超能力?

日常


女「超能力って信じる?」

男「超能力?あんまり信じないなぁ。テレビでやってることあるけど、マジックみたいなものばっかりだからね。」

女「それでも『あんまり』信じないっていうのは何故?種があるなら『信じない』って言い切れるんじゃないの?」

男「宇宙人と同じで、見たことはないけどこの世のどこかには超能力を使える人がいるかもしれないからね。」

女「なるほど。男らしい考え方だね。」

男「と言いつつ、そんな人はいないと思ってるよ。特に現代社会においてはね。人と異なる力を持つ人は弾劾される世の中だから。」

女「ふーん、夢のない考え方だね。もしわたしが超能力を使えたらどうする?」

男「どうするって、どうもしないよ。どんな超能力でも、もし使えるならもうすでに使ってるだろうし。」

女「たしかに、わたしの性格だとすぐ使っちゃいそうだね。目立ちたがりだし、話したがりだから。」

男「そうだろ?でもどうして急にそんな話をしたんだい?」

女「昨日読んだ本が『素敵な超能力』だったからだよー。」

男(『素敵な超能力』?なんだその素敵なタイトルは。相変わらず女の趣味は分からん…)

女「ではここで、わたしから重大な発表があります!
実はわたしには超能力が・・・」



男・女「ありません!」キッパリ



女「ありゃ。」

男「ニヤッ」

女「どうしていつも言うことが分かるの?もしかして超能力!?」

男「違うわい!女の性格を知ってれば大抵の人は分かるよ!」

女「えぇー!でも女友ちゃんにそんなこと言われたことないよ!いつも一緒にいるのに。」

男「そうか・・・」
男(女友は優しいな…)

キーンコーンカーンコーン・・・

ガラッ
担任「ホームルーム始めますよー。」


・・・


アナ「続いてのニュースです。」

アナ「昨日の夜、岐阜県の◯◯村で変死体が発見されました。死体はこの村の住人と思われますが、林の中で倒れているところを通り掛かりの男性が発見しました。
外傷は特になく出血もない模様です。しかしながら、壮絶な表情で倒れており、顔からは身元が判別できないとのことです。
警察は死因を調べるとともに、身元の確認を急いでいます。」

女母「あらあら・・・。近所の人でも誰か分からないようなことってあるのかしら?そんなにひどい表情になっていたってことかしら・・・」ブツブツ


・・・


その日の夜

女「ハンバーグおいしい♪」

女母「相変わらずハンバーグ好きねぇ。女の好きな食べ物はハンバーグ、カレー、唐揚げ、ウインナー、オムレツ・・・いつまで経っても子どもっぽいわねぇ。」

女「べ、べつにイイじゃない!おいしいものはおいしいんだから!それに最近はラーメンやシチューだって好きなんだからね!」

女母(全然反論になってない…)

女「とにかく、ママの料理がおいしいのよ!」

女母(パァッ!)

女母「まぁ、ありがとう」テレ

女(ハンバーグを食べるためなら何でも言ってやるさ)

女「昼間に仕事して、家事をやるのって大変でしょ?だからおいしいご飯を作ってくれるママにはいつも感謝してるよー。」

女母「残念、今日は仕事休みでした。」

女(う、しまった。褒めたつもりが失敗…)

女母「だから今日は家でのんびりテレビ見ながらダラダラお家事やってたわよ」エッヘン

女「いばることじゃないでしょ!」

女母「そういえば、お昼にテレビで変なニュースやってたわよー。なんでも、顔が分からないほどひどい表情で死んだ人がいるとかって・・・」

女「なにそれ?その人はよっぽど怖いものでも見たのかな?オバQとか?」

女母「・・・女の発想って古いわね。せめて鬼太郎とか思い付かないの?」

女「イヤイヤ、どっちも古いから!」

女母「わ、分かってるわよ!冗談に決まってるじゃない!」

女(ホントかなぁ)

女「ごちそうさまー。あー、おいしかった♪」


・・・


とある家の中

?「今回も特に何もなさそうだな。」

??「あぁ、何もあるわけがない。世間に蔓延る『常識』が我々の盾になるからな。」

???「フッ、なんならもっと派手にやったほうがイイのかしら?」

?「!? バカなことを言うな!ムダに危険な橋を渡ることなどない!」

???「アナタっていつも心配性ね。??も言ったように、私たちには頑丈な盾があるのよ。そう、絶対に壊すことができない屈強な盾がね。」

?「それでもムダなリスクなど不要だ。」

???「はいはい、分かりましたよ。」フゥ


・・・


夏休み前日

女「今日で1学期が終わりだね♪」

男「あぁ、このクソ暑い中を歩いて学校に来なくて済むのは救われるな。」

女「男は夏休みの予定何かある?」

男「別にこれといって決まってないけど。部活は引退したから、バイトと受験勉強ぐらいかな。」

女「うわ、高校最後の夏休みだというのに寂しい夏休みだねー。」フッ

男「!? さ、寂しくて悪かったな!そう言う女は何か予定あるのか?」

女「!?」(しまった…)

女「も、黙秘権を使用します。」

男「フッ」

女「鼻で笑ったわね!」

男「女はたしかバイトもしてないから、もしかして全く何も予定がないんじゃないの?」

女「うっ」


女「そうよ、予定なんて何もないわよ!だから何よ!べ、別に寂しくなんかないんだからね!」

男「・・・」

女「・・・」

男「じゃあ、ヒマな者同士一緒にキャンプでも行くか?」

女「えっ!?」パァッ!

