小説への駄目出し集 2

「物語をつくるときに必要なこと、すなわちアイデア、展開の仕方、キャラの造形、文章力、独自な文体などのポイントは全てクリアしている。つまりよく書けている作品といえる。しかし異世界ものとしては、よくあるパターンである。新味がほしい。」

「テーマに環境問題が含まれた時点でおもしろさが欠けてしまったことも残念である。主人公の女の子が特別な能力に悩んでいることについてとことん突き詰める・彼女の初恋物語にするなどの方向性もあったのではないか。」

「作品としての作戦をよく立てて、次回、別の作品でがんばってもらいたい。」

「両親があっさり宇宙人を信じて歓待するところは、こんなに単純でいいのかとも思うが、面白くもある」

「文章が導入から抜群にうまい。ストーリー展開も結末のおさめ方も巧みだ。だが、いかんせんグレードが高い。小学校高学年では「八百屋お七」を敷いていることはわからないだろうし、お色気描写ともいえる個所も気になった。中高生、どちらかというと大人向けの物語なのかもしれない。また、「オサキ」は関東地方の伝説だが、江戸時代に江戸には入れなかった。」


「語り手は「猫」だが、猫である意味があまりない。また、細部が非常にうまく表現されているが、そこまで書かなくてもいいのではないかと思われるところがある。結果的にテンポが遅くなってしまっているのが惜しい。しゃべる猫やおばけという児童文学らしい要素で構成されているが、テーマ・内容はおとなの物語。歌舞伎町ややくざの抗争といったワードも子ども目線ではない。また、この半分の量で書けるストーリーではないだろうか。順序よく書きすぎて、枚数を感じさせるのも残念な点である。 」


「内容もよくできていると思うが、ややくどく、なかなかストーリーが動かない。すっきりと終わってくれないのも残念だ。設定が強引に見えるのは、伏線が足りないからだろうか。時にマンガっぽい点も気になった。絵の変化を文章でわからせるのは難しく、おそろしげな感じが伝わりにくい。能動的でない主人公ももどかしかった。」

「主人公が自分の頭で考え、判断して、行動するということは最低条件ではないだろうか。自分から何かしていくことのない主人公に、読者が感情移入するのは難しいだろう。」

「独自な世界を創り出そうとしている一生懸命さは感じるが、詰め込み過ぎのきらいがある。小道具も多く、読者の混乱を招くだろう。絵にしないとわかりにくい場面もある。アニメやゲームにすればすんなりと理解できて、俄然おもしろくなるかもしれない。書き手の頭の中にはこの世界がちゃんと見えているはず。読者に伝えるために、もっと枝葉を削いでほしい。文章の工夫も必要だ。特に最後は、説明過多で残念だった。」


「小学生の双子のかけあいが中学生ぐらいのグレードに思えるという意見もあった。また、スナフキンのように自由なイメージのノゾミさんが実は世界の境界を司る人と自ら言うことに少しがっかりした、とも。」

小説への駄目出し集 2

小説への駄目出し集 2

  • 随筆・エッセイ
  • 掌編
  • 全年齢対象
更新日
登録日
2013-06-14

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