信二:キャッ♪ 言われてみれば言ってたような気が…♪ ヤァーン♪ 恥かしいぃー♪
 (ベッドを背もたれに左でアルバムを見る信二に照れながら語る順平と愛らしく恥かしがる信二)

順平:今でも… いいんだよ… お嫁さんになりたいって言っても……
 (左にいる信二の背中にベッド伝いに左腕を伸ばし右半身で信二を覆うように囁いた)
信二:もおぅ♪ からかわないでー♪ なんか… 恥かしいよ…
 (嬉しそうに俯く信二を右側から見入る順平は右足を膝起てした瞬間、信二の右頬に右手で振り向かせキスをした。 そして信二は顔を真っ赤にして目を閉じるとそのまま口付けを許した)

 そんな信二の口の中に順平の舌が入ると信二はその舌さえも受け入れ、やがて信二は床に抱き倒された。 そして順平は信二の身体に自分を半身を重ねて目を閉じたままジッとしている信二の顔を両側から優しく支えた。
 
信二:あんっ! ああんっ!
 (順平の右手が信二の左足のニーソックスの上辺りに這わせられると、信二は厚みのある重たい喘ぎ声を順平に聞かせた)
順平:信ちゃん……
 (信二のティシャツの裾をゆっくりとキスと触手をしながら上へ捲り上げた順平の左手は信二のブラジャーを上にずらし柔らかい乳房の上に這わせられた)
信二:あっん! あっん… あんっ! 恥かしい……
 (震える信二の右乳房を回すように這わした順平の手はそのまま指を乳首に絡み付かせ信二に愛らしい喘ぎと身悶えをさせた)
順平:信ちゃん好きだよ… とてもキレイだよ…
 (露出させた信二の右乳房に静かに唇を寄せ、ピンク色の乳首に吸い付いた)
信二:ぅあっ! あああんっ!! あああんっ!! 
 (乳首に吸い付かれた信二は首と腰を仰け反らせて可愛い鳴き声を部屋に響かせた、興奮したように順平は信二からショートパンツを脱がせると、パンテイーの上から信二の恥かしい部分を手の平で滑りまわした)

 信二は異性からの乳首への愛撫に全身をビク付かせ下半身への触手に全身を熱くさせた。 そして順平は躊躇することなく信二からグッショリと濡れたパンティーを剥ぎ取ると自らの身体の位置を下へと移動させた。
 そして順平(おとこ)のザラついた舌が信二のペニスに絡みつくと同時に、信二は腰と両足をガクガクさせ首を限界まで仰け反らせると順平の口の中で硬く大きく肉棒化させ両手の指の爪で床を引っ掻いた。
 両乳房を晒されつつ下半身を露にした信二の肉棒は順平の口に納まりきれず時折順平の唇から愛液が漏れて滴り落ちた。 両手で乳首を弄られながら肉棒を貪られる信二は脳裏を真っ白にして自分が何をされているのかさえ解らなかった。
 そして余りの快楽に我慢できずに順平の口の中にドロドロした白い体液を放出した信二の、両太ももに手をかけた順平は僅かに呑み残した精液を左右に開いた順平の肛門に舌で塗りつけ汚れを溶かしつつそれを飲み込んだ。
 信二は肛門に滑る順平の舌に絶叫し狂乱したように床の上で全身を跳ねさせ気絶寸前まで追い込まれた。 そんな信二を要領よく味わう順平はズボンのポケットからコンドームとジェルを取り出すと、手際よくズボンを脱いで下半身を露出させギンギンに撓りを見せる肉棒に慣れた手つきでコンドームを装着した。
 そしてチューブ式のジェルを片手でゴムを被せた肉棒に塗り付けると喘ぎ悶える信二の肛門に肉棒の先を滑らせた。 その瞬間、順平を制止する甲高い声が順平の耳に突き刺さった。

「何してるのおおぉー!!」

 突然後ろから耳に飛び込んできた信子の甲高い声に順平は振り向いて口を半開きに血相を変えたじろいだ。
 信子は部屋の中に入るなり信二のあられもない姿とゴムを装着してブラブラと肉棒を揺らす順平に「ヒイイイイィィーーー!!」と、キンキラ声を発して両手で頬を覆うと信子と視線を重ねた順平は肉棒をブラブラさせながら衣類を片手に一目散にそのまま走り去った。
 
信子:信ちゃん! 信ちゃん!! 
 (慌てて信二の上半身を抱き起こした信子は信二の処女を守れたことに涙を潤ませたが、当の信二は空ろな眼差しをして正気ではない表情を信子に見せていた)
信二:ああ… お母さん… 何かあったの……
 (信二は目の前で涙を潤ませる信子に疲れきった言葉をかけると再び目を閉じて眠ってしまった)

 信子は信二をそのまま床に置くと一階へ降りてお湯の入ったバケツとタオルを持ってきて床の上で眠る信二の全身を拭いてからベッドに引きずって寝かせた。
 そしてグッショリと濡れた信二のパンティーと衣類を一階へ運んで洗濯機に入れて回すと、洗濯機に両手を付いて肩を落とし声を出して泣いた。
 その翌日、順平を訪ねた信子は早坂の家を慌てて立ち去った順平の話しを聞かされ複雑な想いのまま安堵した。


【六話】



「一々うるさいのよおおお!! 放っといてよおおおーー!!」
「お母さんはねええー! アナタが心配なの!! 心配で心配で堪らないのおー!! マスターベーションなんて… あれほどヤメテと言ったのに…」
「アタシが何をしようとお母さんには関係ないよおー!! 出てってよおぉー!!」

 夕方、買物へ誘おうと二階の部屋を訪れた信子は部屋の中に精液(おとこ)の匂いを感じた。 そして屑篭にある丸められたティシューを見て学習机の前の椅子に座る信二を問いただした。 だが、信二は座る椅子を信子の方へ向けると髪を振り乱して信子の手を振り払い怒声を上げた。
 信子は信二を前に崩れるように床に跪いて信二を見上げたが、信二は首を左に回して信子の顔を見ようとしなかった。  

「お母さんはね。 貴女をちゃんとした身体で女として生きて欲しいの… 男みたいにマスターベーションしたり異性(おとこ)と性関係を持って欲しくないの。 キレイな身体で居て欲しいのよ… ね!? 解るでしょ!? 男の性(さが)が出て我慢出来ないときはお母さんに言ってちょうだい。 お母さんが処理してあげるから…」
「お母さんに恥かしい声聞かれて悶えてるとこ見られて! 身体の中から出て来た精液(モノ)見られて!! アタシがどんなに恥かしいか!! お母さんにはわかんないのよおお!! もうアタシに構わないでえ!!」
「信ちゃん!! 貴女は女性なのよ!! 女性が足を開いてマスターベーションなんかしちゃ駄目!! 射精なんか経験しちゃ駄目なの!!」
「うるっさああーーーーーい!! お母さんなんか嫌いよおおおーーー! お母さんなんか大嫌い!! お父さんと同じじゃない!! バッシイィーーーン!!」
「キャアアアァァーー!!」
「…… お母さん… 大丈夫…!? お母さん!!」

 言い争いになって母の頬を平手打ちした信二は勢いで床に跳ね飛んで気絶した信子に驚いて母の上半身を横から抱き抱えた。 その瞬間、捲れたスカートの裾上から太ももに密着する黒いガーターストッキングと吊り紐が信二の視線に入った。
 信二はその光景を喉をゴクリと鳴らし凝視した後、母の豊満な胸を視線を奪われた。 

「何でこんなものを…」

 信二はスカートの裾を持ち上げスカートの中を見ると、母はガーター紐付きの黒いスリーインワンを着用していることに気付いた。 そして黒いレースの紐ショーツと吊り紐をグルリと覆うフリル。 信二は初めて見る母、信子の下着に違和感を覚えながらもスッキリした股間を羨ましく思いながら母を抱いてベッドに横にした。
 
「お母さん…」

 信二は信子からブラウスとスカートを脱がせると毛布をかけて母に背を見せて床に体育座りして母が気付くのを待った。 憧れだった母の下着姿を見てしまった信二は何故かわからないがショックを受け意気消沈していた。
 そして母の寝息を後ろに聞きながら母に身体を向けて毛布をゆっくりと剥すと、目の前に熟しきった豊満な、それでいてフクヨカではない形の整ったボディーに目を奪われ、同時に黒いガーターストッキングに包まれた白いムッチリした足に憧れのようなモノを感じた。
 
「本当に… 本当に性処理してもいいの…?」

 信二は眠る母に心の中でそう語り掛けると母を覆う毛布をゆっくりと剥し、虚ろな目をして眠っている母をうつ伏せに両腕を後ろに縛り上げた。 その瞬間、信子は身体の異変に気付いて目を覚ました。

