依頼解決部

無理やり転部させられました。

 俺は、この世に二種類の人類が存在すると考えた。まずひとつは必要とされる人間。もうひとつは、不必要な人間。簡単に解説をすると、必要な人間はリア充。いつも何人かとじゃないと生きられない、下等生物だ。不必要はぼっち・・・一人ぼっちのことだ。ぼっちは何かしら考えている天才肌の天才だ。俺はそこで考えを逆転させて、俺は思った。リア充爆発しろ!!と・・・。ぼっち最高!!と・・・。
「貴様・・・真面目に考える気はないのか?」
「いたって真面目ですけど?」
 俺は高校2年琴城 総司(ことじょう そうじ)。部長が『僕はこの世にいてもいいのでしょうか?』と部活に質問してきた、これについて思ったことをまとめて来いと言ったため、俺は先ほどの文をパソコンで1時間かけて打ったのに・・・。
「なぜ怒られないといけないのでしょうか・・・?」
「お前は殺されたいのか?殺されたいからこのバカげた文を打ってきたのか?」
 この部長何怒ってる?俺には理解できない・・・。
「雪村!貴様はどう思う?」
 部長が部室の窓際で座って本を読んでいる女子―雪村春音に、話を振った。
「気持ち悪い・・・話にならない」
「はぁ!?なんでだよ!?」
「まず、質問の答えから話がずれてる。それに話がまとまってない」
 雪村は素っ気なく答えた。
「じゃあどう書けと!?」
 俺はいったいどこに怒ったのか、自分でも分からないが怒鳴った。
「その前にひとついい?琴城くん、キモいから唾とかとばすのやめて。あとそのひねくれた脳みそうざい」
「お前な・・・!」
「あっ、またとばした」
「ごめん・・・じゃなくて!答えろ!」
「私だったら、この世の人は使命を受けたから生きてる。使命を終えるまで死んじゃダメって答える」
 俺の背後から拍手がおきた。おそらく部長だろう・・・
「雪村、貴様賢い!!よって転部だ。琴城貴様もだ」
「「はぁ!?」」



「なんでお前と一緒に謎解明部をやめて、他の部活をしなくてはならない!?」
 俺たちは新しい部活場所に行くため、歩いていた。
「それはこっちのセリフです。唾がキモい人と一緒だなんて・・・」
 相変わらず雪村は、容赦ない・・・。
 俺は口に手をあてて話を続けた。
「どこの部活に行くんだ?」
「ここ」
 俺たちが立ち止ったところは
「依頼解決部?」の部屋の前だった。

この部は女が強いようです。

 ガラガラガラと俺が教室のドアを開けると、教室の中は机と椅子が二セット置いてあった。雪村は窓側の日当たりがいいほうの机に、通学用かばんを置いて、本を読み始めた。俺もそっち側がよかったな・・・と思いながら、余っているほうの机にかばんを置き、特に何もすることもないため、ぼけーっとしていた。
「やぁ、諸君!」
 部室に入ってきたのは、美術の先生で、37歳独身見た目女中身おっさんで有名な・・・この学校一恐ろしい女教師、海原 瑠羅(うみばらるら)。睨まれたら最後だと言われている。
「おい、そこの坊主。余計なこと言わなくていい」
「えっ・・・」
 なんだこの先生・・・。俺の心の声が聞こえてしまうのか!?鳥肌が立つ。
「そこの坊主、名は何と言う」
「琴城 総司」
「そこの小娘は?」
「雪村春音。雪村財閥の長女」
「は・・・?」
「ん・・・?」
「「えぇぇぇぇぇぇぇーーーー!?」」
 雪村財閥。それはこの日本を支えていると、言っても過言ではない。俺みたいな平凡なやつと一緒にいるなんて現実はありえない・・・。金貸してくれんのかな・・・いやくれ。
「なぜお偉いさんの小娘が、こんなしょぼい学校通ってるんだ?」
 おいおい、先生ここ一応あなたの学校でもあるんですよ・・・それをこんなしょぼい学校って・・・。
「憧れている人がこの学校にいるから」
「ほほぉ。この恋のキューピット瑠羅様がきいてやろうではないか」
「そういうのじゃない・・・」
「まぁまぁ、恋したくなる年頃だからな」
 先生、あんたいったい何の専門家!?
「茶番はこれぐらいにして・・・」
 先生がやれやれとでも言うかもように、呆れ顔をしていた。もとはと言えばあんたのせいだろ!!
「お前らに初の仕事をくれてやる」
 はぁ・・・バカバカしい・・・。帰って、ひみつのモモちゃんを見ようっと。
「丁重にお断りさせていただきます」
 俺がそう言って教室から出ようとした時、俺の近くが焦げくさい・・・!?
「顧問の私の命令が聞けんのか?あぁ!?」
 先生、どっかの暴走族ですか!?教室の壁に回し蹴りの跡が残っているし・・・もう、この人怖い!!しかもこのヘンテコな部活の顧問がこの人だと思うと・・・。
 俺は背筋をブルっと、震わせた。そんな俺に対して、雪村はしら―っと、していた。この部はとうとう女子共に乗っ取られてしまったようだ。そこで俺は思った。俺に優しい女の子に囲まれるという青春は来ないのか!?こういうときだけリア充になりたいと、俺は本気で思ったのだった。

依頼解決部

依頼解決部

  • 小説
  • 掌編
  • 青春
  • コメディ
  • 全年齢対象
更新日
登録日
2013-06-21

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  2. この部は女が強いようです。