Noname Doll
今からwebサービスなどからお題を提供してもらい、それを作者が超!エキサイティン!!なお話に組み直すんDA!!
【お題】
・あどけない寝顔は年相応
・相合傘
・掴んだ手首
・あなたのお人形さん
・流れ星に何を願う
難易度:11/15(最高)
それではPasta、突貫します!!
多分、更新優先度は他作の方が上です。
『Mistic_City』を優先ですね。
Chapter01
こんなにも、梅雨が不快だなんて思いもしなかった。
明ける事を知らない雨が、延々と街を濡らし続ける。
鳴り響くサイレンと、自衛隊員の必死の呼び掛けが聞こえるが、そんなの知った事か。
自分はただ、そこに横たわる小さな影に呼び掛ける。身体が冷たかった。
もう何度か呼び掛けた所で、大切な物を失いかける重圧に耐えきれなかったのか、それとも自分も低体温症で力尽きたのか、急に視界が暗くなった。
……Chapter01『霖-NagaAme-』
「彩、朝御飯出来たし食うぞ」
「んー。判ったよお兄ちゃん」
割と1パターンな朝食のパンを、席に着くなりかじる。突然だが、俺の名前は椎名和人。数週間前、日本全体で死者3人行方不明者11人を出した台風9号からの生き残りの一人だ。うん、どうでもいい。
とにかく、妹には朝の内に重要事項を伝えなければ。俺と彩は同じ文芸部なのだ。
「それよか、彩。今日の部活の活動場所はマッkゲフンゲフン……だぞ」
「汚いよ!お兄ちゃん!……取り合えず集合場所はマッkケホッケホッ……あれ?」
お馴染みのファーストフード店の略称がいえない。恐らく、大教祖様の呪いだろう。
「マ○ク、な。お前もむせてるじゃないか」
「くっ……その"お約束"を忘れて普通に言おうとしてしまった……だからむせるのか」
「とにかく、HR終わったら集合玄関で待ち合わせ。その後、文芸部全員でマッ○にダイレクトアタックだ」
「おーけー部長。エクサ○ックっての挑戦してみたかったんだよね」
「えくさ?」
エスサってギガ、テラ、ペタに続く単位記号のアレじゃないよな……。だとしたらとんでもない大きさになりそうだが……。
「何でも、ギガ○ック、テラ○ック、ペタ○ックに続く特大ハンバーガーらしいよー」
やっぱそっちかーー!?総重量どんだけあるんだろう……。
「とにかく、さっさと朝食食え。遅れる……」ピンポーン
ガチャ、タタタタタッ。
「おはよう!!泣く子は居ねぇか!?」
「居ない。さぁ、森へおかえり」
「ほぅ……その態度か。白坂雛が天誅を……」
突如として家に転がりこんできた少女は、白坂 雛。俺の幼馴染みだ。更に文芸部のNo.3(会計)。1は俺、不本意ながら。
「ほらっ、雛さん来たし、40秒で支度してよ」
「ジェパンニが1R(10秒)で終わらせました」
「鞄に弁当入れただけでしょうが……とにかく、パンなんてくわえていけば無問題」
「原作見てねーだろ。日本の芸人が出た映画だろ?あれ」
「ネットスラングかと思た」
「さぁ、多分映画だろ。んじゃ、いくぞ」
そういって席を立ち、玄関へと向かう。二人もそれに続く。学校での二人の関係は、彩が後輩に、雛が元先輩であり同級生だ。……何があったかはご察しで。俺は肉親として、幼なじみとしては扱わないようにしている。でなければ、友達が……。
とにかく、玄関先で二人を待ち、通学路を歩くこと5分。違和感に気付く。
朝日をもろに受ける交差点。笑いを堪える学生の視線の先に、パジャマ姿の三人組がいた。その人はどのような気分だろうか。その内の一人はこういった。
「やべぇ。着替えてなかった」
Noname Doll