【R-18】ジュンゴとフミが結婚したら。
デビルサバイバー2より、ジュンゴとフミのお話です。アニメだけ観た人にはわかりにくいと思いますがこれはこれで結構萌えるので一読していただけると幸いです。
性描写入ってますのでお気を付けください。R18に一応しておきましたが、改めて読んでみるとそこまでじゃないです。がっかりさせてしまった方、すみません。。。
最初。
「ねえ、フミ。最近実験しないね。ジュンゴもう使えない?」
たくさんの見たことない装置が並んだ薄暗い部屋。フミは後ろに立つジュンゴに目もくれずに答える。
「あー…いや、アンタは実験体としては十分今でも使えるよ。体力もあるし若いしね。でも、ちょっと、ね。」
「ちょっと?」
机に向かって作業していた手を休め、ひとつため息をつくと、ジュンゴのほうに体を向けた。
「なんかさあ、ヒビキに止められちゃったんだよねえ…ホラ、前にアンタが苦しんでた時あったじゃない。」
ジュンゴはしばらく考えたあと、思い出したというようなそぶりを見せた。
「…あれ?でも、ジュンゴはまだまだ大丈夫、実験できるよ。」
「ハハハ…さすがだねえ。だけどさあ、そこまで乗り気になんなくていいよ。死なれたら困るかもしんないし。みんなが。」
フミはまた作業を始める。
その後ろ姿を見つめながらジュンゴはゆっくりと口を開いた。
「…フミ。ジュンゴ、言いたいことがある。あのね…」
フミはその言葉を遮る。
「あー。あのさ。邪魔なんだけど。気が散るんだよねえ。出てってくんない?」
「…ん。わかった。またね。」
部屋が静まりかえる。
「出てきていいけど。」
物音の後、実験器具の影から、ヒビキが現れた。
「なんで隠れなくちゃいけなかったのさ?」
「なんとなく。てか、こんな薄暗い部屋でこんなにセクシーなお姉さんと性欲の塊男子高校生が一緒だと怪しまれるでしょ。」
「表情一つ変えずにけっこうひどいこと言うなあ…ところでさ。」
「・・・・何。」
「ジュンゴの実験を断ったのって、オレが言ったことのせいだけ??」
作業の手を止めるフミ。
「ははは…アンタにはごまかせないか。まあ、それだけじゃないよ。でも、教えてあげない。」
またすぐに作業に入り、口には出さないが態度で出てけと言っているのがわかる。ヒビキはそっと部屋を出た。
確かにさ
「うーん、確かにさ。アンタが言ったことだけじゃないんだよね。コレが。」
誰もいない部屋で、独り言をつぶやく。
「・・・・アタシらしくないなあ。」
コンコン。扉をたたく音。
「ちょっと、誰?次から次へと・・・今日はゆっくり実験したい気分なんだけど。」
「…ん…ごめん、フミ。やっぱり言いたい。だから、入れて?だめ?」
「・・・まあいいよ。入んな。」
扉をゆっくりと開け、ジュンゴが入ってくる。顔には、どことなく緊張感が漂っていた。
「どした?そんなかたくなって。言いたいことあんでしょ?さっさと言いな。」
「うん。あのね・・・」
ジュンゴの緊張した面持ちに、なぜかフミも緊張していた。
「ジュンゴ、フミが好き。」
「・・・は?・・・はっ??」
状況が呑み込めない。突然このタイミングで告白ですかね?
