be born again …禁断の恋になってしまった…
第一話
私は夏木美緒。公立中学校に通っている中学校二年生だ。
成績は中の上くらい。これでも一年生のときに比べたらまだ伸びた方だ。
最近そんな私にはかっこいいなって思う男子ができた。
友坂飛也だ。
この漢字の組み合わせだと読みずらいな。出席簿を見ると、ともさかあすやって読むらしい。それにしても変わってる名前だな…
最初は気付かなかったけれど、彼ってすごく男らしいなあ…そして少し無口で冷たそうだけど、友達と笑い合ってる姿を見ると普段は凛としている彼の表情がくしゃっとなってすごくかわいい。でも別に好きという訳じゃない。ただ、かっこいい異性に憧れているだけだ。
キーンコーンカーンコーン
今日も授業が始まる。一時間目は国語だ。いつものように毒舌のおじさんの先生が教室に入ってきた。
「はーい。今日はこの前やった漢字テストを返しますね〜。名前呼ばれたものから取りにきなさいね。」
相変わらず皮肉めいた声でしゃべる。多分第一印象はうざそうだろう。でも私はそんな先生のことをまあまあ気にいっている。その理由は、先生は実は生徒思いだからだ。今生徒に向けている皮肉や冗談も、私たちのためにと思っていってるんだと思う。多分。
古文の勉強がはじまった
「じゃあ次は、友坂ー。」
しーん… 返事が聞こえない。きっと友坂くんのことだからぼーっとしてるのだろう。
「友坂ー」
「…」
返事がない…
「おい。 友坂、お前返事ぐらいせえや。」
国語の先生はついにきれた。まぁいつものことなんだけど。
「はいっ!」
ようやく気付いたようだ。
でも普段クールだなと思っていた友坂くんがこんなところで恥かくなんてちょっとショックだな笑まぁ人間誰でも失敗はするし仕方ないか!
そして今日の授業が終わった。
ー今日の帰りー
今日はいつも一緒に帰っている親友の由奈につれて菜々ちゃんともさんにんで帰ることになっていた。菜々ちゃんとは普段あんまりしゃべったことがないから、こうして帰りながら一緒にしゃべれることが新鮮だ。
ある曲がり角まで達したところ、由奈とはさよならした。
「じゃあ由奈バイバーイ‼」
「由奈ちゃんまた明日♪」
「うん!」
「また一緒に帰ろ!ばいちゃい☆」
由奈は元気よく帰っていった。
途中で由奈とは別れたから菜々ちゃんと二人で帰ることになった。
普段あんまり話したことがない二人だから、たまに静かになったりする。
私は思い切ってきいてみた。
「菜々ちゃんってさぁ、クラスでかっこいいなって思う男子おる!?」
「うーん…坂田くんと富永くんとあとね…友坂くんあたりかな!?」
美緒 「やっぱり友坂くんよね!」
菜々 「でも友坂くんって性格はよく分からないよね。あんまり喋らないっていうか。美緒ちゃんもしかして友坂くんのこと好きなの!?」
私は一瞬どきっとした。何でだろう。でも友坂くんはかっこいいと思うけどただ憧れているだけだし…
正直言ってどんな人かもよく知らないし…
その夜私はなかなか寝付けなかった。普段あんまり意識してなかったクラスメートのことをこんなに意識したのは始めてだからだ。
あぁ…なんだか夢に出てきそう… ????
ピピピピ ピピピピ ピピピピ
次の日が始まった。昨日の考え事のせいか、あんまり寝付けなかった。あぁ眠い…
ー授業始まるー
音楽の授業の予定だったが、音楽の先生が出張なので、自習の時間となった。
寝ている人もいれば、真面目に勉強している人もいる。友坂くんは何してるんだろう。ふと気になった。
私は他の人に不審に思われないように、プリントを渡すときのタイミングを狙ってチラッと彼のほうを見た。
んっ…、ぐったり机に寝そべっているっ…
まぁ彼らしいなぁ笑
授業だるいのかな!?
だめだ。集中できないじゃないか!さっきから考え事ばかりしてるし。まぁいっかあ、一時間目ぐらい。
そういえば、もう三学期かぁ。
私はクラスに信頼できる親友はいるんだけど、いつもだいたい一人で行動している。前は一人が嫌だったけど最近慣てきた。いやどうでも良くなったんだ。困るときは体育のときの二人ペアくらいだ。このときは一人だけとり残されるようで正直耐えられない…
とか考えてたらいつの間にか、授業が終わったし!
ー今日の夜、だんだん気付いてきたものがそのとき明らかになった…
友坂飛也に、恋に落とされた…
一ヶ月が過ぎた。私のあいつへの思いは強まっていくばかりだ。その一方で、私は友坂くんに近づくことができない…
私は男子に話し掛けるのが苦手だし、そもそも彼と接点がないからだ。
この気持ちどうしたらいいんだろう。
私は少しでも友坂くんを近くに感じるために、彼の特徴について考えてみた。
友坂飛也。
常にぼーっとしてそうな雰囲気
笑ったときの顔が目が三日月型になってかわいい
身長は普通
be born again …禁断の恋になってしまった…