「な! なにこれ! し! 信ちゃん!? 解いて! 解いてえぇ!! 信ちゃん!!」

 下着姿にされ後ろ手に縛られている自分に気付いた信子は底知れぬ恐怖に怯え後ろに居るであろう信二に焦りの声を放った。 その声を聞いた信二は信子を無表情で仰向けにすると信子の両膝に馬乗りになって無表情のまま信子を見詰めた。
 信子は表情を変えない虚ろな目をした信二が正気ではないことを知ると、声を上ずらせ両目を大きく見開いて身の危険を感じた。 

「信二!! 目を覚ましなさい!! 信二!! お母さんがわからないの!! 信二!!」

 縛られたまま上半身を持ち上げて目を虚ろに無表情のまま自分を見入る信二に信子は恐怖に顔を強張らせた。 このままでは何をされるか解らないと思った瞬間、上半身を起こした信子の両肩からスリーインワンの肩紐が外された。 信子の豊満な乳房は信二の目の前にプルプルと揺れながら晒されると、信子は虚ろな目をした無表情の信二の目に恐怖を増大させた。

「信二! お母さんよ! 解る!? ね、答えてちょうだい。 お母さんのことわかる? 信ちゃんはお母さんのオッパイが欲しいの? 信ちゃんは甘えん坊さんだからね…」

 何とか信二を正気に戻そうと語りかける信子は徐々に焦りだし縛られたまま起き上がっている疲労もあって耐えられずに上半身をベッドに倒してしまった。 その瞬間も信子はその豊満な乳房をプルプルと大きく揺らしそれを信二に見せつけてしった。 信二はベッドに仰向けになってプリプリと大きく揺れる乳房を目を血走らせて凝視すると喉をゴクリと鳴らした。
 信子はその喉の音に信二は自分に母親ではなく女を求めているのだと悟った。 その瞬間、信子は四つん這いになって自分の乳房を凝視する信二を前に全身を左右に振って恐怖に顔を引き攣らせ逃げ惑った。 その時だった。 信二は信子の両肩を掴んで動きを止めると静かに虚ろな目をして無表情のまま信子の乳首に吸い付いた。

「信二!! やめ! やめなさああーい! 信二いいぃー! お母さんのことわからないのおおー! 嫌あああー!! 信二!! やめてえぇーー!!」

 両手で豊満な乳房を掴んで乳首を吸う信二に信子は全身を左右に振って大声を放ち抵抗した。 するとその瞬間、信二は信子の乳首からスーッと唇を離しベッドに膝起て状態になった。
 信子は正気に戻ってくれたと安堵の表情を浮かべたのも束の間、信二は傍にあった粘着テープを掴み取ると無表情のまま信子を見て粘着テープを切り取った。 それを見た信子は両目を大きく見開いて再び恐怖に恐れおののいた。

「信二!! 馬鹿なマネはやめなさい!! 貴女の母親なのよ!! 母親に何をする気なの!! やめなさい!! 誰かあぁぁーーー! 誰か助けてええぇぇーーー!!!」

 信子は自分の口元に粘着テープを近づける信二に形相と声を変えた。 だが信二の耳には信子の声は届かずに信子はそのまま口を粘着テープで塞がれた。 その瞬間、再び信子は乳房を両手で掴まれ乳首に信二の舌を感じた。
 乳房を揉まれ乳首を吸われる信子は顔を顰め髪を振り乱して抵抗していたが、その信子とは対照的に信二は落ち着き払っていた。 だが時間の経過とともに信子から険しい表情は消え勃起した二本の乳首から来る快感(しげき)に知らずの内に目を閉じて身悶えして喉の奥にヨガリ声を溜めていた。
 信二は抵抗せずに身悶えして重々しい吐息を放つ信子の乳房の柔らかさに心を蕩けさせ、そして乳房の間に顔を挟んでその弾力にウットリ感を漂わせた信二は、乳首に吸い付きながら舌を絡ませ両手を黒いガーター紐に吊るされたガーターストッキングのへと滑らされた。 そして同時に露出した太もものスベスベ感とシットリ感を手の平で楽しむ信二は初めて口元に笑みを浮かべた、
 だが、瞼を閉じて信二からの愛欲(あじみ)に悶える信子は信二の笑みなのど見えるはずもないままに両足を膝起てさせられた。 信二は勃起してコリコリする乳首を時折甘噛みし信子を仰け反らさせては女の反応に笑みを見せ両手で外モモに手の平を滑らせた。 
 信二は身体の位置を信子の足元に大きく下げると黒いレースの紐ショーツを眼でチラチラ見ながらその甘い香りの漂う信子の内モモに舌を滑らせた。 プリプリして弾力があるムッチリした太ももに抱きつくように舌を滑らせる信二は唾液で表面の汚れを溶かしそれを啜り飲んだ。
 生まれて初めての女の身体のにおいと味は信二を夢中にさせ「このままこの身体に溶け込んでしまいたい」と、心の中を充満させた。 そして黒いガーターストッキングに染込んだ太ももの香りを思いきり吸い込みながら舌を内モモから上モモ、外モモへと滑らせ持ち上げた信子の太ももの裏側、裏モモに舌をベッタリと押し付けて舐め回した。
 口を塞がれたままの信子は不慣れな信二の舌り動きと手の動きに新鮮さを覚え官能を倍増させいつしか相手が信二(むすめ)であることを忘れてもいた。 それは快感に溺れる悲しい女の性(さが)だった。
 数分後、信二はすっかり大人しくなった信子の恥かしい部分を隠す黒いレースの紐ショーツに手をかけた。 その瞬間、信子は閉じていた瞼を開いて突然、身体を激しく揺すってベッドの上で暴れに暴れた。 信二は突然暴れる信子に異変を感じてショーツに覆われる信子の陰部を凝視した。 信二はショーツの下を見られたくないことから暴れているのだと考えて瞬間、暴れる信子を押さえつつショーツの紐を慌てて解くと信子の恥かしい部分を目の前に晒した。
 すると暴れていた信子はピタリとその動きを止め身体から力が抜けたように動かなくなって再び瞼を閉じた。 だが信二は目の前の光景に信じられないモノを見ていた。 

「!?」 
 
 黒い紐ショーツを剥ぎ取った信子の恥かしい部分を見た信二はクリトリスが丸見え状態の割れ目に目を疑った。 信二は話しには聞いたことがあるパイパンを目の前に両目を大きく見開いたまま固まった。 割れ目から透明な愛液が漏れ出し毛穴の無い大陰唇をキラキラと光に反射させていた。
 信二はパイパンを中まで見るべくグッタリする信子の内モモを開き親指で割れ目を左右に開くと、その内側の肉を覆うように愛液が張り付き肌に伝わって滑り落ちながら糸を引く様子に目を血走らせた。 そして割れ目から放たれた凄まじい刺激臭に咽て大きく咳込んだ信二は割れ目の中に張り付く山芋を摩り下ろしたような白いトロロに目を奪われた。 
 そして自分の陰部を見られた信子は首を倒したまま閉じた瞼の下から涙を頬に伝えたが、直ぐに信子は閉じた瞼を無理やり開かされた。 信二は割れ目から放たれる凄まじい臭気と白いトロロに吸い寄せられるように口を縦に開いて舌を根元一杯に出して割れ目の内肉に押し付け思いっきり上下に滑らせた。 
 凄まじい刺激臭と高濃度の塩分に信二の舌は味覚と嗅覚を即効で麻痺させ、舌に絡みついたヌルヌルドロドロした女の汚れを夢中で飲み干した。 信二は両腕で信子の太ももを抱きかかえて割れ目にムシャブリついて離れなかった。 
 そして信子は痛い程に割れ目に吸い付いて舌を押し滑らせる信二に反応して、パイパンを恥らって涙する暇もないほどに身悶えと仰け反りを繰り返し両足の爪先を力任せに閉じたままにした。 
 臭いのに離れられない。 離れようとすればするほど臭い割れ目に吸い寄せられる。 麻痺した味覚と嗅覚を上回る信子の刺激臭は信二に絡みつく蜘蛛の糸のように信二を割れ目に引き寄せて留まらせ、信二は不思議な感覚に襲われたまま口元は信子から溢れた愛液がベットリと付着し見る見る間に照り帯びて行った。
 そして夢中で信子の割れ目を貪る信二は、デニムのミニスカートとパンティーを脱ぎ去ると、信子の口から粘着テープを剥すと同時に体位を信子の逆にして自らの肉棒を信子の口の中に挿入し、自分は信子の割れ目に再びムシャブリ付いた。 信子は不意に口の中に挿入された肉棒を首を振ってムシャブリ、同時に信二は真上から勃起した信子のクリトリスに舌先を滑らせた。 その数分後、信子の口から肉棒を抜き取った信二は汗だくになって重たくなったキャソールを脱ぎ捨てAカップの乳房を露にすると、信子の両足を持ち上げて肉棒を信子の恥穴(あな)に挿入した。