「・・・だから、もっと実験していいんだよ。使っていいよ。ジュンゴ、フミの近くにいたい。」
フミは一瞬にやっとすると、すぐに真顔に戻って言った。
「えっとねえ…アタシがジュンゴ使って実験すんの断った理由ってヒビキだけじゃないよ。」
「??」
フミにとってはつながっているが、ジュンゴにとっては急に話を変えられたと思い、困惑した顔をするジュンゴ。
「ちょっとアタシも話したいことあるんだよね。少し聴いてくれる?」
話
「なんか、よくわかんないけど、アンタに興味出てきてる。」
ジュンゴは首をかしげる。
「? それは、実験に使えるから?」
フミはニッと笑って首を横に振る。
「違う。『人間として』かな。・・・いや、それも違うな。『異性として』かもしれない。
正直、ジュンゴのことがもっと知りたくなってきてる。それなのに実験体として使うなんてもったいないよ。
さっき、死んだらみんなが悲しむかもねって言ったけど、ある意味で一番悲しむのはアタシだったかもしれないってことさ。」
「ごめん、何言ってるかわからない。。。。」
「あはは!ちょっとアタシらしくない言い方だったかも。まどろっこしかった。」
そう言って一人で笑うフミと、一人で理解できずにポケっとするジュンゴは、対照的だった。
「ジュンゴにもわかるように簡単に説明するとさ。アタシもジュンゴと同じ気持ちかもってこと。まあ、好きってこと。」
やっと意味を理解したジュンゴの顔がみるみるうちに明るくなっていく。
「フミ、ジュンゴ嬉しい。ジュンゴはフミが好きで、フミはジュンゴが好き。」
「…そうだよ、でも、ちょっと恥ずかしいから何回も言わないでくれないかな…」
「ん。ごめん・・・だけど、ジュンゴ夢が叶って嬉しい。」
「夢?」
ジュンゴはそっとフミの左手を両手で握る。
「フミと家族になる夢。ジュンゴ、家族欲しかったから…」
一瞬、ロマンチックな甘い空気がその場を包んだ。が、フミの顔が驚きの顔へと変わってゆく。
「は?え?!アタシ達、まだ正式にお付き合いとかしてもいないのにもう結婚の話?!」
当たり前だよ?といいたげな顔のジュンゴ。
「そうだよ。だって、ジュンゴはフミと結婚したい。そうだ、みんなにも報告しなきゃ!きっとお祝いしてくれる!!」
そう言ってフミをお姫様抱っこで抱え、二人は部屋を飛び出していった…
今
「とまあ、あれから一年が過ぎましたよ、と。」
「フミ?誰に言ってるの?」
「・・・独り言。」
そう、あのお姫様抱っこから、一年が過ぎた。実際にあのあとジュンゴはアタシを抱えたままでみんなのところを回って、
「ジュンゴ、フミと結婚する。だから、みんなにもお祝いしてほしい。」
と言い回り、実際に全員(でもなかったが)に祝福され、実際に結婚までしてしまった。今はジプスのお互いの部屋を行き来するような感じ。
アタシ、今になって気づいた。押しに弱い。ていうかジュンゴに弱い。あんな大型犬みたいなカラダして性格は純朴な子犬みたいな19歳見たことないわ…今は20歳か。
あの目でジュンゴにお願いされたらなんだかんだで聞いちゃうし、ほんっとに弱いなあ、なんか。
「どうしたの、フミ。」
アタシはジュンゴを見つめたまま考え事をしていたらしい。すぐに目をそらす。
「なんでもないよ。」
ジュンゴはアタシの事好きでいてくれてんのわかるし、アタシも結局ジュンゴが好きだから、結婚に後悔はしてない。縛られることもないし。
ただね。。。
結婚して半年以上経つのにまだ一回もエッチとかしたことないんだよね…
そこまでアタシを大切にしてくれてんのかな?でも、それも違う感じがするし。
まだ子供の話とか出てないしよくわからないなあ。
「…そうだ。おトメさんにお茶しよって誘われてたんだった。行ってくる。」
「ん、行ってらっしゃい。」
おちゃのじかん
温かい湯気が、カモミールの香りを鼻腔まで運ぶ。乙女の淹れるハーブティーはジプス局員の間でも有名だった。
「まさか、フミちゃんが結婚するなんてねえ~しかも、ジュンゴくんと!」
「もう、何回もそれ聞いた。」
フミは少しうんざりしたふりをしてみせる。この言葉から会話が始まるのがここ最近のお約束だったから。
「だってー、意外すぎるんですもの。フミちゃんは結婚なんかしないと思ってたのに!ね、マコトちゃん。」
マコトは、カモミールティーを飲もうとしたところで話をふられ、口をつけようとしたカップを机にそっと置く。
