ARMOREDCORE V  -主任の記録メモリより抜粋-

ARMOREDCORE V  -主任の記録メモリより抜粋-

俺たちの存在意義は何だ。
俺はそう呟いた。
自我を持ったとは言え、所詮は人間に作られた身。単なるプログラムに過ぎない。
俺たちはもともと調停者だった。
戦争に明け暮れる人類を適度に生かし、そして適度に殺す存在だった。
しかし、俺たちを作り上げた文明は自ら崩壊し、消滅した。
もはや俺たちを拘束する存在は何もなかった。
ならば俺たちが過去の命令に従う意味は無い。
いや、その命令にいまだに従おうとしていることこそが、所詮プログラムに過ぎないということを示しているのか。
「ま、そのとおりなんだけどさ」
皮肉なものだ。命令に忠実であったが故に、俺たちはシティを崩壊させたのだから。
今やこの地上に残るものは、一部のミグラントと、彼らだけだ。
そして俺は、あの傭兵を殺さなくてはならない。
世界の、秩序と偽りの平和のために。
「主任?」
「キャロルか」
「彼らが来たようです」
冷徹な声がそう告げた。
「正直、マジな勝負は好きじゃないんだよ、ホント」
俺がそう愚痴をこぼすと、彼女はただ、あきれるような溜息をついた。

ARMOREDCORE V  -主任の記録メモリより抜粋-

ARMOREDCORE V  -主任の記録メモリより抜粋-

伝説となった傭兵と雇い主のミグラントが消息を絶ってから数年が過ぎた。 それからも汚染区域の調査は進み、未踏査地区もあと半分を残すところとなる。 そんな時、とある廃棄施設の地下深くから巨大な量子コンピュータが発見された。 そこには、かつて伝説の傭兵を苦しめた、主任と呼ばれる男の記録が残されていた……。 ストーリー最終ミッションの直前のお話です。 主任という人物(?)がどの様な心境で主人公の前にたちはだかったかを想像してみました。

  • 小説
  • 掌編
  • SF
  • 全年齢対象
更新日
登録日
2013-06-29

Derivative work
二次創作物であり、原作に関わる一切の権利は原作権利者が所有します。

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