好きなんです

歪んだ愛のお話
これは完全オリジナルですね。
部活とは一切関係ありません。
勉強の合間に書いたので短い上に終着点が不明。
そのうち気が向いたら書き足す可能性がないとは言い切れません。
書く予定があるわけでもないですが。
歪んだ愛を受け入れてくださる方は、本文に目を通していただけたら幸いです。
前書きが長い!
【少々閲覧注意にございます】

僕は気持ち悪いほど彼女に依存している。
それは自覚していることだ。
「ごめんね」
僕はこの間近所のホームセンターで購入した縄と、家にあった肌触りのいい布を手に彼女に近付く。
「え……?」
痛みがないように、でも簡単に外れないように、困惑している彼女の白くて細い両手首を彼女の背中の方で縛る。
「ねえ……?ねえってば……」
彼女は今僕によって目隠しされている。なにもわからないまま、縛られるのは怖いだろう。
「うん……聞いてる。ごめんね」
僕は数日寝る時間を惜しんで、パソコンで調べた縛り方で彼女の両手首を縄でぎゅっと止め、椅子に座る彼女の前に移動する。
「謝ってばかりじゃ、わからないよ……」
今にも泣き出しそうな彼女の声を聞き、僕は彼女の目隠しを取る。
「ごめんね。もう少し大人しくしていて」
僕はそう言って、彼女の足元にしゃがみこんで、細い両足首も腕と同じように縄で縛る。さっきより手際よくできた。
「どういう、こと……?ここ、君の部屋?」
僕が足を縛っている間、彼女は首を回して自分の状況を理解したようだ。
「そう。僕の部屋」
「どういう、こと……?」
怯えた顔の彼女。そうだよね怖いよね。まさか恋人に縛られるなんて、思わないよね。
「ごめん」
「ごめんじゃ、わからないよ……。ねえ、どういうことなの。なんの真似なの」
僕が立ち上がらず、彼女の足元から動かないでいるからか、段々いつもの威勢を取り戻してきた。
そう。君はそれでいい。そういう君が好きなんだ。
「……僕は、君のことが、大好きなんだ」
「私だって、君のこと大好きだよ。じゃなきゃ付き合ってない。そういうことを聞いているんじゃなくて……」
「君は!」
僕は彼女の言葉を遮るように声を出す。
「君は、人気者だ。誰からも好かれる。そんな君だから、僕は好きになった。そして君と付き合うことも出来て、とても幸せだ。でも」
「……」
見上げた彼女の顔は恐怖と困惑で、泣き出しそうだった。
「僕以外の人のことを、君は見てしまうんだ。人気者ゆえに。それが、嫌なんだ」
だから、君を僕の部屋に拘束した。
どうしたらいいのかわからなかった。
「他にも、方法はあったかもしれない。でも、わからないんだ。ごめん。ごめんね」
僕はいつしか、涙を流していた。
あぁ、こんなことでは、嫌われてしまう。
せめて泣き止んでくれ。お願いだから、涙止まれ。
「……私は、君以外の人のこと、好きになんか、ならないよ……どうして、どうして信じてくれないの?」
「違う。君は悪くない!僕が、僕が勝手に怖がっただけ。だから」
拘束した。そう言おうと涙でぐちゃぐちゃの顔をあげる。
「……ッ」
彼女の目からは、涙が流れていた。
「ごめ、こわ、怖いよね。ごめん」
「ち、ちが、違う!怖いけど……怖いけど、でも」
両手を縛られた彼女は涙を拭くことも出来ずに、言葉をつむぐ。
「初めて、君の気持ちに触れられて」
嬉しい。
彼女はそう言ってくれた。
「拘束は怖いけど、何故だか、君のこと、嫌いになれないの。自分でも分からない」
彼女は必死に言葉をつむいでくれる。僕なんかのために。
「私は、君から、目をそらさない。君がいなくなったら、私だって嫌だ。目をそらさない。手を離さない。だから」
やめて。まだこのままでいさせて。この異常な空間をまだ壊さないで。
「縄を、はずして」
あぁ……やっぱり僕には無理なんだ。
君は、僕ごときが留めていい存在じゃない。
「ごめん」
僕は、大人しく、彼女の縄を外した。
短い、短すぎる、僕の拘束。
あぁ、これからどうなるんだろう。僕はやはり捨てられてしまうのかな。そうだよね。当たり前だ。
自分を拘束した人と今まで通り付き合うなんて、無理なんだから。
「ありがとう。今までごめんね」
僕の拘束から放たれた彼女は、まず最初に僕を優しく抱きしめてくれた。
「え……」
「今まで、不安にさせて、ごめんね。いい彼女になれなくてごめんね。そのことに気づけなくてごめんね。君のこと追い詰めてごめんね。君のこと大好きでごめんね」
そんな……なんで……。
「でもね。やっぱり君のこと好きだから、ごめんね。たくさん悩んで、たくさん間違ってね。その度に、しかってあげる。今みたいに。だから、まだ捨てないで」
うそ……どうして。
どうして君はそんなに優しいんだ。
どうして許してくれるんだ。
まだ好きだと言ってくれるんだ。
そんなに、震えた状態で、なんで優しくしてくれるんだ。
「私の心は、君に恋したときからずっと、君に拘束されてるんだよ」
あぁ……なんて僕はおろかだったんだろう……!!

好きなんです

予想外に長かった……。
拘束はよろしくない行為です。
真似しないように。
歪んだ愛は好まれないことが多いです。気を付けてください。

たまにこういう暗めのお話書きますので以後よろしく。

好きなんです

歪んだ愛を語るだけ。 少し気持ち悪い……。 書いててこんな彼氏は嫌だと思いました。 ひたすらに暗い。暗すぎる。 概要も何もないです。暗いだけ。 苦手な人はひたすらに苦手なので気を付けてください。

  • 小説
  • 掌編
  • 恋愛
  • 全年齢対象
更新日
登録日
2013-05-19

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