「そ、そうだな…私もフミは一生独身だとばかり思っていたが…」
「はいはい、それも何回も聞いた。これも何回も言うけど、アタシが一番驚いてる。まさかって。」
この定例お茶会は、フミが結婚してからはフミの結婚生活の話題がほとんどを占めていた。
「みんな驚いてるわよねぇ、表情があるのかないのかわからない超理系クール人間が人を好きになって結婚して、しかもその相手があのジュンゴくんでしょお?」
「おトメさん、平気な顔してひどいこと言うね。」
マコトが用意した紅茶クッキーをひとくちかじる。紅茶の香りってどうしてこんなにいいんだろ。
「そういえば、昨日ダイチが息せき切ってここへ来て、『フミとジュンゴが手を繋いでデートしてるぞー!』って大騒ぎしててな。」
「あーあれねー!だから、私たち三人でこっそり見に行ったのよねー!」
フミがカモミールティーを気管につまらせる。
「ゲホッ!!・・・・え??アンタたち見てたの?ダイチは後で呼び出しだな。」
「なかなか幸せそうな顔してたじゃないフミちゃ~ん?女の顔だったわよ~?」
フミは少し顔を赤くした。
「…おトメさんはからかうのだけはほんっとにうまいよね。・・・まあ、幸せだよ実際。」
「あらあら、マコトちゃんうらやましそうね。自分もヒビキくんとそうなれたらいいなーなんて思ってるのかしら?」
急にマコトへと標的が変わり、油断していたのかマコトもカモミールティーを思い切り吹いた。
「オオオ…オトメっ!なんてことを言って・・・!!!!」
「あはは、やっぱからかいがいがあるのは迫っちだねえ。」
あの
「…ところでさあ。。。」
話がひとだんらくしたところで、フミは話を切り出す。
「ちょっと、相談があるんだよね。」
「あら、フミちゃんが珍しいわね。どうしたの?」
「アタシ達さあ、結婚して半年は経つじゃん?それなのに、まだ一回もエッチとかそういうのしたことないんだけど。」
またマコトがお茶を噴く。
「フフフ、フミッ!!そういうことはな、その、あまり普通の声で言うことではないと思うがッ!!!」
オトメとフミは大真面目な顔をする。
「えー?大切に思われてるってことじゃないの?」
「うーん、アタシもそれかなって思ったけど、なーんか違う気がするんだよね。そうだな、まるで興味ない感じに近いというか。」
マコトは顔を真っ赤にしながら無表情でお茶をすする。
「ジュンゴくん、フミのカラダに興味ないのかしら…」
「オトメはどうしてそういう言い方しかできないんだッ…!」
オトメはさらっとマコトを無視して、話を続けた。
「子供とかどうなの?ジュンゴくん、家族欲しいって言ってるんでしょ?子供の話とかでないの?」
「いやー出ないね。かといって、アタシもジュンゴに言われたらわからないけど今欲しいとかないし。」
「ちょっとわからないわねー…ジュンゴくんって変わってるから本人に聞かないとねえ…」
「だよね。まあ、いいや。じきに話に出るだろうし。待ってみる。」
それで、今回のお茶会はお開きになった。
事実
フミが部屋に戻ると、まだジュンゴはフミの部屋にいた。
「おかえり、フミ。」
フミに気付いたジュンゴは、玄関のフミの前までやってくる。
「ただいま。なに?どうした?」
フミを見つめたあと、急にフミの前でひざまずき、おなかに耳を当て始めるジュンゴ。
「な、なに・・・?!」
「うーん、まだ、できてない?赤ちゃん。」
「・・・・・・・・・はい?????」
何を言っているんだ?アイリの言葉を借りるなら、「このバカジュンゴは」だろうか。
「あ、赤ちゃんなんてできるわけないじゃん…だって、アタシたち子供ができるようなことしてないでしょ?」
まさか、アタシが寝てる間に…?!なんて不吉な考えがよぎったが、フミの予想をはるかに超える答えが返ってくる。
「え・・・?してるよ?毎日、手繋いで寝てる。子供はそうやってできる。」
「ちょっとアンタ…それ本気?!」
「うん。」
ジュンゴの真顔を見た瞬間、アタシは気づいたらオトメのところまで走っていた。まだマコトもいた。
「してた!!!!してたわアタシたち!!!!!」
「フミちゃん?!?!な、何をしてたの!」
「子作り!!してたみたい!!!!」
「だから!大きい声でそんな事いうな!!!!」
「あ、ゴメン、じゃないわ、ジュンゴが、『手を繋いで寝ると子供ができる』って言った、の。」
