外の樹の前の部屋

・外の樹の前の部屋

壁の色を決める
花の名前を口にする
水をあげ過ぎたりしない
糸を巻くまで立ったりしない
机の上に登ったことを省みて座る
窓の近くで半分を閉める
床の所は風に任せる
棚の中は整える
箱は忘れる
栞は挟む
枕を投げる
羽は休ませる
絹はズレてて良い
灯のもとで書き上げる
影をトイレの角にぶつける
脚を一方的に向けたりしない
逆を正しく読みたいと思う

形を思うように口にする

外で樹は習う
鳥は鳴く為に飛ばず
虫は止まる為にも歩く
滴は雨と変わる所が少ない
人もたまには見上げる
風が時に間に入る
空は大体高い

外で樹は習う

鳥が留まることが無く
虫との付き合い方も拙く
雨は大体にして傘でかわす
滴を拭うのが常でも、

壁の色を決める
花の名前を口にして
水をあげ過ぎたりはしない
糸を巻くまで立ったりもしない
机の上に登ったことを省みて座って
窓の近くで半分を閉めた
床の所は風に任せて
棚の中は整えた
箱は忘れ
栞は挟み
枕を投げて
羽は休ませない
絹はズレてて良いから
灯のもとで書き上げれば
影をトイレの角にぶつけつつ
脚を一方的に向けたることなく
逆を正しく読みたいと 思い続ける

壁の色を決めよう
外の樹を真似てもいい