「ヌプリッ! ズブリユウウゥゥゥーーー!!」
「あひいぃー! あああーーん!!」

 信子は硬い肉棒が恥穴(あな)に入った瞬間、両目を大きく見開いてあってはならない事実に激しく動揺するも、奥へ入ってくる肉棒に首を仰け反らせて全身を震わせた。
 信二は夢中でヌルヌルした信子の恥穴(あな)に入れた肉棒を内肉に擦るべく腰を前後に振ってAカップの乳房を大きく揺らした。 そして擦れば擦るほどに快感の増す恥穴(あな)にヨダレを零して目を虚ろにした。 
 
「あああんっ! あん! あんっ! あああーーんっ!」

 信二が腰を振るたびに信子は甲高い声を部屋に響かせ、信二は額から大粒の汗をポタポタと信子の乳房に垂らし続けた。 外側から持ち上げた信子の裏モモのプリプリした柔らかさに手の平を熱くする信二は時折その手を尻側に移動させ掴むように弾力を楽しんだ。
 子供の頃から憧れていた信子を腕の中に抱える信二は口を半開きにしてその達成感に酔いしれていたが、信二の高まる射精感に気が付いた信子は引き抜こうとしない信二に大声を発した。

「だめえええぇぇー! 中に出しちゃだめええぇぇーー!!」
 
 信二の肉棒に感じながらも発した信子の叫びは信二に届かぬまま、信子は体内に信二の射精を受け止めるしかなかった。 信二はドクドクと肉棒から信子の体内に押し出される射精感にウットリし口元を振るわせ震撼する信子には気付かなかった。
 そして射精感が尽きるころ、再び腰を動かし始めた信二の肉棒は直ぐに復活をとげ信子の中で擦れ具合を復元させた。 信子は絶望に浸りながらも否応なく体内で擦れる信二の肉棒に身体をビク付かせ下腹をヒクヒクさせた。
 信子は縛られたまま後ろ向きにさせられ両足を膝起てさせられると恥かしい部分丸見えの状態で肉棒を内側に擦りつけられた。 信二の打ちつける信子の尻肉と裏モモは肉音を発して豊満な信子の身体を大きく震わせ、その震えに虚ろな目をした信二は口元からヨダレを零した。
 その十分後、信二はバックから信子の中に二度目の射精をして尚も腰を振り続け三度、四度と信子に卑猥な声を放たせた。


【七話】



 信二の部屋のベッドの上。 乱れたスリーインワンから乳房を晒した黒いガーターストッキング姿の信子は後ろ手に縛られたままその身を横にして、信二(むすめ)に肉棒で犯された衝撃に放心状態に陥っていた。
 そんな信子の黒いストッキングに包まれたフクラハギに頬ずりして両手を滑らせる信二は、信子のストッキングから放たれる甘い香りにウットリし伸ばした手で信子の尻肉の柔らかさを手の平の中に感じた。
 放心状態に陥った信子は微動だにせず溜ったモノを出しきった信二は遠慮することなく、信子(おんな)の身体の弾力と柔らかさと甘い香りに絡み付いていた。 
 そして信子の足から黒いガーターストッキングを剥し取った信二は、その二足を両手の中に丸めると顔を埋めてその甘ずっぱい香りにウットリし身体をフワフワと揺らした。
 数分間、信子から剥した黒いストッキングの匂いにウットリし続けた信二はストッキングをそっとペッドに置くと、目の前にスラリと伸びたムッチリした信子の左足に両手で抱きついて舌を滑らせ味わうように唇を無造作に回した。
 放心状態に陥っている信子は左足の全体を舐める信二の舌に無表情のまま時間を経過させ、信二は舐め尽くした舌を右足に信子の体位を仰向けに変えた。 ゴロンと揺れて直も無表情の信子は右太ももに舌を滑らせる信二の執拗な愛撫(あじみ)に両目から涙を頬に伝え吐息を振るわせた。
 実の母親が実の娘に犯されて直も味見され続ける。 終ることの無い辱めに「自分は何をしてきたんだろう」と、溢れる涙を止められぬまま持ち上げられた右足の裏モモに信二のムシャブリつく舌と唇を感じた。 信子は壮絶な脱力感に襲われ逃げることを禁じられたことに気付く。
 母として女として物心のついた娘には絶対に見られたくなかった無毛症(パイパン)も主である金蔵だけが知る信子の秘密だった。 信二(むすめ)は男としての童貞を自分に捧げた今、女を辱め味わう喜びを知ってしまった。 このまま信二(むすめ)は男に戻ってしまうのではないか。
 信二(むすめ)に女としての人生をキレイな身体のまま送らせたかったと言う信子の信念は打ち砕かれてしまった。 しかも母であるこの身体が信二の童貞を受け入れてしまったと言う絶望感の中、信二は夢中で信子の身体を味わい続けた。

 密かに女の子が欲しかった信子。 一人生むだけで精一杯の身体は二人目は諦めろと医師に言われ泣く泣く諦めるも、生まれてきた信二は女の子のように可愛らしくその可愛らしい信二に心を癒される信子は、信二が性同一性障害だと診断された時、密かに嬉し泣きしてそれを神様からの贈り物だと信じて疑わなかった。
 その信二に縛られて犯された信子の心は天国から地獄へ突き落とされた。 このままでは信二は男に戻ってしまうかも知れない。 信子は信二に女の喜びを教えなければならないと思いつつ、顔の上でマスターベーションされていることに気付かぬまま僅かな精液を顔に射精されてハッと我に帰った。
 信二は信子の顔に射精し終えると跪いたまま信子に視線を重ねて「お母さん可愛かったよ…」と、小声を聞かせた瞬間、信子は口元に放たれた信二の精液を舌で舐め取って飲み干した。 信二は信子を縛る両腕を自由にするとそのまま替えの下着を持って一階の風呂場へと移動した。

『お母さん可愛かったよか…』

 信子は悪ぶらずに素直に言葉をかけた信二を追いかけるように風呂場へ移動すると、全裸の信二と一緒にシャワーを楽しみつつ間に合わないと思いながらもぬるま湯で膣の洗浄を試みた。
 足をガニ股にする膣洗浄の姿に信二は目を丸くしたが信子は真剣そのものだった。

「お母さん… ごめんなさい… こんなモノさえなければ…」

 真剣に膣洗浄する信子に信二は涙目で謝り眼下に見えるブラブラするペニスを右手で握り締めた。 信子は膣の洗浄をしおえると、握り締めて紫色に変色した信二のペニスを見てその手を慌てて払った。
 
「そんなことしちゃ駄目よ! それは後々必要なモノだから大切しなさい。 それよりもしかしたら信ちゃんはレズなのかも知れないわね…」

 信子は湯船に腰を下ろした信二の隣りに座ると左腕で信二を抱き寄せた。 そして信二は自分をレズと言う母に視線を重ねると小さく頷いて信子の豊満な乳房の間に顔を埋めて甘えた。
 乳房の間に顔を埋めて甘える信二をレズだと思わせることを急に思いついた信子は、信二の髪を優しく撫でると母にしたことを後悔して涙する信二に責任はないと庇った。
 
 その夜

 普段より早めに仕事を終えたと言う金蔵は帰宅と同時に玄関で靴を脱ぎながら二階に視線を向けた。 その様子に表情を曇らせる信子は何かあるのではと不安に駆られた。
 だが、金蔵はカバンを信子に渡すと家にそのまま上がり背広を脱いでネクタイを外しながらソファーに腰を下ろした。 そして信二を呼ぶように信子に伝えるとワイシャツを脱いでウチワで自分を扇いだ。

信二:おかえりなさい……
 父親の金蔵に目を合わせないように金蔵の斜め前に立つ上下スウェット姿の信二。
金蔵:うわぁ~ なんだその暑苦しい服装は~♪ こんな暑い日くらいは半ズボンでも何でもいいんだぞ。 ワシも鬼じゃないんだ。 男も女も暑いのは同じなんだからもっと涼しい服装にしなさい。
 信二の暑苦しいスウェット姿を見た金蔵は驚いたような表情と笑いを見せ、信二と傍にいた信子の二人を俄かに怖がらせた。
信二:あの… 話しって…
 俯いて顔を上げない信二はボソボソと声を出した。
金蔵:いや。 話しと言うほどのことでもないが。 最近、ずっとお前の顔を見てないからな。 まあ、それだけだ。
 話しながら立ち上がった金蔵は手を伸ばすと信二の頭を数回撫でるとそのまま風呂場へと移動した。
信二:お母さん! ぶたれると思った……
 怯えた信二は唖然とする信子に抱きついた。