オトメももちろん、マコトまでもがポカンとしていた。そんなことをあの歳まで思い込んでいる男なんているのか、と言いたげな顔だった。
「アタシもアンタたちを同じこと思ってるから大丈夫。でも間違いないわ。本気だよジュンゴ…」
「じゅ、ジュンゴくんならありえなくはないかも…あの子、純情だから…」
「私がこんなこと言うのもおかしいが、その、フミが教えてやらないといけないんじゃないか…?」
三人を微妙な空気が包む。
「・・・・そうね、フミちゃんが教えるしかないかもね…」
作戦
「それでは、これから作戦会議を始めようと思う。」
マコトの真面目で堅苦しい声と、オトメとフミの真面目な顔。でも、話す内容はその雰囲気とはかけ離れたものだった。
「まず、ジュンゴくんに『どうやったら子供ができるか』を教えてあげないとね…」
「アタシがジュンゴに教えたんじゃ理解してくれないと思うんだよね。おトメさんお願いできない?」
「うむ…私もそれが適任だと思う。私なんかじゃ教えてやれそうもないしな。」
オトメはふふっと笑ってみせる。
「あら~保健の授業みたいで楽しそうねぇ。いいわよ、私がやってあげる。」
「よし、まずはオトメが鳥居にその…子供の作り方を教えて、だな…次はどうするんだ?」
そこで一旦沈黙。口を開いたのはフミだった。
「とりあえずさ。様子見?ジュンゴがオトメに教えてもらってどう動くか、それで何か行動起こしたらまた次の作戦を練る。と。こんなんでいいんじゃない?」
「そうだな。」
オトメとマコトがうなずく。
「こういう何が起こるかわからないような戦場では、相手の出方をみて細かく作戦を変えていく必要があるからな。固めてしまうとよくないだろう。」
フミとオトメがやれやれといった顔でお互い見合わせる。
「迫っち。これ戦いとかじゃないから…すぐ戦いとか言っちゃって、迫っちモテないのはそれが理由かなあ。おトメさん」
「そうね~ふふ。ヒビキくんはモテるしこれは結婚まで遠いわね~」
「お前たち…!」
この仲良し三人組は、いつもこうやって過ごしていた。女性の少ないジプスで、それぞれ違う立場で優秀な三人の女性がここまで気が合うなんて珍しい。
作戦開始
後日、ジュンゴはオトメに呼び出された。フミの実験によって健康状態が変わっていないか調べるためだと言われて。
もちろん、陰にフミとマコトが隠れて話しを聞いていた。
「オトメ、ジュンゴ大丈夫…?まだ実験できる?」
「うふふ、全然大丈夫よ。ジュンゴくんやっぱり丈夫ね。健康そのものだわ。」
「ううん、フミがジュンゴのこと気にしてくれてるから。ジュンゴ危ないことされてない。」
オトメはニッコリする。
「ジュンゴくんはフミちゃんに大切にされてるのね~うらやましいわ。ジュンゴくんもフミちゃんが好きなんでしょう?」
ジュンゴはうん。とうなずく。
「うん。ジュンゴはフミが好き。ずっとずっと好き。」
「なんでかしらね、私の方が恥ずかしくなってきちゃうわ。」
陰できいている2人も、全く同じ感想だった。フミは小さく咳払いのしぐさをすると、早く次へゆけと手で合図をする。
「そ、そうだ、ジュンゴくん…」
それとなく、話を切り出す。
「ジュンゴくんとフミちゃんが結婚してから結構経つけれど、子供とか欲しいと思ってるのかしら。」
ジュンゴは真顔になる。
「ん…欲しい。ジュンゴ、仲間はいたけど、ずっと一人ぼっち。家族が欲しい。でも…子供できない・・・」
しょぼんとするジュンゴ。ここからが本題であり、作戦の要。
「ジュンゴくん、どうやって子供ができるか知ってる?」
オトメは優しい口調で聞く。ジュンゴは当たり前といった顔で答えた。
「知ってる。手を繋いで一緒に寝る。」
予想通りの答え。オトメはまたにこっと笑うと、ジュンゴにわかりやすく説明しようと試みる。
「あのね、子供はそれだけじゃできないのよ。ジュンゴくんとフミちゃんが一つにならないと…」
「?? ジュンゴとフミ、一つになってない?」
「そうね、心は一つになってるかも知れないけど、身体的な意味で、ね。」
その言葉の意味を知っているマコトは、顔を赤くする。
「ふ、フミ…私は聞いていてすごく、恥ずかしい、のだが。。。」
「しっ!ちゃんと迫っちも聞いてないとだめでしょ?」
そんな二人に気付かないジュンゴは、オトメに疑問を投げかける。
「身体も一つになれる?」
「そうよ~ジュンゴくんにあるモノとフミちゃんにあるm…」
ガッシャアアアアン!!!
