四季華物語

春は曙 夏は夜
秋は夕暮れ 冬はつとめて
四季折々の美しさ
それぞれの季節にはそれぞれの美しさがある
そして それぞれの季節にはそれに合う美しき「華」がある

春の華 舞い散りゆく華
その薄紅色の欠片は 宙を舞い
月と太陽の境界をただ儚く 美しく舞う
風と共に踊る 美しき春の華

夏の華 色鮮やかに咲く華
激しい音と共に咲き乱れ 静かに消える
暗き夜を明るく照らす閃光は 美しく煌く
激しくそして儚い 美しき夏の華

秋の華 燃え散りゆく華
紅く染まったその華は 温かさを纏い
冷たき風に舞いながら 力強く燃える
紅き空に燃えゆく 美しき秋の華

冬の華 降り注ぐ白銀の華
ただ静かに淡く咲き 冷風に踊る
手にする事すら叶わず 美しく消える
儚く舞い続ける 美しき冬の華

美しき四つの華 その全ての華を共に見た人
何よりも繊細で 何よりも輝いて見える
この世に一つしかない 最も大切な
君という華

四季華物語

四季華物語

  • 随筆・エッセイ
  • 掌編
  • 全年齢対象
更新日
登録日
2013-06-10

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