 その夜、食卓でビールを飲みながら静かに夕飯を摂る信二をチラチラ見る金蔵は、男物のハーフパンツと半袖シャツを纏う信二が夕飯を済ませて部屋に戻るのを待っていたかのように信子に話しかけた。

金蔵:明日から信二には女の子の服装をさせなさい。 男なんだか女なんだか解らん服装や振る舞いをされるなら、女なら女でいいから徹底させなさい。
 信子は耳を疑う金蔵の言葉に目を丸くした。
金蔵:胸まで付いた以上、男の服装をさせておくのは不自然だし近所に見られても不審がられるだろ。 近所では信二(アイツ)を女だと思ってる家もあるんだろうし。
 好物のエビフライを半分口に入れた金蔵。
信子:お父さん!?
 金蔵の言葉に驚く信子は箸を持ったまま固まった。
金蔵:おいおい♪ 何も驚くことは無いだろう♪ ワシは正論を言ったまでだ。 信二(アイツ)を女だと認めるのではない。 世間体を言っているだけだ。 
 コップに入った残りのビールを一気に飲み干した金蔵は信子にビールを注がせるとテーブルに置いた。
信子:本当にいいの? お父さん? 
 信じられないとばかりに念を押す信子。
金蔵:季節が季節だからなそれだけだ。 まあ、スカートでも何でも好きにさせなさい勿論ワシの前でも一向に構わんからな。 見るからに男がスカートを履くならともかく信二(アレ)なら問題ない。
 タバコに火を点けた金蔵は美味そうに吸い込むと僅かながら笑みさえ浮かべていた。

 信子は突然の金蔵の提案を喜びつつも「何かあるのではないか」と、素直にそれを喜べないまま、二階の信二の部屋を訪ね、信じられない金蔵からの話しを伝え再び一階の食卓に戻った。
 金蔵は一人でビールを飲んで二階から戻った信子をチラリと見ると、傍を通って席に付こうとした信子を左手で後ろから抱きとめスカートの中に右手を忍ばせた。 
 そしてガーターストッキングに包まれた左太ももに手を滑らせると、そのまま椅子から降りてスカートを正面で巻くり上げ信子のパンティーの上から下腹部に顔を埋めて中の匂いを嗅いだ。
 両手を信子の尻に滑らせながら匂いを嗅ぐ金蔵は顔を上げて信子を見上げると「何だ… 風呂に入った後か…」と、残念そうに信子から離れ再び着席し「今夜抱くからな」と、言い残して食卓を離れリビングへ移動しソファーに腰を下ろした。
 信子は大きな溜息をして後片付けを始めると、尻に残った金蔵の触手の感触と信二の触手の感触が重なる嫌悪感に襲われながら蛇口から出た水で両手を冷やした。
 
 この夜、信二は信じられないことを信子から伝えられ動揺しつつ、一階の寝室では黒いミニスリップにガーターベルト姿の信子は黒いストッキングに包まれた足に金蔵の視線を感じつつ金蔵の待つベッドへと向かった。
 
信子:今日は暑かったからアナタが帰宅する前に汗を流したの… ごめんなさい…
 白いランニングシャツに白いステテコ姿の金蔵の傍へ入った信子は縛っていた髪を自由にして仰向けで目を閉じた。

 金蔵は両腕を身体に這わせる左側の信子を見ると喉をゴクリと鳴らして信子の右腕を持ち上げ脇の下の匂いを嗅ぐべく鼻先を近づけた。 酸味の利いた女の匂いに金蔵は鼻息を荒くして舌を出すとそのまま信子の脇の下に滑らせた。
 そして信子は閉じた瞼を小刻みに震わせ部屋の外に喘ぎ声が漏れぬよう喉の奥に重々しい声を溜め込んで耐えたながら左腕を伸ばして灯りを落とした。 金蔵は持ち上げた信子の右腕の脇の下の匂いと味を楽しみつつ月明かりに照らされた信子の表情を目で楽しみつつ黒いスキャンテイーの上から信子の部分を指で擦り始めた。
 スキャンティーの上から陰部を擦られる信子はその快感に、自ら黒いガーターストッキングに包まれた両足を少しずつ開き始めた。 金蔵はそんな信子の両肩からミニスリップの肩紐を片手で外し豊満な乳房を月明かりに晒すと、スキャンティーを擦りながら乳首に貪りついた。
 金蔵の女の扱いは童貞の信二とは比べ物にならないほどスムーズで舌と指の使い方は雲泥の差があって、信子は既にスキャンティーの内側をグショグショに濡らしていたが、新鮮味の欠ける金蔵の熟練テクニックに信子は物足りなさを感じてもいたが今夜は何をされるのだろうと言う恐怖にも似たモノも同時に感じていた。

「はぁはぁはぁはぁ… ワシより先に汗を流してワシの楽しみを奪うとはお前には仕置きが必要だな… はぁはぁはぁ…」

 乳房を全て晒された信子は頭の上で両手を荒縄で縛られると、木目ヘッドの裏側に密かに取り付けられた金具に結び付けられた信子の両足を二本揃えて伸ばした金蔵は、ベッドの下から取り出した針金で黒いガーターストッキングの上から片側四箇所もきつく縛られた。
 
「んあっ! あんっ! 痛い!」

 細くて硬い針金は信子のムッチリとした両足の肉に食い込んで月明かりに怪しい照り返しを放っていたが、金蔵はその両足を左右に抱えるようにして持ち上げて膝を曲げさせた。 その瞬間、凄まじい激痛が信子の脳裏をつんざいた。

「痛ったああああーーーーい!! 痛い! 痛い! 痛いーーー!!」

 伸ばした状態で針金で縛られた両足を曲げられた信子は全身を左右に大きく揺さぶって穂編まんな乳房をブルンブルンと揺らした。 そしてそれを見た金蔵は慌てて灯り小玉に切り替えると薄暗い小玉の下で顔を僻めて痛みにモガク信子にエロチシズムを増大させた。
 そんな信子の両足を元に戻しつつ金蔵は、信子の口を手拭いで塞いで縛ると再び両膝を曲げさせて信子の苦痛にゆがむ顔にペニスを肉棒化させた。 信子の針金に縛られた太ももにストッキングの上から舌を滑らせる金蔵は怪しい笑みを浮かべて密かに心を歓喜した。
 信子には苦痛以外の何物でもない拷問だったが信子は気付かないうちにスキャンティーの表面にオビタダシイ量の愛液を滲ませていた。 金蔵は首を振って痛みを訴える信子の両太もも持ち上げるとその真ん中で盛り上がっている割れ目にスキャンティーの上から舌を滑らせ、滲み出た愛液を舐め摂って飲み干した。
 
「どうだぁ~ 気持ちいいだろう~♪ こんなにヌルヌルしたモノを滲ませおってぇ♪」

 目を涙で潤ませる信子を恥辱する金蔵はニヤニヤしながらベッドに両膝を軽く立たせると、信子の下半身を包む紐スキャンティーを外しその内側を信子に開いて見せた。 信子はベットリと貼り付いた愛液に目を閉じて顔を強張らせた。
 すると金蔵は信子の口を塞ぐ手拭いを解きニンマリした後、信子から剥ぎ取ったスキャンティーの内側を信子の顔に被せて縛り付けた。

「オエェ! ウゲエェ! 臭い! オエェッ! やめて! 外してアナタ! 臭い! お願い! オエェッ! 外してえぇ!」

 顔を左右に振って愛液に塗れたスキャンティーを外そうとする信子を見て、金蔵は信子に「どっちを外せばいいんだ? こっちか? それともこっちか?」と、両足を再び曲げて信子に苦痛を与えそして顔に被せたスキャンティーをチョコンと口元に押し付けた。
 信子は両足からの壮絶な苦痛と同時に生臭い自分のスキャンティーの匂いに嘔吐を連発させ大きく咳込んだ。 金蔵は余りに激しく咳込む信子からスキャンティーを外し口元に付いた愛液をタオルで拭き取ると、信子の目を見て両足を再び曲げて針金を太ももに食い込ませた。
 そして無毛の割れ目を真ん中に凝視すると割れ目から溢れた愛液がキラキラと照明の小玉に反射する光を見て声を出さずに歓喜し、割れ目に鼻先を寄せて匂いを思い切り吸い込んだ。 咽るような女の熟した匂いに金蔵はもう我慢出来ないと肉棒を挿入するべく信子の太ももに食い込む針金を外そうとした。