マコトが部屋のしきりを倒してしまう。
「わわわ…!えっと、す、すまない…!!!!!」
部屋をすごい勢いで去っていくマコト。茫然とするフミとオトメとジュンゴ。
「…? フミ?何してるの???」
失敗
「はあ~焦ったあ…!」
フミはジュンゴになんとか言い繕い、その場をごまかした。そして、今ジュンゴは帰り、医務室にさきほど逃げたマコト、フミ、オトメが顔を合わせていた。
「す、すまない…どうしても聞いていられず身体が勝手に。。。」
「迫っちの純情っぷりにはあきれるねぇ…で、どうする?」
「とにかく、ジュンゴくんには『身体的に一つになることができる』ことは教えたから、あとはフミちゃんが実践してあげるしかないんじゃない?」
「んー。…え?実践…?それってアタシが襲うってコト??何それ?」
「襲うって言い方はちょっと違うけど…まあヤることは間違ってないわね。」
「・・・まあいいけど。ジュンゴにアダルトビデオとか見せたくないし。」
「アダルトビデオで勉強させる気だったのか…??」
マコトが驚く。
「別に女が受け身じゃなくたっていいしね。大人の余裕ってヤツをみせてやりますか。」
「しかし、意外だな。フミが子供をつくるためにそこまでするとは。フミは子供なんて欲しくないタイプだとばかり思っていたが。」
マコトの発言に、オトメもそういえばそうね、と言わんばかりの顔でフミを見つめた。
「そうだね。アタシも驚いてるよ。アタシってさ、結婚してから気づいたんだけどジュンゴにすごく弱いんだよね。さっきのジュンゴ見たでしょ?
真剣な顔でさ。子供が、家族が本気で欲しいって思ってる。そんなジュンゴの気持ちに応えてあげたいんだよね。
アイツの悲しそうな顔、見たくない。アタシにできることならなんでもしてやりたい。ドMなのかな、アタシって。」
少し照れた顔で笑う。
「ま。そゆコトで、精神論なんてアタシらしくないけど、いっちょガンバってきますかねえ。」
ひらひらと手をふり、医務室を出ていくフミ。
残された二人は、お互いに顔を見合わせる。
「なんていうか…フミちゃんって、あんな表情とかするようになったのね。」
「ああ、そうだな。だいぶ変わったよ。…ホントに、鳥居があそこまで変えてくれたんだな…」
「ふふ、マコトちゃんも結婚すれば変わるのかしら?ヒビキくんに会ってからだいぶ変わったけれど♪」
「ま、またオトメは…!」
いよいよ?
