長い、長い、私物語

長い、長い、私物語

切ない、お話が幼いころから大好きでした。なので、切なく、悲しいお話になっていると・・・・。

病院のベットからは、切なく散っていく桜の花びらが見えた。

「木村さーん。調子はどうですか?」

何度この言葉をかけられたことか。今この状態を見て調子がいいなんて思えるはずがない。聞かなくたって分かるだろう。


遡ること3年前・・・

そう、ここから私の物語は始まっていた。長い、長い、私物語。


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私の名前は、木村麻菜(きむらあさな)。今日から中学三年生。要するに受験生って訳だ。

「麻菜~!!クロス忘れてるわよ~!」

母が、大きな声で桜の道を歩いていた私に大きな声で呼びかけた。

「あ、忘れてた・・・。」
「キャプテンが一番大事なクロス忘れてっちゃダメでしょ?」

クロスって言うのは、私が幼いころからやっているラクロスのラケットのこと。昔っからラクロスが大好きで今年、晴れてキャプテンに就任したのだ。

「うん。そうだね」
わたしは、笑いながらクロスを受け取った。母の顔を見ておもう。
「お母さん・・・・私、頑張るね。」
母は首を傾げ、不思議そうな顔をしている。何を頑張るかという訳じゃなく、何故だかそんな気持ちになった。

「頑張ってきなさい!」

母の温かい手が私の背中を押す。この瞬間が大好きだ。

少し、歩き散っていく桜の木を眺めていると、後ろからものすごい足音とともに大きな声が聞こえた。聞き覚えのある声だ。
「麻菜!!麻菜!!待ってよぅ」

その声の主は私の親友である三浦琴乃(みうらことの)だった。
「ん?どしたの?」
「ハァハァ、あのさ、ハァ、今日部活ハァ、あったっけ?」
「ごめん、全っ然聞き取れなかった。深呼吸してからもう一回言って。」

琴乃は4回ほど深呼吸をしてから話し出す。

「今日、部活あったけ?キャプテン。」
「うん。あるよ?先にミーティングしてからそのあと、普通の練習。」
「へぇ~。クロス忘れちゃったや。ごめんねキャプテン。」
「はぁ?一番大事なクロス忘れてちゃ____]

と、言いかけた時に朝、自分も忘れていたことを思い出す。

「うん。まぁ、仕方ないよ。今日は見学しときな?」
「そうだね~。そうする。ありがとうキャプテン。」
「でさぁ、キャプテンて呼ぶのやめてくれない?」
「え?なんで?キャプテンじゃん?」
「ま、まぁそうだけど、その、まだ慣れてないっていうか、、、」
「こういうのは慣れが必要なの!!たくさん呼ばれれば呼ばれるほど自覚も出てくる!!」
「確かにね・・・。」

長い、長い、私物語

長い、長い、私物語

  • 小説
  • 掌編
  • 青年向け
更新日
登録日
2013-06-21

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