「お願い… もう少しそのままにしてぇ…… お願いアナタ……」

 切なげな小声を金蔵に発した信子は恥かしそうに首を回すと瞼を閉じ、金蔵は素っ裸になって肉棒を聳えさせると、そのまま信子の顔に跨って肉棒を口に挿入した。
 信子は口の奥まで挿入された肉棒に息を辛くして直も舌を亀頭に滑らせつつ首を前後に振った。 金蔵は亀頭に滑る信子の慣れたフェラチオに唸り声を連発させつつ頭の上で縛る信子の両手の荒縄を外した。 信子は金蔵の肉棒をシャブリつつ自ら両足を曲げて針金を太ももに食い込ませその刺激的な痛みに割れ目に愛液を溢れさせた。
 そしてヌルヌルした愛液をベッドシーツに滑り落としながら、信子は満足行くまで針金からの快感的痛みを身に染込ませたが、フェラチオされる金蔵はもう我慢の限界と信子の口から肉棒を引き抜くと慌ててコンドームを傍の引き出しに求めた。

「お願い… 今夜は… アナタを生身で感じたい… そのまま入ってきてぇ…」

 甘えるように切なげな小声を発した信子に金蔵は、返事する間もないほどに慌しく首を振ると針金で縛ったままの太ももを左右に抱いて肉棒を信子の中に勢いよく挿入した。
 信子は無造作に奥まで一気に入った肉棒に首を仰け反らせた。 そして金蔵の動きに振動して太ももに食い込んだ針金からの快感にうめき声を金蔵に聞かせた。 そして金蔵は黒いストッキングの上から信子の太ももに両手を滑らせて女の感触を自らの手の平に吸い取らせた。
 金蔵の腰が前後する度に信子の両足の爪先は上下にユラユラと揺れ太ももに食い込んだ針金はビシビシと信子に心地よい痛みを伝えた。 金蔵と結婚して以来、調教され続けた信子は身体に受ける痛みを快楽に繋げられる女になっていた。
 
「お願い! 中に! アナタの熱いモノを中に出して! お願い!」

 金蔵の息遣いに射精感を感じた信子は金蔵の背中に両手を這わせると身悶えして哀願するかのように声を慌てさせ、その声に興奮の絶頂に達した金蔵は肉棒を奥へと押し込むと何年かぶりに信子の中に射精をした。 コンドームとは一味違う生肉棒の射精に金蔵は心まで信子に吸い取られた心地よさに酔いしれた。
 だが、それは金蔵よりも先に信子の中に射精した我が娘である信二への万が一の保険のようなモノだったことに金蔵は気付くはずもなかった。 信二と同じ血液型の金蔵なればこその苦肉の策だったが、金蔵は数年ぶりに生の感触を味わったことは間違いなかった。
 



【八話】



 数日前。

 金蔵は一日単位の出張に来ていた現地のホテルの部屋で酒を飲みながらテレビのスイッチを切った。 そして何処にでもあるインターネット無料使いたい放題のサービスを利用してみた。
 元々、漫画などは見ない金蔵は三紙ある新聞に目を通した後、テレビを点けたものの時間的にお笑い番組しかなかったことで、ネットで時間を潰そうと備え付けのパソコンを起動させた。
 だが、普段からネットなど仕事以外に滅多にやらない金蔵は何をやればいいかわからないままにヤフーを閲覧し政治関連か経済関連の話題を探すべくマウスのドラムを回した。
 そしてその時、金蔵の視線を止めたのは「性同一性障害の結婚」と、言う外国の社会記事だった。 金蔵は思わずその記事を開いて内容を読んで見た。 
 だが、記事以外に特別変わったモノもなく、金蔵は面倒くさそうに関連記事と言う項目を開いて見た。 するとそこには「性同一性障害者とは」と、言う項目があって、金蔵は思わずそれを開いた。
 金蔵は信子に散々聞かされた信二の病気のことがクドクドと書かれた事例のようなモノを数行読んだが、直ぐに気分を害したような表情を見せその酒を一口喉に流し込んだ。
 そして記事を飛ばしてドラムを回すと下段の辺りに、再び関連項目があって「性同一性障害と錯覚する変身願望者」と、言う項目を見つけ慌ててソレを開いた。

 そこには変身願望や女装趣味、下着フェチと言う項目がズラリ並んでいて、自分は性同一性障害だと思い込んでしまうケースを紹介する実例と言う項目も並んでいた。
 金蔵は「もしや!」と、その項目の一つを開いて別サイトへと瞬時に飛んだ。 そこには最初に見たクドクドした説明文が数行記述されていた他に、実例と題された記事が書かれていた。 
 金蔵は酒を飲むのも忘れ視線をモニター内の記事に釘付けにした。 幼少の頃より可愛いからと女の子の拭くを着せられて育った男の実録をナンページも読み、読めば読むほどに息子の信二と重ねていた。
 そして、変身願望、女装願望が知らずのうちに養われるケースや単に女装したくて世間に対して自分は性障害者だと嘘ぶく男の「言い訳」も、同時に記述されていた。
 金蔵は最初の項目別の記事に戻ると項目別に記事を開いて一つ一つ、関係の有無を無視して読み漁った。 金蔵は性同一性障害だと自負する人達の半分以上が女性との性交渉を持っていると言う事実に着目した。
 同時にその九割以上が女装して何らかのマスターベーションを繰り返し且つ、マスターベーションでは自分が男も女も演じる一人二役を経験と言う記事にも着目した。 
 記事によれば性同一性障害と名乗る人の99%が妄想病患者だと言い、自らの性処理の変形したモノであるとも記述されていたことに金蔵は目を輝かせた。 
 女性にモテないと言う心理が自らも気付かないうちに努力するという男の本能を打ち消し、楽な方へ楽な方へと導かれていく。 故に女装していれば満足しているという女装子(マニア)が殆どであると言う記事。
 中には女性ホルモン剤を個人輸入して乳房を大きくし身体に丸みを持たせ同時に性欲を減少させ俳人に陥るケースも。 全ては「思い込み」が、原因と唱える医師や学者も少なくなく、取り敢えず病人にすることで決着を見いだす政府や機関も多いと言う記事。
 染色体の異変や卵巣を持ったままの男性化現象の記事。 二なりと言う現象の記事。 性転換手術をしても醜いままで一生を終える苦痛の記事。 性転換しても男の細胞で男の肉で男の匂いのする男の味のと言う壮絶な記事。 
 金意気持ちで読んでいた金蔵は深夜の二時過ぎまで性に関する記事に熱中した。 下着フェチやパンストフェチが講じて女装し周囲に自分を肯定させるために性障害者だと吹いて回るやからの記事。
 散々女と性交渉を持ち子供まで作っておいて「私は女よ~ん♪ うふふふふ~♪」と、化け物のような顔を掲載している記事と、金蔵は訳の解らないこの変質者の妄想記事に困惑しつつ、真実を見極めようとしていた。
 そして最後に自分が性障害者だと幼少期から成人して直もモガキ苦しんだ男性の思い込み障害者のブログを見た金蔵は「これだ!!」と、ガッツポーズをして笑みを浮かべた。

「そうか! もし思い込み障害者なら! 変質者は別としてもこの方法で試せるのか!!」

 金蔵は思い込み性障害者から見事な生還を果たし愛する妻と二人の子の父親として生きる物語的なブログのURLをスマホに移すと、信二を治せるかも知れないと歓喜してこの日を終えた。
 そんな金蔵は密かにスマホを見て、この男性が信二と瓜二つの人生を送ったことに激しく共感し、逆に金蔵は自分の対応が全て誤りであることを素直に認めた。

「止めれば止めるほど、否定すれば否定するほど悪化する思い込み障害者か…」

 金蔵は仕事帰りの電車の中でブログに食い入るように読みふけり、会社に戻れば戻ったで続きが読みたくて苦しいほどだった。 そして遂にブログを書いている人にコメントを入れて見た。
 するとそのコメントに応じるようにブロガーから回答コメントが掲載され、金蔵は年甲斐もなくそのコメントの内容に目を見張った。