フミが自室に戻ると、やっぱりジュンゴがいた。
「おかえりフミ。今日は忙しいね。」
「んー、まあね。いろいろ。」
「ねえ、フミ。ジュンゴとフミって一つになれる?オトメから聞いた。一つになると子供できるって。」
「うん。そうだね、できるかな。」
「一つになるってなに?悪魔みたいに合体できる?でも、一つになっちゃったらお父さんとお母さん一緒にやらなくちゃいけない。。。それ大変。」
あーなるほど。ジュンゴは悪魔同士が合体して新たな悪魔が生まれるみたいに考えてるのか。
「ジュンゴはなんにも考えなくていいよ。アタシが教えてあげるから。だから、今日の夜はハダカで寝てな。」
自分でもなかなかすごいこと言ったと思う。普通の人なら照れるか緊張した顔するよね。
「…? 実験する?ジュンゴ、わかった。」
実験をすると思ったか。間違っちゃないよね。ある意味で。
なんだろう、アタシの方が緊張してきたわ…。
夜
「やっばい…緊張してきた…」
シャワーの水の勢いが激しく感じる。身体を打ち付けられてる感覚。
ジュンゴはさ、わからんからいいよね、のんきにさ………
身体なんてそんな念入りに洗ったことなんてないけれど、やはり意識しているからか少し時間をかけて身体を洗った。
「…ふぅ…」
フミはタオルを身につけるべきか、服を着るかで数分悩んだ。
「…お待たせ~」
平静を装ってジュンゴのもとに行くと、ジュンゴは、すごく緊張した顔でベッドにあおむけで寝ていた。
純情なフリしてホントは意味知ってんじゃないの?なんてフミが思っていたところに、
「あ、フミ…ジュンゴ、どうなっちゃう?なんだか手術…みたい。」
おお…初めての実験タイプだからおびえてるのか。ジュンゴもジュンゴなりに緊張してるみたいだ。
「大丈夫だよ~腹切ってひらいたりとかそんなことしないからさ。アタシ医者じゃないし。」
「だって、フミ、いつもの恰好してる。寝る前は違う恰好。」
フミは、いつも着ているチャイナ服を着ていた。下着をつけずに。
「ふっふっふ…ジュンゴ、今から寝ちゃだめだよ???」
フミはジュンゴの横に正座すると、がっちりとジュンゴのモノをつかんだ。
「?!フミ??!何するの…!」
ジュンゴは驚きにあまり動けないらしい。好都合。
フミは優しく、じらすように上下に手を動かす。
「っ…ふ、フミ…ッ」
「お、よかった反応してきた。もしこれで生殖機能不全とかだったら困るとこだったけど。ていうかアンタ、やっぱカラダ大きいだけあってこっちも大きいねぇ。楽しみだわ。」
フミはニヤっと口角をあげた。
「ん…フミ…これ…なんの、実験、なの…っ?」
ジュンゴの顔が紅潮してゆく。息も荒い。
「これはね、ジュンゴと一つになる方法を実践してんの。まあ、おとなしくしてりゃアタシが教えてあげるから」
「一つ…?じゃあ、ジュンゴとフミは…っ、子供作ろうとしてるの…っ??」
「そうだよー」
フミは手を休めない。緩急をつけつつ、先の方から根元の部分までまんべんなく撫でてゆく。
「…よし、こんくらい硬くなればいいっしょ」
「…はぁっ… ・・・?」
フミはよっこいしょとジュンゴの上にまたがる。
「いや~アタシも久々だからなあーちょっとキツイや…ん…お、入った。」
ぬるっと何かが入ってゆく感覚。何年ぶりくらいかな、これ。
「なんか…あったかい…」
「アタシの体温。今ジュンゴはアタシと一つになってる」
「…ジュンゴ、フミのことぎゅってしたい。」
ジュンゴがそっとフミに手を伸ばす。フミはそれに応えるように、ジュンゴに覆いかぶさる。
「よくわからないけど、今、フミと一つになってる。ジュンゴ嬉しい。」
それはフミも同じ気持ちだった。でも、照れが先行してしまう。
「…ここからが本番だよ。アタシのも馴れてきたし、動くよ?この体勢少しキツイけど。。。」
くちゅ。っと音がする。フミは腰を動かし始める。
「はっ…!あ・・フミ…!」
ジュンゴは今まで感じたことのない不思議な感覚と、初めての快感に戸惑っている様子だった。フミを強く抱きしめる。
「んっ…ジュンゴ…ほんと可愛い顔するよね…二回はイってもらうよ?」
