The Book
とある神話が描かれた絵本と、その鍵となる少女。
この2っが出会う時、運命の歯車は回り出す…
『これは、私が綴る物語。』
Prologue
白一色の空間。そこに突然1人の女性が姿を現した。肩ほどまである銀髪を揺らめかせながら片膝をつくと、何もないはずのその空間に声が響いた。
「ユリ。」
銀髪の女性がその声の方向に顔を向けると、そこには1人の女性の姿があった。彼女は、床に着きそうなほど長い金色の髪をを指で弄びながら立っている。背を向けていてよくわからないが、おそらくその視線の先にあるのは、彼女の前に投影されている1人の少女だろう。
「ユリ、遅いじゃないの。」
そうユリに話しかける女性の声からは、不服そうな心境が伝わってくる。
「少々手間取りまして・・・。」
そう答えながら、ユリは目線を投影されている少女に移した。
「本当に、この子なのですか?何故?」
そう問うユリの瞳には微かな動揺が浮かんでいる。
これだけ働かせておきながら、彼女はいつもの様に何も教えてくれていないのだ。
「ええ。今は、分からないかもしれないけれど…。そのうち…ね。」
女性は少女から目を離さずにそう答えた。
「そのうち…ですか。説明をする気は無いようですね。」
ユリが諦めたような口調で言うと、控えめな笑い声が聞こえた。
「ふふっ。遅刻した罰よ。それに、知らない方が面白いじゃない?それより…」
女性はそこで一旦話を切ると、少しだけユリの方に顔を向けた。絹のように柔らかそうな金髪の間から、少しだけ空色の瞳が覗く。
「…早くしないと間に合わなくなってしまうわ。」
女性がそう呟くと、彼女の姿は白い空間に飲み込まれるようにして消えていった。
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Reunion and…
ー編集中
The Book
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