「コメントありがとうございます。 女性でもスカートを嫌う人やショーヘアが好きな人、多いですよね。 でも、自称性障害者と名乗る人は不思議と全員が必要もないブラジャーを自宅でも付けロングヘアーにしてスカートとストッキングを履きます。 女性ならストッキングは必要に応じてですよね。 まして四十過ぎてセーラー服を着るなんて論外。 この人達は僕が思うに100%の確率でただの変質者です。 Hさんのご子息が本当に女性なら自分のペニスに凄まじい嫌悪感を持っているはずですから、女装してマスターベーションと言うのは僕は信じられません♪ ただ、現実には溜るモノですから排出しなければならないと言う現実もありますから一概には決め付けられません。 僕からのアトバイスとして、①女装を認めて否定しないで下さい ②女装したままのご子息を女の子として認識して下さい ③暖かく見守ってあげて下さい… 取り敢えずは現状はこんなものかな~ また何かあったらコメント下さいね」

 金蔵は見知らぬブロガーからの返信にある種の感動を覚え、信二を助けられるかも知れないと俄かに自信を持ち始めた。 そんな金蔵が帰宅と同時に信子に信二の女装を認めた展開だった。
 
 翌日、久々に信子のセックスで溜っていたモノを中に出すと言う形で心を満たした金蔵はいつになく笑顔での出勤を果たし、信子もまた両太ももに針金の痛みを残しながらも金蔵からの調教に満足しつつ後片付けに専念していた。
 その頃、二階の部屋では白いフレアパンティーに同色のキャミソール姿の信二は、前日の父である金蔵の提案を半信半疑にも関わらず安堵した朝をベッドの上で迎えていた。 

信二:お母さんおはよー♪
 下着姿のままで一階へ降りた信二はそのまま台所を右に見てシャンプードレッサーへと移動した。
信子:信二ー! 何です! 下着のままで!
 チラリと信二を見た信子は溜息をしつつ信二の朝食を用意し始めた。
信子:ホラホラ、急いで♪ 今日はクラスの裕美(ゆみ)ちゃんが来るんでしょ♪ 
 ドレッサーの前に立って歯を磨く信二に後ろから声をかけた。
信二:うぎゃあ! そうひゃった! わしゅれてたぁー!
 信二は慌てた。

 今の今まで忘れていた同級生の桂木裕美の訪問に信二は時計をみながら慌てて朝食をかきこむと下着姿のままに会へ駆け上がった。
 信二の理解者である桂木裕美(ゆみ)は同い年の女の子。 信二は性転換したら絶対に裕美のような女の子になるのだと密かに決めるほど信二は気に入っていた。
 黒髪が綺麗なロングの裕美の将来の夢はモデルになって世界中を飛び回ること。 美人で長身でありながら全体的にまとまりのある身体をした裕美は学校でもトップクラスの美貌の持ち主だった。
 そして何でも気軽に話せる女友達の裕美は信二には姉のような存在であって、裕美もまた信二の期待にこたえてもいた。 そしてそんな裕美が家に訪ねてくるのは今回で四度目と、母の信子も知っている信二の友達だった。
 だがそんな姉的な存在でもある裕美が今回、信二の家を訪ねたのには一つの約束を果たすためだったが、一階の玄関で信子に挨拶した裕美は信二に連れられて二階の部屋へと移動した。


信二:裕美。 約束、覚えていてくれたんだね。 ありがとう♪
裕美:まあね。 他ならない信ちゃんの頼みだしね。 
信二:ごめんよ裕美… 
裕美:いいってことよ♪ そのかわり信ちゃんも約束守ってよ♪
信二:うん♪

 この日、母の信子は隣り街にある友人の家に遊びに行くことが決まっていて、それを事前に知っていた信二はこの日に裕美を自宅に呼んでいた。
 
信子:じゃあ、お母さんちょっと出かけて来るけどお昼は何か取って食べなさい。 裕美ちゃんゆっくりしていって頂戴ね~♪
 白いスーツスカートを身に纏った信子は裕美に視線を合わせると一階へと急いだ。

 そして信二と裕美は外へ出ると玄関先で待たせておいたタクシーに信子が乗ったのを見届けて二人で信子を見送って手を振った。
 信二と裕美は胸の奥の鼓動が大きくなるのを感じていた。


【九話】


「でも、驚いた~♪ 信ちゃんの胸…… でも何か嬉しいな♪ 少しずつ信ちゃんが私に近づいて来るから♪」

 窓から外を眺めていた裕美は白いプリーツスカートの裾をひるがえしながら後ろにいる信二の方を振り返る。 そしてベッドに背中を持たれて体育座りして両膝を腕に抱く信二に笑みを浮かべた。
 両膝を覆う黒系のニーソックスは裕美が以前使っていたモノと同じであることに裕美は気付きつつ、知らぬフリして信二を左下に見てベッドに腰掛け、自分を見上げる信二に視線を重ねた。
 
「そう言えば秀人くんとはその後どう?」

 ベッドから信二の横に降りて体育座りする裕美は両手でスカートを直しつつ秀人の名前にハッとした表情を一瞬見せた信二から視線を外した。 
 信二は秀人に愛欲(あじみ)された事実を告げ同時に自分を放り出して逃げて行ったことを俯いて小声で伝えた。 裕美はその事実に驚きの表情を一瞬見せたがそれを飲み込むように黙り込んでしまった。
 そして黙り込んだ裕美に信二は秀人とは身体だけが目当ての男だったことを話し既に終ったことを伝えた。 秀人の話題で暗い雰囲気になったことで、裕美は盛り返そうと口を開いた。

裕美:ねえ。 そろそろ約束を守らせて欲しいんだけどいいかな~♪ なんか凄く恥かしいんだけどね。 ホントは♪ でも… いつでもいいからね… うん。 いつでも……
 プリーツスカートの中にきちんと並べられた両足を開いてM字風に開脚した裕美は恥かしげに俯いた。
信二:もういいよ… 馬鹿なお願いしちゃったって今は思って後悔してる… アソコが見たいなんて… 馬鹿なアタシに付き合わせちゃって… ごめん。
 両足をM字にした裕美の顔を見ずに俯いて声を力無げに窄めた。
裕美:馬鹿なお願いじゃないよ… だれだって… うううん。 信ちゃんは男の目じゃなく女性だから… 女性故に見たいんだって私も思うし。 だから気にしないで見たいだけ隅々まで見ていいから… 将来、信ちゃんも同じになるんだからね。
 左側で暗く落ち込んでいる信二を元気付けようと言葉を選んで励ます裕美。
信二:うん… ありがとう裕美… 後でアタシのも見せるから。 じゃあベッドの上に…… 
 右側にいる裕美をチラっと見てから立ち上がる信二は裕美の左手を握ってベッドの上に裕美を乗せ、壁に背中を凭れさせた。
 
 裕美は深刻とも真剣とも取れる表情をしベッドの上に乗ると壁に背中を凭れさせ両足をM字に開いて目を閉じた。

信二:じゃあ、見るからね。 下着を取って欲しい時にはもう一度聞くけどその時、嫌ならそれでいいから。 無理強いはしないから。
 信二は壁に背を凭れさせプリーツスカートの中でM字開脚した裕美の真ん前にうつ伏せ状態で寝そべった。

 白い薄生地のスカートの中、白いプリプリした内モモと裏モモに挟まれるように純白のパンティーが内側から盛り上がって真ん中に縦筋を薄っすらと見せていた。 裕美はスカートの真ん前にいる信二を閉じた瞼の外側に気配を感じ「見られている」ことに顔を赤面させた。
 自分と同世代の女の子の全てを見ておきたいという信二の願いを叶えるべく無二の親友であり姉的な裕美の最大限の友情の証だった。 信二は目の前の裕美の純白パンティーに包まれた恥かしい部分に数センチまで顔を近づけ仄かに香る甘い香りに目を閉じて柔らかく鼻先で吸い込んだ。
 裕美は匂いを嗅がれる微かな空気の移動を感じて無意識に両足を数ミリ閉じたが、信二は呼吸をしているだけと自分に言い聞かせて恥辱に耐えた。 そして裕美のスカートの中に顔をいれた信二はスカートから顔を出すと小さく囁いた。

信二:裕美… いい? 
 信二は裕美の顔を見ずに囁くと、裕美はドキッとした表情を一瞬見せた。
裕美:信ちゃんも目を閉じて…… 私がいいって言ったら開いて……
 目を閉じたまま純白パンティーを脱いで左横に内側が見えないように畳んで置いた裕美は両足を閉じたまま今にも泣き出しそうな息遣いをした。
信二:もう… もう十分だよ。 裕美… やっぱりよそう。 
 目を閉じたまま裕美から顔を背けた信二。
裕美:駄目よ… ちゃんと信ちゃんだって同じ形になるんだからちゃんと見て! 私… 私、信ちゃんが好き! だから信ちゃんに生まれたままの姿を最初に見て欲しいの……
 突然、目を開いた裕美は左に顔を背ける信二の右肩を掴んで揺すった。
信二:裕美… アタシも裕美が好き。 だから裕美にお願いしたんだもん… じゃあ、見るからね… ありがとう裕美……
 震えながら深呼吸して裕美に視線を重ねた信二は、再び瞼を閉じた裕美のスカートの中に瞼を閉じて顔を入れながらうつ伏せになった。

