人間と悪魔26話
今回はありません。
「東さんのやり方・・・?」
坂内はまだすこし泣いたままの表情をしていて、首をかしげた。
「俺では、あいつには勝てない。しかも人質もいるしな。」
「・・・そうですか・・。」
「このまま寝ているわけにも行かないので、俺は退院したのだが・・。」
その言葉を聞いて、坂内はあわてて東にこう言った。
「だ、ダメです!!東さんは、アバラ骨とか折れてるんですよ!」
「いや、もう大丈夫なんだが・・。」
「大丈夫なわけないでしょ!!!私に任せてください!!」
坂内は東をなんとか説得させて、東はようやく坂内に任せる気になった。
「・・・そこまで言うなら、任せるとしよう。」
「任せてください!!んで、なにをすればいいんですか?」
こうして、東は坂内に詳しく丁寧に説明をした。
「・・・って事だ、お前でも分かるだろ?」
「なるほど、つまり、東さんの知り合いに二重人格者に対抗できる女の人がいて、その人に依頼を頼めばいいんですね!」
「そうだ、いちいち口にださなくていいぞ。」
「わっかりました!!!任せてください!」
坂内はやる気満々で返事をしたが、東はなんか微妙な顔をしていた。
「なんでそんな顔するんですか?私がしくじるとでも?」
「いや、ひとつだけ問題があってな・・、そいつ俺の言うことしか聞かないんだ。」
坂内は不思議そうに首をかしげてこう言った。
「そんなの、東さんからの命令って言えばいいじゃないですか。」
「そいつが厄介なんだ、そいつは疑り深くて、俺以外のヤツはあんまり信じないんだ。」
「・・・・それって東さんもことが好きなんじゃないですか?」
「そうだよ。」
「・・・・へ・へぇー・・」
その言葉を聞いた瞬間、急に坂内は目つきが変わり、なにやら何かを阻止させるみたいな顔に変わった。
「東さん!!その人の名前は!?」
「え?あぁ、宮下桜って名前だが・・・?」
「能力は!?」
「魂の離脱だ。」
「どこに行けばいいんですか!!?」
東は坂内がなぜこんなに必死なのか、疑問に思っていた。
「なんで、お前そんなに必死なん・・」
「いいから早く!!」
「あぁ、今電話してみるよ。携帯かしてくんないか?」
「はい!どうぞ!」
坂内は瞬時に自分の携帯を出し、東に渡した。
「・・・ど、どうも。」
ピピピピ・・・プルルル、プルルル、ガチャっ
『はい、もしもし宮下です。』
「あぁ宮下か?東だ。」
『えっ!?ウソ!優斗?信じられない、あなたほうから電話してくるなんて、そういえば・・・。』
「悪いが、話に付き合ってる暇はない。お前に依頼を頼みたい。」
『依頼?いいわよ!どこに待ち合わせする?わたしはねー・・』
「俺の会社から、歩いて3分のところのファミレスだ。」
『分かったわ!!あぁ?久しぶりに優斗と会うから、オシャレしていこ・・』
「悪いが、俺はいけない。代わりに俺の助手の坂内がいく。」
『は?』
「それじゃあ、よろしくな。」
『えっ?ジョーダンじゃないわよ!なんでそんな知らない人と会わないといけないの?・・あっ!なんか携帯の番号ちがうなーと思ってたけど、誰のよ!その携帯!まさか女・・・』
「・・・べらべら喋るな・・。その携帯は坂内ので坂内は女だ。」
『・・・!!やっぱり女!ひどい私というものがありながら・・』
「俺はお前にそんな関係はつくってない。・・・言うこと聞いたらなんでも願いごとを聞いてやる。」
『・・・本当!じゃあ日曜日にデートして!』
「・・・あぁ分かった。だからそこの待ち合わせにいけ、いいな?」
『行く行く!!あぁーデートのときできたら・・・』
ブチっ・・・プー、プー、プー・・・。
長電話もようやく終わり、東はめんどくさそうな顔をしていた。
「とういうわけだ、よろしく頼むぞ。」
「・・・デートってなんですか!!?」
「めんどくさいな、お前。」
人間と悪魔26話
今回はありません。