甘いれもんー番外編ー
甘いれもんの番外編です。
短編ですが、楽しんで読んでもらえると
うれしいです。
侑くんと涼くんの誕生日の話です。
1.プレゼント
「ねぇ~れもね!
1ヶ月後彼の誕生日なんだけど
何をあげればいいかなぁ?」
私の友達の君野夏々(きみのなな)が大きな声で言った。
夏々、朝からうるさい…
てか、夏々…
「夏々、彼氏できたんだ。」
夏々の頭には
?が並んでいる。
「彼氏じゃなくて、好きな人だもん…」
少しふくれながら、夏々が言った。
ありゃ、
ゴメン…
でも、夏々はきりかえが早かった。
「れもねはぁ?好きな人!いないの~?」
やっぱり、私の話をもってきた。
「愛波くんは、どうなの?」
ドキンッ
さすが夏々…するどい
どうしよ…言っちゃおうかな…?
「つき…あってる…」
顔を赤くして、うつ向いて言った
私を見た夏々は、目を大きくして
言った。
「マジで!やったじゃん!」
え?夏々が、そんなに喜ぶの?
「それで?どんな感じ?」
ど、どんな感じ?
って言われても…
デートも、いれかわりのデート1回しかしてないし…
「何て読んでるの?」
ヤバイ、、
また顔が赤くなった。
「ゆ、侑くんって…」
夏々は、楽しそうだ。
「下の名前で読んでるんだぁ」
もぅ、ヤダ…恥ずかしい。
ニヤニヤしながら聞いてくる。
そのあとも、次々に
いろいろ聞いてきた。
そのたび、私は顔を赤くし、あつくなった。
もぅ、疲れたぐらい
話した後、夏々が言った。
「愛波くんの誕生日って、いつなの?」
え?
誕生日…?
侑くんの誕生日…いつだろ…?
「わかんない。」
私の答えに夏々が目を大きくした。
「うっそ!好きな人の誕生日知らないの!!」
な、夏々!声、大きい!!
みんなに聞こえちゃう!
侑くんに聞こえちゃう!〃
でも…
誕生日、知りたいな。
ー次の日ー
どうしようかな…
侑くん自身に聞くのもちょっとな、、
私が、1人で買い物をするのに街を歩いていると
見覚えのある男の人の姿が、あった。
「あれ?涼くん?」
「あ!れもねちゃん!!」
笑顔で近づいてくる涼くん。
涼くんから、ウソの笑顔がきえた。
よかった。
「どうしたの?」
「買い物してたの、涼くんは?」
涼くんは、ニコニコしながら
「内緒!」って言った。
何でだろう?
そうだ!
「ねぇ、侑くんの誕生日っていつ?」
涼くんは、ちょっとふくれた。
「何で、僕の誕生日聞かないの?
侑と同じなのに…」
あ、そうだよね…
「明日」
「え?」
何?
「だから、僕と侑の誕生日、明日」
ん…
明日?
誕生日…明日…?
「明日っ!!」
私は、驚いて叫んでしまった。
ウソ…
何も、用意してないよ、、
どうしよ…
「でも、侑…
誕生日嫌いだと思う、、」
え?
嫌いなの?
どうして?
あ、もしかして…
「涼くんが出ていった日だから?」
涼くんは、小さくうなずいた。
でも、涼くんは
ぎこちなく
「でも、僕にはプレゼントくれるんだよね!」
わかっちゃったよ…
涼くんが、つくってムリに笑ったの。
ゴメンね。
ムリさせて…
「うん!」
私も、笑顔で言った。
そのあと、少し話してから
家に帰った。
本当に、どうしよ…
誕生日嫌いだとしても
彼女として、プレゼントは
あげた方がいいよね!
誕生日を好きなるものを、、
でも、今から買いにいくっていうのも…
ん~
そうだ!
でも、私にできるかな…
2.おくるもの
ー侑くんと涼くんの誕生日ー
みんな帰った教室。
昼休み侑くんに「話あるから、放課後教室に来て」って
言っておいたし、
準備OK!
ーガラガラ
ドキンッ
ドアが開いた。
「侑くん…」
「何?話って?」
侑くんが教室に入って来た。
ドキン、ドキン
「あ、あの…」
何か、照れくさくてうまく言えない。
1度深呼吸をしてから、
私は、言った。
「お、お誕生日、おめでとう!!」
侑くんは、驚いている。
私の近くに来た。
そして、優しく頭を撫でながら言った。
「知ってたんだ…
ありがとう。」
やっぱり…
侑くん?
ムリしないで…
「もぅ、ムリに笑わないでよ…」
悲しかった。
私の前で、ムリに笑ったのが。
「やっぱり、れもねにはわかるか…」
侑くんは、髪をくしゃっとして言った。
「涼くんのこと…?」
私は、少し申し訳なく言った。
侑くんは、返事をせずに窓がわに
行った。
「あ、あのね!これ…
私が、つくったから下手なんだけど…」
私は、カバンから紙を2枚出して
侑くんに差し出した。
侑くんが手に取り、少し驚いている。
「う…た?」
「う、うん!
侑くんの誕生日知ったの昨日で、
メロディは、できてないんだけど…」
ごめんね…侑くん、
誕生日知るの遅すぎて…
彼女なのに、、
「えっと…
まえ、侑くんのお母さんが涼くんのために
つくった歌があるって聞いたから…
私が、侑くんだけの歌をつくりたいと思って…」
ヤバイ…
恥ずかしくなってきた。
誕生日プレゼントに、これじゃぁへんだよね…
侑くんは、目を見開いている。
「余計なことだったら、ごめんなさい!!」
私は、頭を下げた。
頭の上から、かすかに聞こえた声。
「…なわけ…なぃ」
「え?」
私は、頭を上げた。
ドクン
侑くんは、
涙をこぼしていた…
「余計なことなわけないだろ…!!」
侑くんは、真剣な顔で涙をこぼしたまま
私に抱きついた。
ぎゅぅ…
耳元で聞こえた侑くんの声。
「ありがとう…!」
泣きながら、言ってくれた。
それから、少したって
侑くんは、私を自分の体から離した。
涙をふいて
「メロディ!俺が、つけるよ!
だから、この歌
俺とれもねの歌にしよう!」
ドクン…
侑くんと
私の…歌?
「うん!
ありがとう!」
侑くんは、照れくさそうに言った。
「今までで、1番最高の誕生日だ…」
うれしい。
侑くんにそんなふうに言ってもらえて。
「来年は、もっと最高の誕生日にするから…!」
侑くんは、笑顔でうなずいた。
そして、2人で手をつないで帰った。
また、私侑くんの力になれたかな…?
数日後
「できたよ!れもね!
歌のメロディ!!」
私は、侑くんの言葉で振り返った。
笑顔で侑くんのとこに行く。
《私たちだけの大切な、歌。》
そのころ
涼くんは、
「れもねちゃん!
僕のこと忘れていない?」
と1人で、ケータイが鳴るのを待っていたのでした。
誕生日編、番外編ーENDー
甘いれもんー番外編ー
歌の一部分です。
れもねが侑くんに送った歌。
《僕のなかのキミ》
キミは、何を見ているの?
何をしたいの?
どこに向かいたいの?
迷いばかりの道を
暗闇のなかの僕を
照らし出してくれた
Advance before
本当の心(気持ち)教えて
Advance before
キミのなかの僕は何?
信じ会える人
愛する人
今、ここにいる。
これからも、「甘いれもん」を
よろしくお願いします。