「こ! これが裕美の!!」

 何とも言えない甘い香りと塩分が混ざったような匂いに瞼を開いた信二は、左右から盛り上がった大陰唇と真ん中に走るパックリと割れた縦筋を目の前に数センチの距離であることに震撼した。
 そして鼻で息する度に恥丘にある陰毛が風圧にサラサラと靡くのを見て視線を少し下に下げた。 裕美は陰毛と割れ目に当たる信二の鼻からの吐息に小さなビク付きを内モモに伝わらせ、信二は裕美のプリプリした内モモの揺れに目を釘付けにした。
 
「なんて綺麗なんだ…… それにいい匂いだぁ……」

 信二は心の中で感動の声を発すると、思わず両手の親指を大陰唇に触れ左右に開こうとした。 その瞬間、裕美はドキッとして全身をビクンとさせると小声を発した。

「キャァ!」

 裕美の小さな悲鳴とビク付きに信二は驚いて両手を引っ込めると、裕美は全身を強張らせながらも再び小声を発した。

「ご… ごめん! 続けて… いいから…」

 スカートの中で裕美同様に全身を強張らせる信二はその声に、息を飲んで再び両手の親指で裕美の大陰唇を左右にゆっくりと開いた。

「クチュッ…」

 湿り気を帯びていた裕美の割れ目は信二に開かれる瞬間、恥かしい女の半濁音をスカートの中に充満させ、裕美は静まり返ったベッドの上、肌に伝わったその音に顔を真っ赤に両手で顔を覆い隠した。
 そして開かれた割れ目の中に部屋の温度が入ると同時に信二の鼻息が吹き付けられ、信二に全てを見られていることに羞恥心を限界まで一気に上昇させ、それを更に臨海にまで達せさせた。
 裕美は信二の鼻息が内側に吹き付けられる度に開いた両足の爪先をギュッと閉じさせ、恥かしい部分を見られながらも匂いをも嗅がれていることに両手で覆った瞼の下の目を涙で潤ませた。
 そして信二の親指が大陰唇から小陰唇に滑るように切り替えられた瞬間、裕美は涙声を上げ「もう! もういいでしょ… もうやめてぇ!」と、涙声で信二に訴えたその時、信二は黙ってスカートの中から頭を出したが裕美が両足を閉じようとした瞬間、突然信二は変貌した。

「キヤアァァー! な! 何!! 信ちゃん! やめてえぇ!!」

 裕美の両足首を掴んで手前に引いた信二は裕美の身体をベッドに仰向けにさせ、両足を開かせて裕美の恥かしい割れ目に舌を押し付けて舐め回した。 その信二の行いに仰天した裕美は人格を変貌させ荒々しく割れ目の中を舐める信二に叫び声を上げて抵抗し両手で信二の後頭部を手当たり次第に平手打ちした。
 すると信二は自らが履いていたニーソックスを片手で脱ぎ裕美をベッドにうつ伏せに両手を後ろに縛り上げ、もう片方のニーソックスを脱いで裕美の口を縛り上げた。 裕美は何が何だか解らぬまま恐怖に顔を引き攣らせ目を血走らせ変貌した信二を相手に全身を振って激しく抵抗した。
 だが、激しく抵抗する裕美はそのまま仰向けにさせられると、再び両足を力任せに開かされ恥かしい割れ目の中に舌を押し付けられ舐めまわされた。 だが開かされた両足を必死にバタつかせ抵抗する裕美だったが次第にそのバタつく足の動きは鈍って行った。
 生まれて初めて他人に見せた恥かしい割れ目とその中身を生まれて初めて舐められた裕美は、嫌いではない信二の変貌への驚きが徐々に薄れると同時に割れ目の内側を滑る信二の舌に両足から力をいつしか抜いてグッタリと目を閉じてた。
 信二の舌は痛いほどに左右に開かれた大陰唇のその内側の小陰唇の中を、無造作に味と匂いが無くなるまでまるで飢えた獣のように半濁音を立て続けた。 そしてこの頃になると裕美は現実(しんじ)を受け入れたかのように身を信二に任せ、恥かしいヨガリ声を部屋の隅々に充満させた。
 そんな裕美の内モモに舌を滑らせ舐めまわす信二に裕美は身悶えをして喘ぎ声を惜しむことなく奏で始めると、信二は内モモから裏モモそして尻から尻の穴にまでその舌先を押し付け味わったが、信二は自分が何をしているの解らぬほど目を虚ろにさせた。 それは実の母である信子を犯した時と全く同じ状態だった。
 そして信二は獣のように裕美を半裸にすると女子高生らしいフンワリした乳房に貪りついてピンク色の乳首に吸い付きながら揉み回して感触を手の平に焼き付けた。 そしてそれから数分後のこと下半身を晒した信二の肉棒は処女である裕美の体内の奥まで突き進み裕美は処女を喪失した。
 そんな信二は我を取り戻すまで数回もの射精を裕美の中に果たしその直後、気絶して裕美への恥辱とレイプを終え裕美は両手と口を縛られたまま信二が気が付くまで涙が枯れるまでシーツを濡らし続けた。 だが、その涙の半分以上は好きな信二に処女を奪われた嬉しさのものだった。
 裕美は性同一性障害の信二ではなく、獣のような男の信二に処女を奪われたことにある種の幸福を感じもいた。 だが、裕美の幸福感も信二が目を覚ますまでだった。
 気を取り戻した信二は口と両手を縛られグッタリして白いシーツを処女の鮮血で染めている裕美を見て眼下に見える鮮血の付いたブラブラするペニスに震撼した。

「うわあああああああーー! アタシ! アタシ何したの!! 裕美ーー!!」

 両手で頭を覆い狂乱した信二は慌てて裕美の両手と口からニーソックスを解き捨てると、ベッドの上に横になってグッタリす裕美の前に四つん這いになった。
 その瞬間、思い詰めた表情をして上半身を起こした裕美は「バッシイイィィーーーーン!!」と、力任せに信二の横っ面を引っ叩いた。 信二はその弾みでベッドから転げ落ち床に這いつくばって頭と顔を覆いながら絶叫して号泣し始めた。
 裕美はそんな信二を見てさっきまでの幸福感の殆どを失いベッドシーツを丸めると割れ目の鮮血を拭き取って床で号泣する信二に投げつけた。 そして悔しそうに涙ぐむとパンティーを履いてバタバタと床を蹴り付けてその場から立ち去った。
 気が付いたらギュッと自分を抱きしめてもらえると思っていた裕美にはあの修羅場は耐え難い一番の苦痛だった。


【十話】



「あんた。 女なんかじゃない! アンタはただの女装変質者だよ。 性同一性障害なんかじゃないよ! 女の子の服を着たいから回りに病人ぶってるだけ。 女がペニス硬くして女の身体味見した上に処女まで奪うはずないわ! どうせ自分はレズだとか逃げるんでしょうけどね。 男が女装してペニス硬くして女に興味持ってセックスするなんて普通じゃないわ! アンタはただの変質者よ! 仮に百歩譲って女だとしても、100%の確率でアンタは変質者よ! もう二度とメールなんかしないで! 電話もね! 女が大好きな女装マニアの変質者の位置づけがピッタリだよ! それでも女だと言うなら自分の身体に合うパンツ履けよ! 無理してパンティー履く辺り男だってことだろう! この変態野朗!!」

 裕美が帰った後、涙が枯れるまで泣き腫らした浮腫んだ顔で携帯からメールを打ち込んだ信二に裕美から絶縁の返信が送信された。
 信二は裕美の陰部を見て匂いを嗅いだ後の記憶が殆どなかったが、間違いなく自分は裕美を犯したのだと鮮血が染込んだシーツを丸めて家の裏へ持って行くと、そこでライターで火を点けて燃やした。
 真っ赤な鮮血が炎に包まれて燃えカスになるのを斜屈んで見守る信二は裕美を失った悲しみに打ちひしがれた。 そしてこんなモノさえ付いてなければあんなことも起きなかったはずと、眼下のショーパンの膨らみを見て恨めしさ故に地面を叩いた。