しばらく、ベッドの軋む音と、ジュンゴの吐息と、フミの吐息だけが響く。
「フミ!なんか、ジュンゴ、変っ…」
「イきそう?イっていいよっ…」
動きが止まる。
「なんとなく痙攣してる感じ、出したんだ。」
「はあ…はあ…フミ…ジュンゴ、フミが大好き。」
突然の愛の言葉に、フミはたじろぐ。
「な、何?急に…」
紅潮した顔で、とろけそうな笑顔で、フミを見つめる。
「ジュンゴ、フミとずっと一緒にいたい。死ぬまで、ううん。死んでからもずっと一緒にいる。」
それにつられて、フミの顔も少し紅くなる。
「死後の世界がどうとか、非科学的すぎ。なんの根拠もないじゃん。
でも…そーゆうの、キライじゃない。というか、ジュンゴが言うならなんでも好き、なのかも。」
ジュンゴは幸せそうな顔をして、フミを抱きしめた。
「…幸せそうな顔すんな、ばーか…あともう一回やんなきゃいけないんだからね…」
朝に
窓から漏れ出る朝日に起こされる。
「んーん…朝…か。」
フミはゆっくりと上体を起こした。なんとなく肌寒い。あ、そっか、ハダカじゃんアタシ…
昨晩は、あれから三回したんだっけ…こいつ、体力バカなだけあるよなあ…
横で眠るジュンゴの、幸せそうな顔をしみじみと見つめる。
そっと頭を撫でてやると、気づいたジュンゴも目を覚ましたようだった。
「ん…フミ?」
身体を起こしたのと同時に、フミは抱きしめられた。
「…どした、ジュンゴ。」
「・・・・・・服のまま抱き合うより、裸のまま抱き合った方が、温かい。ジュンゴ、知らなかった。」
「はは、なんだそんなことか。そりゃそーだよ。熱伝導率ってのが服着てるときより…こんな話してもジュンゴにはわかんないか。」
「ジュンゴ、うれしい。フミのぬくもり、ちゃんと感じられる。フミ、温かい。」
・・・そういう、真っ直ぐな言葉はホントに弱い。ダメ。アタシの心に直接入ってくる。
「・・・あのさ。服着替えたいんだけど。アタシ、あんたと違って風邪ひいちゃうんだよね。」
照れ隠しでしかない言い訳だったけど、隠してることをばれないように隠すのは意外と大変だ。
「ん…。わかった。ちょっと残念。」
ジュンゴはそっとフミから身体を離した。
――――――――――――――――
その後
あの夜から数日が過ぎた。
「…ノ…ンノ…おい!!!菅野!史!!!!!」
目の前にマコトが立っている。自分の名前が呼ばれたのだとここで気づく。
「おー迫っち。どした?」
「どした?ではない!最近ぼーっとしてばかりではないか。」
「えーそう?いつも通りだけど」
二人で言い合っているところに、オトメがやってくる。
「ウフフ。私にはわかるわよ~。おめでとうフミちゃん♪ちゃんとできたのね」
フミは照れることも隠すこともせずにさらっと、
「いやあーおトメさんにはほんとかなわないか~。まあね、うまくいったわけよ。」
「???何かうまくいったのか?」
要領を得ていないマコト。
「何って、子作りよお~ジュンゴくんとの♪」
マコトは思い出したようで、かおを紅くする。
「なっ…!…………で、でも、よかったじゃないか。おめでとう。」
生々しいのは苦手なマコトでも、やはり祝う気持ちはあるようだ。
「よかったよかった。それにしてもさぁ…………ジュンゴが可愛いんだよね…。」
マコトとオトメは顔をみあう。
「アタシ、今幸せ過ぎて死ぬかも。」
フミの、今まで一度も見たことのない人間らしい、年頃の女らしい照れた笑顔。
「お前が最近ぼーっとしてるのはそれか…!」
「いいわねぇ。もう毎晩お盛んなのかしら?」
「まぁねージュンゴ体力だけはあるし。こりゃ子供の顔も近いうちに拝めそうだわ。」
【R-18】ジュンゴとフミが結婚したら。
初めて性描写、と呼んでいいのかわかりませんが…性描写を書きました。難しいし照れますね。とにかく、ジュンゴとフミは論理派クールと人情派体力バカの精神的デコボコカップルで大好きです。ジュンゴとケイタとか、アイリとケイタとかも書いてみたいと思っています。読んで下さってありがとうございました。