この空の下で
はじまり
「桜ちゃん!」
「はーいっ」
桜田 絢音
(サクラダ アヤネ)
17歳の高校2年生。
愛称は、桜。
都内にある"Take Off"という居酒屋で働いている。
高1から働きはじめた私は
かれこれ、もう1年以上もここで働いている。
そんな私に店長の
大山 伸
(オオヤマ ノブ)
通称、伸さんは言った。
「今日から働いてもらう、片岡蒼くんだ」
「片岡です、よろしくお願いします」
伸さんから紹介された
片岡 蒼
(カタオカ ソウ)
は誰が見ても整った顔をしている男性だった。
「…あ、ああ。桜田です! よろしくお願いします」
「で、蒼くんの指導を桜ちゃんに任せようと思って」
「…………え。」
1年という長い年月をTake Offに捧げてきた私は
週6でバイトにはいり、レギュラーメンバーと呼ばれる
お店を回す中心的なメンバーになっていた。
だから一通りの業務は完璧。
だけど、それは私にとって初めてだった。
この空の下で