「これさえなければ…」

 実の母親を犯しそして数少ない理解者でもある無二の親友を犯した罪は永遠に消えることはないのだと、自分の中に住み着いている自分の知らない獣のような男の性を打ち消してしまいたいと涙を地面に吸わせた。
 何であんなことをしたのかと自問自答しても答えはなく、ただ身体の中のいきり立つ勢いをどうすることも出来ずに途中から記憶がなくなるとこだけだった。 本物(おんな)の匂いを嗅いだ瞬間、体中の血がたぎり頭の中が真っ白になって女の身体を貪り食う勢いだけが微かに脳裏に残る。
 生まれてからずっと身に着けている下着や服に今更何を感じる訳でもなく、逆に男姿で居ることに恥かしさが伴って苦痛が全身を包む。 裕美の言う通りただの女装変質者ならどんなに楽だろうと、裕美に憧れて買った黒いニーソックスに視線を移した。 
 
「苦しい… 誰か助けて!」

 顔を顰めて肩を窄める信二は焚き火を終えると消化して燃えカスを袋に入れて玄関脇に置いた。 そして空を見上げて自分とは一体何者なんだろうと大きな溜息をついて二階の自室へと向かった。
 その頃、信二の住む近所から帰省したはずの早坂順平が信二と同じ空の下、友人の須藤健三のアパートにその身を置いて密かに隠し撮りした信二の写真を携帯電話の中に見ていた。
 そんな順平もまた信二への想いを遂げられるはずだったあの日、無残にもその想いを絶たれ意気消沈していたが、何とかして夏休み中に信二を自分のモノにしたいとボンヤリ考えていた。
 
健三:また見てんのか? もう諦めろって♪ そんないい女がお前にやらせようとすること自体が幻想なんだってーの♪ てか、本物の女なら俺もやりてえくらいだよ~♪ てか、お前も得だよな~♪ 二刀流だもんな♪ あははははは♪
 奥の部屋からスウェットの下と白い肌着姿で床に寝転がる順平を見て台所で水を飲む。
順平:まさかあんなに可愛くなってるなんて思わなかったからな… あれで性転換して本物になったら周りの野朗(おとこ)が放っとかないよ……
 携帯を手に思い出すかのように遠くを漏る。
健三:何ならこの部屋。 貸してやっから自分のモノのしちまえばいいだろ♪ 但し半日で三万円の料金は貰うぜ。 あっははは♪
 台所から順平の傍の窓に近づいて外を眺める。
順平:ふっ♪ バカに高いラブホだな♪
 健三を後ろから見て頭を掻く。
健三:まあ、愛を囁くにはシケた部屋だが上も両隣りも下も空き部屋だし気兼ねなく楽しめるぜ♪ 多少、叫んでも誰にも聞こえやしねえし♪
 薄笑みを浮かべて順平の方を向く。
順平:まっ、部屋は借りるかもしれないけどな。 彼女が泣き叫ぶような下手はしないつもりだよ。
 携帯を持ったまま両足を軽くバタつかせる。
健三:しっかし~ ホントに信じられんな~ こんだけ可愛いのにデカイのがブラ下がってるなんてよぉ~ あっははは♪ いい脚してんじゃねえか♪ ムシャブリ付きてえな~♪
 携帯を覗き込む。
順平:彼女をそんな風に言うのはよせ! 僕にとっては彼女は女神なんだ…
 顔を上げて健三を威嚇する。
健三:女神ったって乳首吸われりゃ悶えてヨガリ声の一つも出すんだろよ♪ ソコの引き出しにゴムが何枚かあるしローションも使うなら新品があるから使っていいぜ。 但し半日三万円は負けられんぜ♪ 
 呆れ顔して床に直置きした小物入れの引き出しを指差す。
順平:ああそれでいい。 だが彼女が会ってくれるとは思えない… なんせ寸でのとこで母親に見つかったし… 今頃アレやコレや吹き込まれてるに違いないしな。
 タバコに火を点ける。
健三:しかし美味そうな太ももしてんな。 ムシャブリつきてえよ♪ 
 順平の持っていた携帯を奪い写真に見入る。
順平:こら! 返せよ!
 奪われた携帯を取り戻そうと手を伸ばす。
健三:電話でもしてみりゃどうよ♪ 帰る前に一目だけ会いたいとか何とかよ~♪ 
 携帯を返しながら床に寝転がる順平を見て椅子に腰掛ける。
順平:そうだな… 最悪この夏じゃなくても次もあるしな… てか、僕は身体だけが目当てじゃなくてさ。 真面目に彼女と付き合いたいって思ってんだけどな……
 溜息混じりに吸い込んだ煙を吐き出す。
健三:まあ、青春すんのもいいけど誰かに取られたら後悔もんだろうな♪
 椅子に腰掛けて足組しながらタバコに火を点ける。

 順平は健三の言葉に「取られてなるものか」と、唇を軽く噛んで信二へ電話してみようと決意を固め始めていた。 そんなこととは全く知らない信二は裕美を犯したことで自分自身に憎悪を覚え始めていた。
 そんな最中、帰宅した信二の母親の信子は玄関に入って二階に声をかけても返事のないことに不安を覚えバックと買物袋を居間の入り口に置くとそのまま二階へ移動した。

信子:入るわよ~♪ あら居るじゃない♪ 裕美ちゃん帰ったのね♪ あれ… どうしたの? 熱でもあるの? 顔色悪いわね。
 部屋に入った信子はベッドに腰掛けて窓の外の一点を見詰める信二の傍に駆け寄って額に手を当てた。
信子:熱は無いようね… どうしたの? おなかでも痛いの? 
 無言の信二の顔を腰を屈めて覗きこむ。
信二:お母さん…… アタシ… コレ… 早く取ってしまいたい…… こんなモノがあるから… こんなモノが付いてるから… お母さーーーん!!
 突然ベッドから床に降りて信子に抱きついて泣き出した信二。
信子:あらあら♪ どうしちゃったの~♪ ヨシヨシ♪ もう泣かないの。 ハイハイ♪ さぁ、こっちに来て一緒に横になりましょう♪ 信ちゃん疲れたのよ。 お母さんも今日は疲れちゃったわ♪ 
 抱きつく信二のを左腕で支えながら右手で頭をポンポンと優しく撫でる信子は、信二を落ち着かせようとそのままベッドへ信二を連れて横になると信二は信子に必死に抱きついた。

 動揺し泣きながら信子に抱きつく信二は赤子のように信子(はは)の匂いに安堵し、徐々に苦しみを減少させていった。 だが、信子はここで裕美と何があったのかと言う疑問は敢えて考えないようにした。
 そして信二は信子の胸に顔を埋めたまま疲れを癒すように静かに寝入り、信子は三十分ほど信二を抱きしめたまま添い寝していた。 そして信二の傍から静かに離れようと身を動かした瞬間、突然信二は目を覚ました。

「お母さん! 行っちゃやだ! お母さーん!!」

 赤子に帰ったように信子にしがみ付く信二に信子は再びギュッと抱きしめて信二の頭を撫でた。 すると、信子を前に左を下にする信二は自らの右素足をストッキングに包まれた信子の両足の間に入れて来た。

「スルスルしてて気持ちいい… お母さん大好き♪」

 まだ眠そうに幼子のように笑顔を取り戻した信二に、信子は安堵の表情を浮かべた。 信二はしっかりと信子に離れまいとしがみ付き、信子はそんな信二が可愛くて堪らなかったが、信二からの次の言葉に躊躇(ちゅうちょ)するこはなかった。

「お母さん… オッパイ……」

 胸に頬を寄せて見上げる信二に信子は笑みを浮かべると、無言でブラウスのボタンを外してスリップとブラジャーの両肩紐を外した。 豊満な乳房が信二の目の前に晒されると信二は嬉しそうに乳房に貪りついた。 何かに強いショックを受けて赤子帰りしたのだと信子は思っていた。
 信二は信子の乳房を頬張るようにチュパチュパと吸い信子に嫌らしさのかけらも感じさせなかったが、信二がこのまま変貌して自分を犯したとしても信二が少しでも楽になれるのならと信子は思ってもいたが、感じてはいけないと自分の心に強いクサビを打ち込んだ。 
 そして目を瞑っていた信子が気付いた時、信二は乳房に吸い付いたままスヤスヤと眠ってしまっていた。 

 信二を起こさぬように二階から降りて来た信子は夕飯の支度に追われるようにそのまま台所に立つと、信二に吸われた乳首に残る感触を打ち消そうと冷蔵庫の中の冷えた麦茶で身体を冷やした。
 

性同一性障害【Ⅱ】

性同一性障害【Ⅱ】

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  • 成人向け
  • 強い暴力的表現
  • 強い性的表現
更新日
登録日
2013-07-02

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