ブックソムリエであるということ
ソムリエといえば普通はワインソムリエのことを指す。
お客様の希望するワインをコーディネートする仕事だ。
当然ワインの豊富な知識が問われるのだから、ソムリエの資格試験は必要となる。
最近新たにソムリエの資格として出てきたものとして野菜ソムリエが挙げられる。
食育を目的とした資格で、野菜や果物の種類や栄養、特性から素材に合った食べ方や盛り付け方に精通した、いわゆる野菜と果物のスペシャリストだ。
ベジタブル&フルーツマイスターとも呼ばれ、資格自体も「野菜ソムリエ」「シニア野菜ソムリエ」「ジュニア野菜ソムリエ」と分類され、あくまで野菜ソムリエと言われるのは「野菜ソムリエ」と「シニア野菜ソムリエ」だけだ。
私もソムリエのような活動をさせてもらっている。
ブックソムリエをやらせて頂いているのだ。
ブックソムリエとは読んで字のとおり「本のソムリエ」である。
ちなみに資格は必要なく、名乗った者勝ち的な曖昧なものだが・・・・・・。
やっていることはどのような本が読みたいかを聞き、それに対して本を薦めることだ。
読む側の年齢がある程度ハッキリしてたり、読みたいジャンルがある程度具体的だったりすると私としても薦めやすい。
あるいはイメージがあってもいい。
ただ、あまりに限定されすぎると、逆に本が提案できなくなる。
例えば「○○(作家)の××シリーズのような~以下略」とか「○○(作家)の作品で面白いもの」とかだ。
まだ後者であればいいのだが、前者は非常に難しい。
前者の場合は望まれた作家の本、そしてシリーズを読んでいなければならないという前提ありきなのだろう。
おそらくブックソムリエである以上、世の中のありとあらゆる本に精通していなければならないと言う人もいるだろう。
だが、世の中に出版されている本を全て熟知することは不可能に近い。
時間が無限であれば、片端から本を読み、様々な本を知ることができるだろう。
しかし、時間は有限なものなので、読める本は限られてくる。
限られた時間の中で読める本を読み、強みのあるジャンルを幾つか持つ方が武器になる。
幾つかの得意分野を持ち、さらに+αの本の知識で私はブックソムリエに挑んでいる。
広く浅くというより、専門分野の深い知識を求められるのが本来のブックソムリエの位置だと思っている。
ブックソムリエであるということ