君へ…

君へ…

君がいたから
今のあたしがいる。

ありがとう。

君へ。

君へ…

君と出会っていなかったら
今のあたしはいなかった。

君がいたから
本当の恋を知ったの。

大好きな君へ

ありがとう。

出会い。

君との出会い。
偶然か必然か。

そんなのどうだっていい。

君と出会えたことがただ、
嬉しくて
嬉しくて…

この日が
あたしと君の

スタート地点。

初めて。

初めて君と目が合った。

初めて君とおしゃべりした。

君と初めて笑い合った。

きゅんとして
ドキドキして

くすぐったくて
恥ずかしくて

もっと君としゃべりたい。
もっと君の笑顔が見たい。

これがあたしの

初めての気持ち…

一歩の勇気。

もっと君のことが知りたい。
君ともっと仲良くなりたい…

だけど勇気はなかなか出せなくて

携帯の連絡先…
気軽に聞いてみればいいのに
緊張しすぎて声が出ない。

ねぇ…

迷惑じゃないかな？
嫌じゃない？

あと一歩勇気が踏み出せない…

だけどもし…
一歩勇気を踏み出せたら？
そしたら何か変わるのかな？

変わるとしたなら、あたしは…
その一歩に賭けたい…

「あの！」

震える手を握りしめて
驚く君の顔を見つめる。

「連絡先…教えてもらえる？」

君へのメール。

携帯画面とにらめっこ。
さっきから全然打ててない。

君から連絡先を教えてもらって
めちゃくちゃ嬉しいのに
なかなかメールが送れない…

打っては消して
見直しては消して…
ずっとそれの繰り返し。

思い切って送ればいいのに

恥ずかしすぎて
緊張しすぎて

変な文じゃないかな？
引かれないかな？
絵文字付けすぎかな？

気にすれば気にするほど
送れなくて…
時間だけが過ぎて行く。

メール送るのって…
こんなに大変だったっけ？

うじうじしてても仕方がない…

「えいっ！」

目をつぶって送信を押す。

送信しましたの文字に心臓が飛び出そうで
思わず電源を落とした。

君からメール届くかな？
不安と期待…

あたしこんなに必死になってる。

君からのメール。

返事来たかな？
携帯を見つめ握り締める。

期待と不安…

見たい…
けど…怖い。

何て返ってくるのかな…
引いてたらどうしよう。
もしかしたら返ってこないかもしれない…

マイナス思考。
なかなか電源入れられない。

ドキドキ…
ドキドキ…

深呼吸を１つする。

どうか返事が来ますように！

ゆっくりと息を吐き携帯の電源を入れる。

携帯を操作して
また深呼吸をして…
画面を見る。

「受信メール１件」

差出人を見てさらに胸が高鳴る。

ドキドキ…
ドキドキ…
そっと本文を見る。

「メールありがとう！嬉しかったよ！」

顔が身体が熱くなっていく。

嬉しい。

あたし…
君からのメールが

こんなにも嬉しくて仕方がないの…

会いたい。

もっと話したい。
もっと仲良くなりたい。

メールだけじゃなくて
君に会いたい…

メール出来るだけで充分だったのに
それだけで満足していたはずなのに

どんどん欲が深くなる。

あたしこんなに我がままだったかな。
独りよがり
嫌になる…

だけど

君の声が聞きたい。
君の笑顔が見たい。

君に会いたい。

オシャレ。

「今度カラオケ行こうよ」

君からのお誘い。
どうしよう…
ニヤニヤが止まらない。

服どうしよう…
髪型何がいいかなぁ？

雑誌をぺらぺら
タンスをごそごそ。

スカート
ワンピース？

どんな格好が好きなのかなぁ？

まだ日にち先なのに
今からこんなに迷ってる。

でも、それがすごく楽しい。

好きな人に会うためにするオシャレって
こんなに楽しいんだね。

デートの前は…

服も決めて
メイクもバッチリして…

不器用ながら
髪型だって雑誌を見ながら真似てみた。

鏡とにらっめこして
あぁでもない
こうでもない…

変じゃないかな？
可愛いって思ってもらえるかな？

時間がせまってるのに
なかなか鏡から離れられない。

顔がにやけて
心臓の音も早くて
多分周りからみたらおかしい人にみえる。

「いってきます！」

勢いよくドアを開け
自転車を漕ぎ出す。

心臓の音を隠すように
自転車を猛スピードで漕ぐ。

もうすぐ会える。
君に会える。

にこにこしたり
緊張したり

あたしの顔は忙しい。

初デート。

近くの本屋で待ち合わせ。
近づく度に鼓動が高鳴る。

あ…

本屋の前に君がいた。
君の私服姿が新鮮で
ドキドキが更に高鳴る。

「こっちだよー」

君が手を振る。
あたしも手を振る。

緊張し過ぎて
顔が挙げられない。
言葉も出ない…

あたしのバカバカ。

勇気を出して声を振り絞る。

「遅くなってごめんね」

君ははにかんだ顔で言った。

「今来たところ！」