人間と悪魔29話
今回ありません。
「地獄に帰りなさい。」
宮下はただ一言Jにその事を言ってそのまま黙った。
『アンタ、なに言ってんの?初対面でいきなりそんなこと言うなんて・・・。』
「・・・・。」
『俺はまだ、なにもやってないよ?』
「いいえ、あなたは連続殺人と東優斗を病院に送った。」
宮下は静かな声でそう言い、そして怒りも声にこもっていた。
『東・・・。あぁ、あの人か?そいつは殺したはずなんだけどなー、まぁいいや。それにしても見損なったよ、俺に勝てないからってこんな、か弱い女性に依頼を頼むなんて。』
「口を閉じなさい。」
宮下は落ち着いてはいるが、実際今すぐ殺してやりたい気持ちがあふれそうだった。
『仕方ないなー、今から雄太の父親を殺そうと思ったんだけど、キミから殺してあげるよ。心配しないでいいよ、あとで東も殺すから。』
Jはそう言って、戦闘スタイルをとった。宮下のほうは余裕ほうな表情をしていた。
そしてJは東のとき同じように恐ろしいスピードで近づき、宮下に蹴りを入れようとしたが、それは軽くかわされ、カウンターの蹴りを入れられJが逆に吹っ飛んだ。
『・・・・・!!!』
「はやく立ち上がりなさい、もう2,3発入れて終わりにしてあげるから」
それを見ていた坂内たちは、坂内だけが絶句していた。
「え・・・。なんですか、今の・・・東さんを倒した人がまるで相手になってない・・。」
「あの女は、東なんかと比にならないくらい強い。」
「東さんより強い・・・?」
「あの女はすべての格闘技を極めたヤツだ、いくら強くてもあいつには勝てない、あいつと互角に戦える相手は化け物ぐらいしかいないからな。」
「・・・そんなに強いんですか・・。」
「あぁ、昔クマと戦って正拳突き一発で倒したからな。」
「・・・・・。」
坂内はしばらくなにも喋らなかった。なんかのショックを受けたらしい。
一方、宮下とJのほうでは。
『な、なんだその強さ・・!』
「あら?女に勝てないなんて情けないわね。」
『・・・くっ!』
Jは瞬時にパンチを食らわそうとしたが、簡単にとめられ、Jの頭にかかと落としが思い切り入った。
『・・・!!!』
これには、ひとたまりもなくJはそのまま倒れてしまった。
『・・・・いいのか?これは俺だけの身体じゃないんだぞ・・・!!』
「そんなこと知ったこっちゃないわよ、それにこの程度の攻撃なら死にはしないわ、ただ病院送りなだけ。」
『・・・・!!』
「さて・・・もう終わりにしましょうか? Jさん?」
人間と悪魔29話
今回ありません。