遠ざかる

君は、どこへ行ったのだろう。

愛を捨てた世界の真ん中で

終わることのない命を歌う

君と見た景色が遠ざかっていく

空をたゆたう羊のような雲も

線路をはしる電車の音も

水に踊る小魚の優美さも

日傘の奥のうだるような暑さも

まるで偽りのような

まるで幻想のような

遠ざかる

遠ざかる

  • 韻文詩
  • 掌編
  • 全年齢対象
更新日
登録日
2013-06-11

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