青い空と白い砂浜
白い砂浜と青い空の別枠
「ぶははははは〜さらば〜・・・・」
「ヅラのやつ、あの着ぐるみといい、パラシュートのデザインといい、趣味がおかしいやつだな・・・」
天人が大砲でパラシュートを落とそうとしているのを横で見ながらそうつぶやいた。
「晋助、今回は失敗に終わったでござるな。仁蔵殿と紅桜を失ってしまった」
「まぁ、確かにこちらの戦力、武器、人、戦艦はかなり失ったが、それは桂派も同じ。こっちは天人の手を組むことができたわけだ。大義をなすためには多少の犠牲はしかたがあるめぇよ」
青い空が広がっている。雨が降っていたはずなのにもう雨雲すらない。
「晋助さま〜」
来島また子の声がした。
「やれやれ、せっかくの綿密な計画が台無しにされたぜこんちくしょー」
「また子殿に武市殿・・・」
万斉は二人の方をみた。二人とも怪我をしていた。
「ずいぶんと派手にやられたなぁ、おい」
万斉に遅れて彼らの方を向く。
「危うく仁蔵にやられるところだったっす。その前にあの小娘にやられそうだったけど」
「2年後が楽しみな夜兎の少女、道場剣術を一通りこなした少年、そして白夜叉。この3人は桂派ではないにしろ少々頭に入れておく必要があるようですねぇ、晋助さん」
ロリコンで頭脳派らしい武市の発言、晋助はすこし考える動作をなった。
自分にむけて堂々と頭に銃口を突きつけた少女とその彼女を助けようとした少年。行動を一通りまとめると単にヅラを助けに来ようとしたらしいことが伺える。この二人もまた銀時と同じような「バカ」なにおいがする。
「ところで仁蔵殿は」
万斉が沈黙を破った。
「白夜叉が倒しましたよ、一刀両断で」
武市が一言でまとめた。
「へぇ、なにかい。仁蔵に一回やられたのにその仁蔵と一戦交えて勝ったあとに仲間逃がすために、ズラとあの一戦やってのけたのかよ」
珍しく晋助が口元で笑っている。
「ズラもズラで、逃げの小太郎の噂しか聞かなかったから剣術も鈍ったんじゃないかと思っていたがあの体でよくやるもんだ、しかも自分の退路も確保しつつだ。趣味はおかしいが頭はバカじゃないな」
あの頃となんにも変わってない。
変わったのは世界だけということ。
学舎から戦場へ、そして今回袂を分かったが
単にいつかはバラバラになるはずのものが意外とずっと同じ場所にいただけである。
「万斉は引き続き、春雨と交渉係を頼む。武市と来島は状況報告を。それと各自体力を温存をしとけ。これから大変になるからな」
そういうとふらふらと去っていった。
ーあいつが、一番この世界を憎んでいるはずだ。俺たちになにが・・・ー
晋助はぼんやりと煙草をふかしていた。
ヅラに切られた教科書を右手にもち、片目しかない目でじっとみていた。
否定なんてしない、銀時が一番この世界を憎んでもいいんだ。
なのにやっぱりなにも変わらないやつがやつらしい。
俺も変わらない、今もこれからも。
「結局なんにも変われねぇで俺たちゃ生きてるだけよ」
白い煙がふあとあがったと思えば一瞬に消え
青い空と白い砂浜
うまく余韻が残せなかった(反省