女「わ、わたしと二人で行くの?」

男「いや、女友と男友も一緒に行こうかな。キャンプは人が多いほうが楽しいからね。」

女「そ、そうだよね。」ガッカリ

男「早速誘ってみるか。おーい!男友ー、女友ー!」

男友&女友「どうしたの?」

男「明日から高校最後の夏休みだろ?だから4人でキャンプに行こうかって計画立ててたんだ。夏休みは予定ギッシリであんまり時間ないけど、1日や2日ならなんとかなりそうだからね。」

女(なぜ見栄を張る…)

男友「おう、そういう話なら俺は喜んで参加するぞ!バイトはあるけどそれぐらい何とでもなるからな。」

女友「男友が行くならアタシも行こうかな。アタシもバイトはあるけど自由出勤だからね♪いつでもオールOKよ。」

男「それじゃ決まりだな。さすがに今週の予定は決まってるから、8月1日に出発でどう?」

女「わたしも忙しいけど、たまたまその日は空いてるから大丈夫よ。」

男「あー、やっぱり8月3日にしようかな。」ニヤッ

女「!? ・・・8月3日もたまたま空いてるから大丈夫よ!」アタフタ

男友&女友「・・・」

女友「女ちゃん、夏休みの予定あんまりないでしょ?」

女「・・・はい。」ウゥッ

女(男のイジワル…)

男「やっぱり8月1日で。」ニヤッ

女(!? 完全にハメられたわ…。)

男「男友と女友は空けれそう?」

男友「あぁ、俺は大丈夫だぞ。来週以降のシフトはまだ決まってないからな。」

女友「アタシは自由出勤だから問題なし♪なんなら明日でもイイヨ。」

男&男友「明日はムリだよ!」

女友「融通のきかない男は嫌われるゾ♪」

男友「おいおい、それは融通がきくきかないっていう話じゃないだろ。全く・・・。」

男「それじゃ決定!場所はテキトーに見繕って勝手に決めるけど良い?」

女「あんまり歩かないところならどこでもイイわよ。まぁ、男も体力ないからその辺は大丈夫だと思うわ。」

男「そうそう、オレは体力テストもクラスで最下位だから・・・って何言わせるんだよ!キャンプの前に疲れるのはイヤだから、行きやすい場所を選ぶよ。」

女友「アタシもあんまり歩かないところがいいなー。」

男友「俺はどこでもイイぞ。」

男「行く場所は決まったら連絡するから、8月1日ってことだけ忘れずに。」

キーンコーンカーンコーン・・・

担任「はい、それでは終業式が始まるから体育館に移動してー!」


・・・


その日の夜

女の部屋

女「夏休みに男とキャンプかぁ」ワクワク

女「二人で行けたらもっと良かったけど、付き合ってもいないのに二人で泊まるわけないよね。近場で遊ぶことはあるけど、男と遠出するのは初めてだから4人でも楽しみ♪」

女「他に予定もないし、早く8月1日にならないかなー!」


男の部屋

男「待ちに待った夏休みだ。」

男「しばらくは普通に過ごしつつ、あの日のために準備を進めていこう。」

男「きっと驚くだろうな」ニヤッ


・・・


7月25日

男「メール送信・・・と。」

女「あ、男からメールだ。えっと・・・『キャンプまであと1週間!行き先は岐阜県◯◯村に決定!!駅近・絶景・評判抜群、にも関わらず学生は超格安!一人2,980円でバーベキュー+キャンプ代込みだってさ。ということで当日はよろしく!』」

女「おぉー、男って意外としっかりしてるのね。場所もそんなに遠くなさそうだから良さそうだわ♪」

女「ん?またメールだ。あれ?また男からだ。
『追伸。女の分はオレが出すからお金は気にしなくていいからな。その代わりみんなを楽しませてくれぃ!』
・・・男、ありがとう。もちろん楽しむわよ♪」

女「返信、と。」

男「女からメールだ。なになに・・・『キャンプ場はなかなか良さそうなところだね!しかも自分の代金まで出してくれるなんて至れり尽くせりだよ~。そんなに気を遣わなくてイイのに、と言っても男は聞かないだろうから今回はお言葉に甘えさせてもらいます♪当日はみんなを満足させてみせるわよ!』」

男「女はやっぱり気付いてないか」フッ


・・・


8月1日

女「ついにキャンプの日がきちゃった。いざとなると緊張するなぁ。こんな服でイイのかな?女の子アピールしたいからスカートにしたけど、キャンプだからジーパンのほうが良かったかも。」

女「ううん、やっぱり見た目も大事だからスカートにしよう!でも草むらに入ったりするかもしれないから、ニーハイは履いていこうかな。」

女(なんかアニメの女の子みたいになっちゃったなぁ。男の好みに合うか不安だよ。)

女「あ、もうこんな時間だ!ママ、これからキャンプに行ってきます!」

女母「行ってらっしゃい!暑いから日射病や熱中症に気をつけるのよ。ところでキャンプの場所はどこ?」

女「キャンプの場所言ってなかったっけ?岐阜県の◯◯村よ。友達がイイところを見つけてくれたんだ♪」

女(男と泊まるなんて言えないもんね)

女母「◯◯村ってどこかで聞いたような・・・?」

女「キャンプの評判がイイみたいだよ。ママはキャンプなんてしないのに知ってるってことは、ホントに評判がイイのね。」

女母「そうね・・・。」

女母(何か違うような気がするけど…)

女「そろそろ出発するね。行ってきま~す♪」

女母「行ってらっしゃい♪」

超能力?

超能力?

  • 小説
  • 短編
  • 全年齢対象
更新日
登録日
2013-05-30

Copyrighted
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